85話 盗賊団
《ふむ、あとどれぐらいで町に着きそうか?》
《1時間足らず、と言った所だと思われます。陛下方は40分ほどで着きます》
《分かった、もし足を早める様なら報告を》
《御意》
【テレパシー】でC班の2人に指示を出しつつ、何食わぬ顔で街道を舗装しながら進んで行く。
そして20分近く経った頃、
「では我々は先行して町に行きますので」
とライガが言った所で一呼吸置き、
「少し待て。【エリア・サーチ】に東から町に300ほどの者が接近している反応が出たが心当たりがあるか?」
と尋ねる。
「いえ、時節柄それ程の人が移動する事は…まさか?」
ハッとした様子のライガからエスリナに振り向き、
「賊が町に接近している可能性が高いな。町から見える前に2個中隊は道を外れて森を進んで退路を断ち、残りは町付近で待ち伏せしたいが可能か?」
「はい、確か町は森が近いので弓の射程内の筈です。でしたよね?」
エスリナがライガに確認すると頷き肯定する。
「では練度が高い2個中隊を退路へ、残りで賊と確認次第これを攻撃する」
と告げると慌ただしく動き始めた。
先ず退路に向かう2個中隊を最優先で通し、更に2個中隊が町を回り込んで北側の森に伏せ、残りが南側に伏せる。
配置が終わって直ぐに街道から統一性の無い格好の一団が現れ、土塀で囲まれた町唯一の出入り口がある東側へ接近し、それを見た町の見張りが慌てて見張り台から降りていった。
その間に【アプライズ・エリア】で一応その一団を確認すると、興味深い情報と共に全員が強盗、殺人、強姦など数多の罪科を持つ事が確認出来た。
「射程内ですが、まだ様子を見られますか?」
エスリナが退路を断つ2個中隊を率いているため、この場の最先任であるフィリフィアが訊いてきたので、
「《総員、あの一団が町に攻め込むか入ろうとした時に弓隊は一斉射撃、その後に攻撃に移る。魔法は防御のみ使え》」
と北側の部隊にも【テレパシー】を併用して指示を出した。
そうして様子を見ることしばし…多勢に無勢と判断したのか、土塀と共に町を囲む空堀に橋を下ろし始めてそちらに視線が集中したところで、
《用意………放て!》
攻撃開始を命じた。




