66話 感染対策
庁舎に戻ると丁度昼時になり、そのまま昼食を取る事となった。
昼食を食べ終わり、徐にスーリオンが、
「我々は出陣準備の手伝いをしようと思うのですが、フレデリック様はいかがされますか?」
と訊いてきたので、
「とりあえず、城壁の途切れた所を完成させようと思っているよ。
…そうそう、忘れないうちにこれを渡しておくね」
昼からの予定を答えたついでに、【亜空間収納】から畳まれた円管服タイプの白い服を6着取り出す。
「あら、今度はどんなモノを出したの?」
興味津々といった風でアリステラが訊いてきた。
「これはあらゆる状態異常を防ぐ防護服、というものですね。
もし不自然な捕虜の返還や病人と思しき人がこの里に来た場合、必ずこの服を着た者達で応対して下さい。
伝染病を流行らせようとする魔王軍の攻撃の可能性があるので」
畳まれたうちから1着を広げて説明すると、皆はギョッとし、
「そ、それは、本当ですかフレデリック様!
伝染病とは…」
動揺しながら訊いてくるスーリオンに対して、流石に【過去視】で視た人体実験らしき話をする訳にもいかないので、
「四天王のドルグードがリッチとなると、病毒に詳しい可能性が高いので、そうなると出生率に難があるこの里に対しては特に有効な一手となるだろうからね」
と、尤もらしい理由を説明すると、
「分かりました、必ずそうする様に見張りの者達には厳命します」
真剣な顔でスーリオンは頷いた。
その横からふと思い付いた様にアリステラが、
「それにしても、ドルグードってリッチだったのね。フレデリック様いつの間に調べたの?」
と突っ込んできたので、
「指揮官を殺す前に尋問して訊いたのですよ」
と説明して【過去視】の事は伏せておいた。




