38話 西大陸の現状
「それで西大陸の戦況だったわね。
私の聞いているところによると、ジェラルド王国は王都が陥落して領土の6割方を喪失。エストルナ王国の援護の下に要害に立て籠もっているそうよ。
エストルナ王国は中央盆地周辺が侵略されているけど、まだ辺境部が侵されているぐらいね。
ティルーゼ王国は主に内海沿岸部から元小国群の強制徴募された兵士達に侵略されているけど、領土喪失は1割前後ぐらいだと聞いたわ」
「なるほど、でしたらまだ時間はありそうですね、ありがとうございました」
「それはいいけど、こんな事聞いてどうするの?」
そうアリステラが訊いてきたので、
「西大陸が魔王軍の制圧下になれば、北回廊を通って増援が来たり、南から来れば大陸規模で挟み撃ちという事になるので、西大陸があまり保たないなら、犠牲を覚悟で強行策も考えないといけないかと思っていたので。
もうしばらくは大丈夫そうで良かったです」
と答えた。
「あっ、そういう事…さすが皇帝陛下ともなると考える事のスケールが大きいわね」
周りも感心したような目を向けていた。
「仕事柄ですよ。ではこれを借りていきますね」
「ええ、一仕事頼んで申し訳ないけど終わったらゆっくり休んでね」
アリステラの言葉を背に受けて軽く会釈し、そうして私は水晶球の魔道具を持って部屋へと帰った。
部屋で魔法回路の手直しや素材の入れ替えなどを行い、最終的には元の方が少なくなった気がするが、それなりに満足な出来になったので眠る事にしてベッドに入った。
そして西大陸の魔王軍に対する遅滞作戦を幾つか考えながら、2日目の夜は更けていった…




