79話 東端の町にて
その後幾つかトンネルと橋を造って山林地帯を抜け、昼前には東端の町が見えて来た。
かなりの部分が無残にも焼かれたり荒らされている田園地帯を通り、無人の町へ到着したがそのまま通り過ぎ、昨日と同じく田畑が見えない位置まで進んでから大休止を兼ねた昼食の時間となる。
【テレパシー】で測量に協力したC班の2人を労い、その後【亜空間収納】から小型コンテナを取り出して昨日と同様に中から缶詰を出してトレーで配膳を始めた。
使われている食材は昨日と変わらないが、味付けが昨日と違う昼食は概ね好評で、先程見た無残な光景の衝撃も緩和された様だ。
食事をしながら進行方向に目を向けると、緩やかに下って進んだ5㎞近く先の所で北東と東に分かれている。
「もうしばらく進んだ所でどうやら分かれ道になっている様だが、東に進むのかな?」
とエスリナに問いかけると、
「北東への道がサニア王国方面で、東がジア王国方面ですのでそうなりますね。
本来なら夜が明けきらない早朝に先程の町を出て、順調に進んでも日が沈むギリギリにジア王国の西端の町に着く位の道程なのですが、宿泊コンテナというもののおかげで領界近くまで進んでも支障無さそうですね」
「ふむ。という事は先にもそれなりに広い場所があるという事でいいのかな?」
「はい、垰の入り口の平坦地の広さでも昨日と同様でしたら十分だと思います」
エスリナの説明に礼を言い、食事を再開して食べ終わってしばらく休憩した後、再び行軍を始めた。
道中で領界になっている垰について訊くと、数百メートルの高低差が幾度もある難所で、このため精霊樹の里に荷馬車を伴って来るには、一旦まだなだらかなサニア王国方面に出て、紅河沿いに南下してジア王国方面の街道に合流するのがマシなのだそうだ。
今回は頭数が多いため、荷馬車の物資を小分けにして持ち、空にした荷馬車を十数人がかりで交代で強引に進める計画であったという。
それを聞いて、私は例の2人に先行して貰ってある程度地形を把握する事にした。




