20話 量産の理由
「それは魔力があれば誰でも使えるようになるの?」
とアリステラが訊いてきたので、
「その通り。決められたワードを言えば使用者から魔力を一定量取って魔法が発動する。
元々は我が国とは別の大陸に住むグラスランナーという小妖精族が、魔力は豊富に持つが魔法は使えない者が多いという欠点を補うため(と、治癒師を囲い込んで治療に高額な請求をする大聖国の力を削ぐため)に欲しいからと輸出を始めたのだが、予想以上の売れ行きになっているな」
「そんなに手軽に回復魔法が使えるようになるなら、それはそうなるわよね…多分、安いのでしょうし」
スーリオンに目を向けて、言外に問い掛けると、
「それはもう…腕輪は言うに及ばず、指輪の【ピュア・ウォーター】も水の確保に困る場所では重宝するでしょうし、沢山作ると安くなるとは聞いておりましたが、これ程安くなるものなのですな」
半ば呆れ顔で言った。
「この指輪を分隊(30人前後)に1個、腕輪を小隊(100人前後)に1個配備すれば、迅速な治療体制が出来ると思うぞ。魔力が切れたら他の者に渡せば使い回せるしな」
それを聞いていたサイロスが、
「その指輪と腕輪があったら、あの戦からもっと多くの者が生還できたでしょう…スーリオン様!是非お願いします!」
深々と頭を下げた。
「それは勿論じゃ。フレデリック様、指輪100個と腕輪30個をお願い出来ますか?」
私は頷き、
「分かった、明日には準備させよう」
と答えた。




