24話 完成…?
話が長くなったり訪問者が来たりして予定よりは遅くなったが、日が西の山々の稜線に消える前には正五角形の城壁造りが完了した。
スタート地点である東へ伸びる道まで里の周りを一周して戻って来た訳だが、最後の仕上げは今回はしない。
城壁造りによる多少の震動が収まったのを機に、里の首脳部が再び集まって来た。
「フレデリック様、完成したようですな、大変お疲れ様でした。もう少ししましたら夕食の準備が終わりますので先に部屋をご案内いたしましょうか?」
スーリオンが勧めてきたが、それを遮って
「その前に御聞きしたいのですが、ここには城門は造られないのですか?
「普通、城壁には城門があって有事には門を閉じて対応するはずですし、現に坑道に近い所には城門がありました。それなのに魔王軍が来る予定のここ(東の街道)は城門どころか300メートル近く城壁が無いままですが…」
そう私にエスリナが尋ねてきた。
「まあ普通はその通りだが、白兵部隊に早いうちに経験を積ませようと思ってな。城壁が無ければ魔王軍はここから侵入しようとするだろう。白兵部隊を何列かに分けて交代で戦わせれば、比較的安全に実戦経験が得られる。
危険そうなのは城壁の上から狙撃ないし魔法で間引いてもいいし、私が片付けてもいいしな。
もちろん、今回の戦いが終わればちゃんと城壁を繋げて城門を造るから問題はない」
「なるほど、そういうお考えでしたか。差し出がましい事を申しました」
エスリナは深く頭を下げた。
「いや、すぐに説明するつもりだったので手間が省けた。サイロス君、そういう事なので説明などを宜しく頼む」
サイロスはうなずくと先に里の中へと戻って行った。
その姿を見送った後、
「さて、頃合いですので夕食を食べに戻りましょうか」
スーリオンの先導で、皆で庁舎に戻る事となった。




