55話 行動意図
◆◆◆とあるワイトの記憶◆◆◆
「…よ、五千のスケルトン達を伴い里に向かい、先日の提案が拒絶されたなら出来る限り亜人共を殺せ」
眼前のリッチがそう言った。
「はっ、承知しました。…ドルグード様、質問してもよろしいでしょうか?」
さっきまでの嫌味な口調は何処にいったのか、真面目な口調で問いかけている。
「何だ、申してみよ」
「そのまま戦いになった場合はそう致しますが、亜人共が初めから坑道に立て籠もっていた場合、被害ばかりでなかなか亜人共を殺せないと思うのですが、それでも攻撃しますか?」
そう問いかけると、
「何だ、そのような事か…亜人共が籠城すれば出て来るまで入り口を囲んでやれば良いのだ。その為に飯が要らぬ者達を派遣するのだからな。分かったか?」
「はっ、失礼しました!」
そのまま退室しようとすると、
「おお、そうそう…今回はあくまでジア王国への援軍阻止が主眼ゆえ、無理に勝たなくとも良いぞ…亜人共にはもっと良い策を研究させておるからの」
ドルグードが不気味な笑みを浮かべながら言う。
「捕らえた亜人共に色々と実験しているアレですか?」
「フフフ、その通りよ。だから今回で連中の若者の人口をもっと減らしておけば、次で絶滅寸前にしてやれるじゃろう。長命種は繁殖力が低いからの。
一応、万が一敗北しそうな場合は、田畑を焼き払う様に。
亜人共が籠城する様ならば、これ見よがしに焼き払ってやると良い」
「さすがドルグード様、御意向に沿えるよう、精進致します」
そう言うと、今度こそ退室した。




