33話 難民部隊編成
昼食の後しばらく休憩し、再び訓練場に向かうと、売却した装備が使う者全員に行き渡った所だった。
そうして余剰が出た防具をほとんどが着の身着のままでこの里に来た、主にサニア王国からの難民から抽出した兵に装備させる事となり、この訓練場に集まって来ていた。
その中からコーデリア王女達がこちらに来て、
「フレデリック様、昨日はありがとうございました。戴いた腕輪のおかげで沢山の怪我人や軽い病人を治す事が出来て一同感謝しております」
そう言って皆で一礼した。
「役に立ったようで何よりだ。そのまま習熟すれば今後大いに力となるだろうから頑張って欲しい」
私はそう答えて里の者達の訓練を観に行こうとしたが、ちょうどそこにケイド王子達ジア王国一行がやって来た。
「勇…フレデリック様、何やら沢山の人が集まっておりますが、合同訓練でもされるのですか?」
「いや、今は難民から抽出した兵達の装備を整えている所だが、防具は揃ったが武器は(あくまでフレデリックから見て)お粗末であるし、兵士をやった事がある者も少なさそうだから先ずは基礎訓練からだろう」
そう言いコーデリアの護衛兵の1人に視線を向けた。その壮年の護衛兵は、
「一応、訓練自体はこちらに避難させていただいてから少しずつしていたのですが、先述頂いた通り経験者が少ない事、あまり大規模にやると里の方々にいらぬ刺激を与えかねないという判断で一部を除き練度はまだ低いと言わざるを得ません」
と答えた。
それを聞いたケイドはやや肩を落とし、
「うーむ、そうなのですか…それは残念です…」
「まあ白兵戦はまだ無理でも、弓兵や輜重兵を主に担って貰うなどは出来るだろう」
そう言い慰めておいた。
「ところで先程、一部を除きと言われたが、少数なら白兵戦に耐え得る者が居るのかな?」
再び壮年の護衛兵に話を向けると、
「はっ、私を含めて100名程は耐え得ると思います」
「そうか、では明後日の戦いにその100名程に参戦してもらいたい。わだかまりを解くには共に戦うのが効果的だからな。…コーデリア様、良いだろうか?」
「ここに避難させていただいてから、お世話になってばかりですので是非お願いしたいです!」
「分かった、話は私が通しておこう。…指揮を采られる貴殿の名を聞いて良いかな?
」
「キーロフと申します、フレデリック様」
「ではキーロフ殿、選抜をよろしく頼む。ついでに弓か弩の余剰がないかも訊いておくから、心得がある者がいればその者も選抜しておいて欲しい」
「はっ、承知しました!」
話がついたので、ついて来るというジア王国一行と共に白兵訓練を観に移動する事にした。




