30話 模擬戦
エスリナとおよそ10mの距離を取り剣を抜き、怪我をさせないように剣の刃を力場で覆い、サイロスの合図を待つ。
エスリナが得物を抜き、ショートソードと…あれは少し形は違うがソードブレイカーを構える。
(また面白い武器を使うね…先ずはお手並みを拝見するとしようか)
「では…始め!」
サイロスの合図が出た瞬間、エスリナが一気に間を詰めようと走り出し、その眼前に無詠唱で放った
【(中級魔法)アースグレイブ】
の先が丸くなった岩の槍が多数展開した。
が、エスリナは槍の間や槍の側面を左右に跳びながら更に近付き、
【氷よ刃と成せ:(中級精霊魔法)氷刃】
の詠唱と共にロングソードの長さになった先端の透き通る氷の二刀を振るってきた!
(いきなりリーチが長くなるとか流石手練れだね)
そう思いながらバックステップで躱し、刃が流れた後に半歩前に出て袈裟懸けに剣を振るう。
それを半身をずらして躱したエスリナに対し剣を切り上げて追撃しようとしたが、ソードブレイカーで受けようとしたので剣を止め、迫るもう一刀を躱しながら突きを繰り出し、その場で十数合打ち合い一旦距離を取った。
息を呑む周囲を余所にエスリナは次の魔法を詠唱し、
【風よ凍てつく嵐となりて我が敵を討て:(上級精霊魔法)氷嵐】
無数の氷の礫が舞う竜巻を放った!
【(上級魔法)ファイアストーム】を無詠唱で放ち相殺するが、その間隙を縫って棒手裏剣が4本飛来して来る!
うち2本を弾き上げ、もう2本を掴んで投げ返し、更に弾き上げたもう2本を掴んでより速く投げ返した。
流石に予想外だったのか、2本は問題なかったがもう2本で少し態勢を崩した。
そこに追撃で【(初級魔法)ファイアバースト】を威力低め範囲広めで足元で起動して更に態勢を崩し、同時に一足で接近し上段斬りを振るう。
態勢を崩していたエスリナは受け切れず尻もちをついてしまい、私は肩に剣身を軽く乗せた。
「勝負あり!勝者フレデリック様!」
サイロスの声がその場に響き渡った。




