74話 宿泊コンテナの仕様
宿泊コンテナについて一通りの説明が終わると、
「寝る時は兵士は良くてテントとシートだと思っていたのですが、まさか下手な宿よりよほど良い宿泊コンテナ?というものが出てくるとは…貴国の兵士が羨ましい限りです」
共にコンテナ内部を見ていたライガが言う。
「元々は前の戦争で、輸送コンテナを現地改造していた物に色々加えて制式化したものだがね」
(終結までに結局大陸を横断したから、兵達の生活環境改善にとても役に立ったね)
30年前を思い出しながら相槌を打つ。
「しかし、もっと空間が拡げられるなら収容人数を増やした方が良いのではないですか?」
部屋のドアを閉め、こちらに振り向いたケイド王子の問いに、
「確かにもっと拡げる事も可能だが、あくまで戦地で使う事を考えると、攻撃を受けた場合に一ヶ所に人が固まっている事になるので被害が増えやすくなる。
そしてこれが破壊されて空間魔法が解除されると、(風船を破った様に)中から外に爆発的に飛び出す事で、攻撃を相殺しつつ中の者達を強制的に散開させるのだが、中を拡げれば拡げるほど飛び出す勢いが強くなってしまい怪我をし易くなる。
収容人数を増やさない理由は主にこの2点だな(他には作製難易度も上がるので作れる者が少なくなってコスト高になる、など)」
と空間拡張の特性を説明しつつ答えると、
「なるほど、攻撃を受けた場合の事も考えて作られているのですね。私達ではそんな発想はとても出来ないです」
エスリナが感心して言った。
「それは精霊樹の里が平和であるからこそだろうから、悪いことではないと思うぞ。
さて、宿泊コンテナの説明はこれくらいにして、各自の部屋を決めたら夕食の準備をするとしようか」
私も士官用の部屋(一番手前の左右の部屋で、シングルベッドの部屋になっている)の机にダミーの書類などを出すと、宿泊コンテナから外へと出た。




