62話 設計図
残ったC班の5人は明日の出陣まで近くで待機とし、私は部屋へと戻った。
C班は全員がバンパイアなので、先ずは攻城軍を夜襲する時に人間族達を撹乱させるのに適任だろう。
さすがスコルツは人選にそつがないと思いながら目を閉じる。
◆ ◆
部屋に朝日が差し込み、自然と目を覚ました。
昨日は就寝が夜半を回ったが、いつも起きる時間の様だ。
鍛錬なども終わる頃、ミューリエルがドアを控えめにノックし、
「フレデリック様、起きていらっしゃいますか?朝食の準備が出来ましたが…」
と遠慮がちに声をかけてきた。
「起きているよ。ちょうどお腹が空いてきていたんだ。直ぐに行こう」
そしていつもと言えるようになった小広間へと入ると、これもいつものメンバーが集まっていた。
「フレデリック様、おはようございます。
昨日はよく眠れましたかな?」
今日も真っ先にスーリオンが声をかけてくる。
「まあ普通に眠れたね」
「そうですか、昨日戦った者達には気が昂ってなかなか寝れなかった者も結構居た様ですが、さすがですな」
スーリオンはにこやかに持ち上げてきた。
昨日までは防衛戦の事もあり、どうしても緊張感があったが、今日は終始和やかな雰囲気で朝食を食べ終わった。
食後に明日の出陣の話になり、頃合いをみて話を切り出す。
「ガルド殿、出陣している間に造って欲しいものがあるので、人を集めて欲しいのだけどいいかな?」
「それは構いませんが、今度はどんな物を作れというのですか?
宜しければ先に見せてもらえれば、集める人員の目処も立つのですが」
「尤もな話なのだけど、これは相当大きいうえに重量もかなりあるから…これを見たら分かるかな?」
ガルドの意見に応えて、【亜空間収納】から図面を取り出して机の上に広げた。
「これは船…ですか?少し形が変わってますが…?」
皆が図面に注目する中、首を傾げながら言うガルドに、
「これは船は船でも、空を飛ぶ飛空船の設計図だよ」
私はイタズラっぽい表情を浮かべながら言った。




