23話 新たな来訪者
少し長くなった休憩を終わり、再び城壁を造っていると、南側の避難民達の集落から12〜13歳位の少女を先頭に数人が近寄って来た。
そちらを見遣ると先頭の少女が一礼し、
「お忙しいところ失礼致します。私、サニア王国第三王女コーデリアと申します。今日召喚された勇者様でいらっしゃいますでしょうか?」
「勇者ではないが、召喚された者という事では合っているな。セラ・フレデリックという。セラが家名だ」
そう答えると、コーデリアは深々と頭を下げ
「フレデリック様、お願いします!サニア王国を救ってください!私は何も持たず非才な身ですのでこんな事しか出来ないのですが、もしその一助となるのであれば喜んでこの身を差し出す所存です!」
慌てる侍女や護衛を後目に頭を下げ続けた。
確かな覚悟を見てとった私はコーデリアに向き直り、
「頭をお上げ下さい、コーデリア様。さすがに直ぐという訳にはいかないですが、ジア王国を救援し態勢を立て直せば、サニア王国の解放に動くのは間違いないでしょう。
祖国を占領されてお辛いでしょうが、もうしばらくご辛抱ください」
目線が同じぐらいになるよう軽くしゃがみながら、微笑んでそう言った。
「本当ですか⁉︎ありがとうございます!作業の邪魔になってはいけないとは思っていたのですが、巨大な城壁が出来ていくのを見て居ても立ってもいられず…では私達はこれで失礼します」
皆で一礼して去ろうとしたので、
「少し聞きたいのですが、コーデリア様は比較的豊富な魔力をお持ちのようですが、回復魔法などは使えますか?」
少し気になった事を尋ねてみると、
「私は水の精霊魔法に適性があって基礎的な事は学んだのですが、魔王軍の侵攻で途中で避難することになってしまいました」
目を伏せながらそう答えた。
「辛い事を思い出させて申し訳ない。…ではこちらを使ってみて欲しいのですが」
亜空間から《回復師の腕輪》を取り出し(指輪だと勘違いが少々怖い)、コーデリアに手渡した。
「これは…?」と訊いてくるコーデリアに先程里の首脳部に説明した事を話し、【キュア・ディズイーズ】は習熟と技量が上がるまでは軽い病気しか治せない事を追加で説明した。
「そんな凄い魔導具、お金も無いですしとても受け取れません…」
当然コーデリアは固辞したが、
「先程『一助になるなら喜んでこの身を差し出す』と、おっしゃっいましたよね?この惑星では回復魔法の使い手は貴重なようですし、使えれば間違いなく一助となりますから、これを使って回復魔法に習熟してください」
そう言って押し切った。
コーデリアはなおも逡巡していたが、
「分かりました…まずは避難している民達を癒して習熟していきたいと思います」
腕輪を受け取ると、再び皆で一礼して去っていった。




