86話 盗賊退治
命令一下、引き絞られた弓から一斉に矢が放たれ、放物線を描きながら盗賊団へと吸い込まれていく。
流石は森人を主体とする弓隊であり、最大射程に近いにも関わらず殆どの矢が有効弾となり一斉射で200人近くに命中してその多くが斃れた。
一撃で過半を失い大混乱となった盗賊団に町の両脇の森から白兵部隊が一斉に接近し、それを見た賊は「待ち伏せだ!」「凄い数だぞ、逃げろ!」などと叫びながら蜘蛛の子を散らす様に…は町と挟撃のために不可能なので、東に向かって我先にと潰走を始めた。
追い付かれて後ろから斬られたり突かれたりなどで次々と脱落者が出る中、何とか森の中の街道まで到達した先頭に対して森の中から矢が放たれる。
盗賊団が森の中を見れない位置に移動した時に街道の向側にも一個中隊を割いて展開したために両側から満遍なく飛来した矢は先頭をなぎ倒し、同時に白兵部隊が立ち上がって姿を現す。
包囲網が完成し、尚も諦めずに強引に包囲を突破しようとして斬り捨てられる者達も居たが、残り30人に満たなくなった盗賊達は包囲されたのを見て武器を捨て次々と降伏した。
一先ず武器を突きつけながら町へと移動させ、その間にケイド達が町と話を付けていたので、捕縛用の縄を持った中年兵と少年兵達がやって来て、町の外で順次盗賊達を縛っていった。
それを横目に、とりあえず私は盗賊達の死体を埋めるために大きな穴を掘る。
戦斧などで頭からザックリ割れた様な損壊度の高い死体は先に【ボーリング】で直葬したので、周りに見えるのはあまり損壊していない死体ばかりだが、それでもかなりの者達の顔色は悪い…昼食は軽めのものが良さそうだ。
穴を掘り終わり、未だ町などの周辺に転がる重傷者をどうするか訊くべく私はエスリナ達を伴い、町長達と話をしているケイド達に近づいて行った。




