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たとえ君が学園一の美少女だろうと、俺は君を好きにはならない  作者: 速水 雄二
第1章 椎菜夜宵は国民的アイドルである。
8/20

東雲零斗と椎菜夜宵 邂逅編②

 この話は章の都合上、ものすごく短くなっています。

どうぞ、読む前にご承知ください。

「ほら……」

「ありがと」


 俺はすぐそこの自動販売機で買った、『ほっと、ゆずれもん』という商品を椎名が腰掛けているベンチに置く。

 もうすでに春だというのにその自販機のメニューは全部冬物で、ほっとゆずれもんの他にもコーンスープや、お汁粉などの商品があった。


「……で、さっきの話はどういうことなんだ?椎菜のせいで誰かが死んだ、ってやつは……」


 彼女の隣に座るとそんなことを尋ねる。

 俺たちはあのまま長時間立ち話をするのは、得策ではないと判断したため、寮付近の公園まで移動していた。


「誤解されないように言っておくけど、私が直接その子を殺したわけじゃないの……」


 まぁ、そうだろうな。

 誰がどう見ても、この椎菜夜宵という子が人を殺せるとは思わないだろう。


「ただ……私があの時あの場所にさえいなければ、あの子は助かっていたんじゃないかな……なんて」

「……どういう意味だ?」

「そののままの意味。私がその時、その場所を通ってさえいなければ、あの子が命を落とす事もなければ、その遺族が悲しんでいる姿を見る事もなかった……」

「その子っていうのは椎名の知り合いだったのか……?」


 椎菜は、俺の質問に対して首を横に振る。


「……名前も知らない女の子」

「…………ん?だったら、そんなに椎菜が思い悩む必要はないだろ」

「……、うん。そうかもしれない。でも……」


 彼女は、自分の足元を見ながら言葉を続ける。


「……見ちゃったんだ。その子の家族が泣いている……その姿を」

「っ……」


 かける言葉が見つからなかった。

 きっとその当時の彼女からしたら、その様子はあまりにも受け入れがたい現実だったのだろう。


「……まぁ、そんなわけ」


 そういうと彼女は立ち上がり、数歩ほど前進する。


「……というわけで、私はみんなに、優しい人間になろうと決めたの。その子の死を無駄にしないために。そして、」


 そして、

 彼女は振り返って俺に告げる。

 満面の笑顔とともに。


「私に道を示してくれたあなたに、笑顔になってもらうためにも……ね?」

この度は、東雲零斗と椎菜夜宵②を読んでいただきありがとうございます。

もし美少女に『私に道を示してくれたあなたに、笑顔になってもらうためにも……ね?』なんて、言われたら悔いは残らないのではないでしょうか?ー残りません。

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公がこんなになった原因がこの子…? だとしたら………どのツラ下げて抱きついてきたんじゃこのあ((((( まぁだとしたらだしこれ以上は…(9割は言った) ていうか最初から(心の)距離近くな…
2020/04/24 18:56 名無しのハテナ
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