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78話 架橋

色々話しているうちにトンネル出口が近付き、次のトンネルを掘る為に再びトンネル掘削魔法の前段階である【エリア・サーチ】で測量をする。

今度のトンネルはやや短く、700メートル少々になりそうだ。


トンネルを出る前に掘削を始めても良かったが、訊くまでもなくフィリフィアが見たいと言う筈なので、掘削の始点が良く見える位置に到達するまで待つ事にした。

トンネルを出てしばらく進み、良く見える位置に着くと、

「で、あれがトンネル掘削魔法になる」

指で指し示しながら魔法を起動し、分かりやすい様に魔法陣を光らせながら発動すると、フィリフィアは目を輝かせて見ている。


その様子に苦笑しながら、

「ほら、フィア。進まないと置いて行くわよ」

エスリナが先に進む様に促す。

何とか後続する部隊の先頭と接触する前に没入から意識が戻ったフィリフィアは、慌てて後を追った。


フィリフィアが追い付いて来る気配を感じながら、さすがに先に橋を造らないとトンネルを抜けて直ぐに崖に突き当たるので、次のトンネルを抜ける前に架橋用の魔法を起動させる。

今回は距離が200メートル少々と短いため、下から橋脚を伸ばさずにアーチ橋にする事にした。


こちら側の崖から直角三角形の斜辺の部分が半円形になった形で橋が伸びていき、30°の鋭角部分で鏡に写した様に対称に対岸へと到達する。

到達した対岸の切り立った斜面へ遠隔でトンネル掘削魔法を起動したところで、先頭を進む私やエスリナ達がトンネルを抜けて橋に駒を進めた。


「立派な橋が…いつの間に造られたのですか⁉︎」

後ろから駒を進めていたケイド王子達が足元を見て狼狽(ろうばい)する。

「道中は道路やトンネル、橋を造ると言っただろう。何をそんなに慌てているのだ?」

今まで道路やトンネルを造ってきたのに、とむしろ不思議な気持ちになりながら問い返す。


「いや、むしろ驚いていないエスリナ様達の方が…道路やトンネルはまだ再現可能ですが、この橋は完全に再現不可能なレベルですよ⁉︎」

ライガが捲し立てるように言うと、

「ちゃんと驚いているわよ。フィアなんか固まっているでしょう?」


エスリナが隣を示すと、フィリフィアが騎上で完全に固まっていた。…折角追い付いたのに忙しい事だ。


「ほら、早く進まないと後続が(つか)えるぞ」

仕方ないので【(中級魔法)サニティ】で正気に戻し、早く進むように促した。


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