それは漕ぎ手たちが紡ぐ神話
おまけみたいなもんです。不定期です
革命ってものを知ってるか? あぁそうだ力のない弱者が集って高価な椅子にふんぞり返ってるやつを潰す、そういう事だ。階級社会における支配者の転換を意味する。カードゲームにもこういうルールがあるだろ? 力ある者が落ちぶれ弱者は起死回生の一手を見出す。
だが、現実はカードゲーム程簡単じゃない。弱者はどれほど集ったって弱者の群れにしかならないんだよ。革命が起きたとしても弱者が強者になることなどないし、起きる現象はただ単に頭がすげ替えられるだけ。顔の見えない誰かが価値を認める支配者になるまでただひたすらに切り替えられる。それはまるで着せ替え人形の洋服だ。そして弱者は時代の流れについていけずやがて淘汰される。
じゃあ革命が起きて得をする人間は誰だ?
それは勿論台頭した頭の側にいる人間だ。支配者はルールを作る。それも自分自身と周囲がとびっきり有利になるものをな。結局、どいつもこいつも人の子だ。人の上に立つと頭を踏みつけずにはいられない。権力は簡単に人を変えるんだよ。
さて、少し話を変えて世界の話をするか。
ほんの3世紀ぐらい前からジュラキラス皇国って国が世界の覇権を握りつつある。場所はユーラシア大陸北部--旧ソヴィエト領っていえばいいのか? あそこら辺だ。なんでも社会主義ってのが流行る原因になった国らしいんだがそこで革命とやらが起きて再び雷帝が支配する時代に逆戻りしたって訳だ。最初はただの国だったんだが有人搭載兵器〈グガランナ〉の開発に成功してから全ての歯車が狂いだした。
皇国はまず南下して中華人民共和国を呑み込んだ。〈グガランナ〉は新進気鋭の新型兵器、これまでの普通の兵器で対抗出来るわけがなかった。そしてそのままどんどん南下してとうとうアジア圏のほとんどを皇国が支配するようになった。今この皇国に対抗できるのは欧州連盟かアメリカ連邦ぐらいだろうな。
おっと悪いな、眠くなってきたか? 今のお前にはそんなことどうでもいいことか。
ただこれだけは覚えておけ。今現在最も強いと評されるジュラキラス皇国も一枚岩じゃないってことをな。後は追追分かってくだろう。
それじゃあ始めるか。我らが悲願のために、俺たちの革命を。