2話 状況
転移の感覚が終わり、見知らぬ地に降り立った。
周りをゆっくり見回す…ふりをしながら、【(上級魔法)アプライズ・エリア】を隠匿発動して先ずは周辺戦力を確認する。
(魔力的にはすぐ前に居るのが準神クラス、その後ろに竜クラスが数人…あとはそれ以下だから問題外…暗殺としても問題ないな)
刹那にそう判断を下し、居並ぶ者達に向かい口を開く。
「貴様らは誰だ?この所業は私を光翼連邦皇帝と知っての事か?」
それに対し、準神クラスのとても美しい女性の姿をした者が
「突然喚び出してしまい、大変申し訳ありません勇者様」
と言った。
勇者という言葉に皮肉を感じながら一瞬、枝葉なる世界に喚び出されたのかと思ったが、感覚は距離は相当(星系5個分ぐらいか?)離れたが、元と同じ幹なる世界だと教えてくれる。
「私は『勇者』ではない。皇帝…というのもあるが、『勇者』とは他の世界から召喚し、世界線を越える時に発生する莫大なエネルギーの一部がその者の身に宿るからこそ『勇者』となる筈だが」
そう言うとその女性は、
「よ、よくご存知ですね?私達もそうしたかったのですが、色々ありまして魔力が足りない事と、即戦力が必要なため同じ世界で力の強い方を喚び出す事に…重要な役職に就いている可能性が高いとは思っていたのですが、まさか皇帝とは…誠に申し訳ありません!」
と、深々と頭を下げた。
それを見て女性の後ろのエルフ、ドワーフ、獣人などで構成される者達は
「アリステラ様⁉︎」「人間に頭を下げるなど…」
などと騒然となり、場が混乱し始める。
しかしその時、
「皆の者、静まるのじゃ!」
初老とおぼしきエルフが一喝し、場を静めて前に出てきて一礼して
「皇帝殿、儂はこの里の代表のスーリオンと申します。こちらが精霊樹の化身であらせられるアリステラ様と申します」
「ふむ、私はセラ・フレデリックという。セラが家名だ」
「フレデリック様、色々仰りたい事はございましょうが、このまま立ち話も何ですし、ひとまず場所を移させて戴いてもよろしいでしょうか?」