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61話 喚び出し

宴も終わり、皆も寝静まった深夜、密かに部屋を抜け出した私はそのまま【(上級魔法)フライ】で里の郊外へと出て、目立たない場所に【亜空間収納】から大型の《転移陣》一式を取り出し、魔素(マナ)と光が外に漏れない様に調整や隠蔽した後、本体に準備完了を告げる。


しばらく後、《転移陣》が輝きだして(まばゆ)い光を放ち、それが収まると16人の者達が出現した。

彼らは転移陣の外に整列すると私に敬礼をし、私は答礼を返す。


「諸君、着任ご苦労である。

任務については既に聞いていると思うが、完了まで1年以上かかると思われるため、肩に力を込めずにやってくれ。

…しかし、分体とはいえスコルツが来るとは思わなかったな」

微苦笑と共に今回の隊長のスコルツに言うと、


「最近は他の大陸からの脅威も特にありませんし、偶には現場に出ないと勘が鈍りますからな。

分体なら力が制限されますし、丁度いいでしょう」

ニヤリ、と笑いながら答える。


「それは一理あるな。しかし…(えぐ)った本人が言うのも何だが、その左目はそろそろ治した方が良いのではないか?

というか、わざわざ分体まで同じにしなくともいいと思うのだが…」

「いえ、これは(いまし)めですから…これがあるからこそ油断や慢心を抱かずにいられるのです」

300年近く経っても相変わらず真面目なスコルツに、もう何度目か忘れそうな治療の勧めが断られた。


「まあ、支障がないなら好きにしてくれ…では、飛空船を出すぞ」

お願いします、とスコルツの声を受けて【亜空間収納】から開けた場所に飛空船を出した。


この飛空船は見た目は一般的な民間船だが、光学や熱、魔力など各種探知に対して最新の対策が施され、また少人数で運用出来る様にあちこち自動化されている。

…と言ってもこの惑星にはまだ飛空船が無いようなので(しかも全金属製だし)、飛んでいるだけで目立つので少なくとも昼間は常に光学迷彩が必須だが…


「陛下、ありがとうございます。

C班は陛下のサポートに付けますので、ご自由にお使いください」

A班とB班が飛空船の中のチェックをし、C班が外側からチェックをする間、スコルツと最後の打ち合わせをし、準備が完了していよいよ出発となる。


「…そうだ、これだけは言っておかねばならなかったな。

もし魔王や四天王が倒せそうだからといって、うっかり倒さないように!

では、健闘を祈る!」

私の激励(?)に笑った後もニヤニヤしながら、スコルツ達は飛空船に乗り込み、静かに離陸して西の空へと消えて行った。

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