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10話 作業開始

気を取り直し、少し離れた所にある高台まで登り里を一望する。

里は一際…というか他と比較にならない程大きい精霊樹とそれを囲む樹の家々、北西に少し離れた場所に坑道入り口、東に進む道などの周りに広大な田畑が広がっている。


また本来は無いのだろうが、難民達が住まう簡素な家々が木石混合の大きめな建物が幾つかある南側に固まっていた。


「とてもいい眺めだな、この様な風景はそうお目にかかれないな」

「そうでしょう、ですから和睦を望む者達の気持ちも分かるのです…もしこの風景が破壊されてしまったら先祖に対して申し訳が立ちませんからな…」

スーリオンはしみじみと呟いた。

「平和になったら、姉弟と妻を連れてきて見せてやりたいが、その前に少々風景が変わってしまうな…」


「?…フレデリック殿、それはどういう事ですかな??」

「何、出来るだけ景観を損なわない様な形にするから、楽しみにしておいてくれ」

というと、それぞれの位置関係などを覚えて、高台から下りて最初の作業地点に向かった。




さて、いよいよ作業を開始する。

まずは土魔法で水平を整え、20m×50mより少々大きめに地面をコンクリートレベルまで深さ10mほど固める。

坑道戦術を考えるともっと深く固めておくべきだが、時間が無いので省略する。


隣にスーリオンが居るので、

【(中級魔法)クリエイトゴーレム】とトリガーボイスを発すると、固めた所から10m×50m、高さ10m分が盛り上がり、巨大な立方体が出現した。


それを見たスーリオンは目を見張り、

「何と…見た事もない大きさのゴーレム?ですじゃ…しかしこれをどうなさるので…?」

「それは勿論、こうするのだ。」と言い、その立方体ゴーレムを固めた残り10m×50mの方に傾けていく。

傾いて来たらそちら側からも足を多数出し、(見てくれはよろしくないが)支えながらゆっくり倒していく。


少しの地鳴りと共に、その場には僅か5分で高さ10m、幅10m、長さ50mの壁と深さ10mの堀が出来た。


「まだ昼前であるし、昼を挟んで夕方までには里を囲む城壁が出来るだろうよ」

と、呆然とするスーリオンに声をかけた。

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