51話 精霊樹の里防衛戦⑦
◆◆◆エスリナside◆◆◆
私は戦列で危険な場所が出た場合、綻びを修整する為の直卒部隊を率いているが、開戦から後、私達が出るような場面は全く無かった。
(多くの者が今回が初陣とは思えない位、スムーズに動いているわね。あの方に指揮をお任せして良かったわ)
見る限り軽い負傷者は出ているが、戦列の背後にいる治癒役が速やかに治癒しているので死者や戦闘不能な者は誰もいないようだ。
(こういう時は、一部隊を率いて横撃とかも有効だけど、城壁があるから出れないわね…)
などと贅沢な悩みが頭に浮かんだ頃、
《白兵部隊、横陣の隙間から敵の精鋭部隊がもう少しすると出てくる。エスリナ殿、直卒部隊を率いて当たって欲しい。こちら側は私が当たる》
という指示が【テレパシー】で来た。
《了解》と念じ(分隊長以上は相互のやり取りが可能にしているそうなので)、後ろに合図を送って前に出る。
最前列と交代し、邪魔なスケルトン達を薙ぎ払い少し待っていると、戦列の間から他と別物のオーラを纏った甲冑騎士が数十体のスケルトンナイトを率いて出てきた……デュラハンだ。
そのデュラハンが軽く騎士剣を掲げると、スケルトンナイト達はデュラハンを中心にした半円の陣形を取る。
そのむしろ他のスケルトン達の行動を妨害する陣形に訝しんでいると、
「私ハ元ジェラルド王国騎士団長、フリード、ダ。我コソト思ウ者ハ、我ガ首を取リ手柄トセヨ!」
そう大音声で叫んだ。




