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64話 造船所

しばらくして戻って来たガルドの案内で、庁舎から小一時間ほど歩いた所にある造船所に部屋に居た者達から、出陣準備があるエスリナを除いた者達と、ガルドが集めて来た者達で移動した。


「魔王軍の空中部隊が西大陸に向かう船を襲う様になり、中継地のヤルタ島が攻撃を受けて壊滅し、そこに魔王軍の空中部隊が駐屯してからここも休業状態でな…

じゃが、道具類はきちんと手入れしているから何時でも作業に掛かれるぞ」

工場長の案内で造船所内に入り、船台の前で説明を受ける。


機関部を出すのにちょうど良さそうな場所を空けてもらい、そこに技術部長から巻きあ…貸して貰った初期型の機関部を出した。

それを見た皆が「おお〜」などと感嘆の声を上げる。

最近の型だと他では入手し難いミスリルなどの魔法金属がふんだんに使われているため、骨董品に近いこれの出番となった(後々の売却によるロイヤリティは半分が国庫に収まる予定)。


「詳しく見る為に分解しても構わないが、一応(骨董として)貴重品だから、後でちゃんと元に戻しておいてくれ」

と私が言うと、

「勿論です。こんな(見た事もない技術が使われた)貴重品ですから、ネジ一本無くす事なくお返しします!」

工場長が鼻息も荒く応えた。


早速工員達が機関部に取り付き、あちこち見たり触ったりする。ちなみにアリステラ達も工員の邪魔にならない様にしながら色々な角度から見ている。

「一部にミスリルなどの貴重な金属が使われておりますが、この里の今の蓄えでも数十隻は造れそうですな」

設計図と工員達の報告を合わせて、工場長はそう結論付けた。


「それは良かった。では後は任せても良いかな?」

「勿論です!…おい皆んな、先ずは各部の図面を起こす事から始めるぞ!

これまで充分過ぎて暇を持て余すほど休んだのだから、当分休暇は無いと思え!」

工場長の檄に気合いを入れて応えた工員達を見た私は、この惑星に思ったよりも早くこの惑星製の飛空船が進空しそうだと思った。


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