63話 飛空船
「飛空船⁉︎…って空を飛ぶ船って事よね?貴方の国ってそんなモノもあるの⁉︎」
驚愕しながらアリステラが訊いてきたので、
「ええ、その通りです。我が国では民間にも結構普及してきていますね」
と、普及状況を伝える。
「この型は人員最大80人+物資3tまで乗せる事が可能で、巡航速度60kt(時速約110㎞)で昨日大量に入手したスケルトンの魔核1個で15㎞程度飛ぶ事が出来るね」
更に大まかな諸元を伝えると、固まっていたガルドが再起動し、
「こ、これは凄い…だが、図面だけでは船体は造れても機関部?というモノが特に作るのが難しそうだが…」
食い入る様に図面を見つめて、懸念を口にした。
「それについては実物を【亜空間収納】に入れて貰ったので、重量に耐えられる風雨に晒されない場所に出すよ」
そう僕が言うと、ガルドは目を輝かせ、
「何っ⁉︎実物があるのか!
分かった、直ぐに人を集めるから少し待っていてくれ!」
言うが早いかドタバタと駆け出していった。
小広間を出て行くガルドを見送った後、
「あやつはもう少し静かに出て行けんものかのう…
フレデリック様、飛空船の技術供与は大変有り難いのですが、さすがにタダと言う訳ではありますまい。
今回は一体お幾らになるのでしょうか…?」
ガルドの後ろ姿に苦笑してから、こちらに向き直ったスーリオンが恐る恐る訊いてきた。
そんなスーリオンの様子に私は苦笑いを浮かべ、
「いや、今回のは直ぐには要らないよ。
飛空船は多人数を素早く移動する為に必要だから造って欲しい訳だしね。
そうだね…戦争が終わったら各国が欲しがるだろうから、売却額の1割を30隻売却するまで貰う、という事でどうかな?」
と、提案した。
「それでしたら大丈夫ですな。では、儂は精々高値で売れる様に努力するとしましょう」
ほっとしたスーリオンは、にこやかに言った。




