37話 通信用魔道具
「そう、その【テレパシー】を使う…こうやってな」
《分隊長は前に集まって欲しい。この方法は最初は慣れないだろうが、伝令より早くて確実だからよろしく頼む》
この場に居る者全員に【テレパシー】で伝えると、多くの者がキョロキョロ周りを見回したが、やがておずおずと分隊長達が前に集まってきた。
そして順番に名前を教えてもらい、先程までの訓練を再開する隊と私の【テレパシー】の指示で模擬戦を行う隊に分かれて、訓練終了の時間までみっちりと訓練を行った。
◆ ◆
訓練終了後、夕食まで時間があったので今日は先に風呂に入ってから部屋で少し時間を潰し、昨日と同じメンバーで夕食を食べてから、
「アリステラ殿(様をつけると呼び捨てでいいと言われたが、他の者達の手前があるので妥協して貰った)、少し聞きたいのですが、西大陸の戦況などの連絡は向こうの神々と取ったりしていないですか?」
と、訊いてみた。
「前にこちらに来た時に通信出来る魔道具を作って渡したのだけど、かなり魔力を使うから重要な話以外では使ってないわね…こんなのだけど」
アリステラはそう言うと、球形の水晶の様なものを取り出した。
「そう言えばフレデリック様は【魔道具作成:SS】だったわね。…これ改良出来ないかしら?」
手渡された水晶球に軽く魔力を通してみる………通りが悪い上に少なからず漏れているようだ。
「2時間程あれば改良出来そうなので、今夜預かってもいいですか?」
「そう、助かるわ!凄い集中力も要るし大変なのよ」
その言葉にスーリオンとガルドが少々居心地悪そうにしていたので、
「こちらには無い素材でこの魔道具に適した物が幾つかありますので、それを組み込めばだいぶ良くなるでしょう」
と、あくまで素材が足りないからという話にしてフォローしておいた。




