87話 後処理
私達が近付くと、長(小県の長官)達が先に近付いて来て深々と頭を下げ、
「この度は県(町をジア王国ではそう言うそうだ)を救っていただき誠にありがとうございます!
あんな人数で襲われては兵士が減っている状況ではひとたまりも無いと思い、やむを得ずあれらを受け入れるところでしたから…」
と転がっている盗賊達を忌々しげに見ながら言った。
「いや、我々も後発部隊を襲われると困るしな。
それで、先ずは重傷者の扱いだが、一応治療した方が良いのかな?」
ケイド達にも聞こえる様に尋ねる。
「普通でしたら死ぬに任せるところですが、連中にとっては幸いにも回復魔法が使える方が沢山おられますので、治療をお願い出来ますか?」
というライガの返答により、とりあえず歩くのに支障がない程度に重傷者達は治療された。
こうして盗賊団の生存者は70名余りに確定されたが、出陣部隊は先を急がなければならないので盗賊達の扱いはこの小県に委ねる事になる。
そうなると目を盗んで脱走や、最悪の場合小県の乗っ取りを企む危険性があるのでどうするのか訊いたところ、
「普通に考えたら国境の小県とは言え、隣は精霊樹の里ですから脅威となるのは魔物ぐらいで治安は安定しています。
それなのにあまり必要のない《隷属の首輪》(相当品)が定数あるのですよ…今回ばかりはお役所仕事に感謝ですね」
と、苦笑と共にライガが答えた。
こうして後処理をしている間に昼が過ぎ、やや遅くなったが大休止を取る事にする。




