49話 精霊樹の里防衛戦⑤
◆◆◆コーデリアside◆◆◆
狭間のついた壁の前には空堀が張り巡らされているため、スケルトン達は自然と坑道入り口の通路に集中した。
幅およそ4メートルの通路は少しの間スケルトンで混雑し、もたつく間に矢を集中させて1体、また1体と屠っていく。
残っていた装備の良いスケルトンが指示を出したのか、3体ずつに並び直したスケルトン達が、遂に槍の間合いに到達した!
「せい!」「うりゃ!」「とおっ!」
気合いの声と共に槍を突き出す。狙いは弱点である頭蓋骨や、武器を持つ腕などだ。
1体は第一撃で倒せたが、2体は傷つきながらもまだ接近して来た。
一列目の後ろにいた者達が続いて槍を突き出し、残り2体を倒す。
何度かこの攻防を繰り返すと、槍を持ったスケルトン達が近づいて来て、前で戦っているスケルトン達の隙間から槍を繰り出して来た!
里のドワーフ謹製の防具のおかげで死者こそ出なかったものの、負傷した者達を下げる隙に残りのスケルトン達が接近し、そのまま白兵戦に突入してしまった。
「まずい、侵入を許してしまった!…者共行くぞ!」
ケイド王子はそう叫ぶと、真っ先に櫓から降りて行き、慌てて側近と護衛達が続いた。
もはや全体を見る必要も無いと思い、私達も櫓を降りて先ずは負傷者達の所へ向かいます。
小走りで近付きながら、腕輪に魔力を込めて【ヒール・エリア】のトリガーボイスを発します。
ひと所に集まっていた負傷者達が薄い青緑色に包まれ、傷が癒えていった。
「おお…傷が…」「姫様、ありがとうございます」
礼に対して微笑みつつ、【ヒール・エリア】で治しきれなかった者達に対して【ヒール・ハイ】をかけていきます。
臨時の野戦病院と化したこの場所には、スケルトン達との戦いで負傷した者達が来たり担ぎ込まれたりしていました。
3人目に【ヒール・ハイ】をかけたところで、倦怠感が強くなってきます。
それに侍女が目敏く気付き、
「コーデリア様、腕輪を使うのを他の者に交代してください」
「でも…まだ負傷者が来るかもしれないわ」
「コーデリア様は坑道守備隊の指揮官でもあられるのです。指揮官が気絶しては周りの者が困ります」
尤もな話に、大人しく腕輪を予め決めていた次の者に渡します。
そして負傷者の治療に集中し過ぎた事に気付いた私は、侍女を伴い戦況を確認する事にしました。




