表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三秒転生 〜神に三秒で敵を倒せと言われたのだが〜  作者: サカキ
第二章 人間の国キャストレ
40/47

第36話 鐘の音

翌日。

昨日と同じく、夕日たちは稽古場で稽古をしていた。



「これじゃあ昨日と何も変わらないぞ」

「わかってますよ」



稽古場ではすでに稽古は始めっており、始まってから3時間は経とうとしていた。



「くっ」

「ほら、どうした。反撃してこい」



ティーナの攻撃に慣れたとはいえ、反撃をするのは至難の業。

夕日は反撃の機会をずっと伺っていたのだが、それをティーナがさせてくれなかった。

(どうすればいいんだよ。昨日はティーナさんに隙があったから良かったものの今のこの状況じゃどうしようにも)

この状況に活路を見出すことが出来ずただ攻撃を防ぐだけの夕日。

(後ろに1回下がるか? でもあれはティーナさんに隙があったからで。⋯そうだ、攻撃を受けたときの反動で後ろに下がれば反撃出来るかもしれない)

夕日は考え、ティーナの攻撃を正面で受け、攻撃の威力を体を後ろへ飛ばすことによりかき消し、距離を取ることに成功した。



「考えたな」

「このままやってても俺に勝ち目はないんで、昨日見たく仕切り直させてもらいました」

「ふっ。それでどうする。私に攻撃を入れられなきゃ意味ないぞ?」

「わかってますよ」



夕日はティーナに投げやりに返事をし、疾走する。

迫ってくる夕日にティーナは剣を構えた。

(昨日は攻撃が大ぶり過ぎたし、何より慢心してた。だから、今度は失敗しない)

夕日はティーナとの稽古を通じあることに気づいていた。

ティーナの攻撃は基本的に最小限の動きで最短距離で攻撃をしてくることだ。

結果、夕日は反撃の機会を与えられなかった。



「来い!!」



ティーナの声と同時に剣が交わる、その前に大きな音が稽古場に鳴り響いた。



カンカンカンカン!!!!!!



その音は鐘を鳴らしたときに出る音そのものだった。

その後、高い音を鳴らし、夕日とティーナの剣は交わった。



「夕日。稽古は一旦中止だ」



ティーナは夕日の攻撃を軽々と弾く。

稽古中止を真剣な面持ちで伝えるティーナに内心震える夕日がいた。

(なんだよ、それ)

夕日の攻撃は決して悪くなかった。

大振りの攻撃ではなく、スピード重視の攻撃で攻撃を防がれても第2波、第3波と攻撃をするつもりでいた。

だが、ティーナは片手で持った剣で、夕日の攻撃を軽々と弾いた。

夕日の剣は制御不能となり攻撃の第2波を繰り出すことができなかった。

それほどまでにティーナは強かった。



「お前ら、行くぞ!!」

「「「はい!!」」」



そうして稽古場出ていく騎士団の団員。

夕日とリサはわけがわからず騎士団の後をついていった。



「何があったんですか?」



その際、夕日は前にいた騎士団の男性に何事かと問う。

すると、男性は真剣な面持ちで夕日には答えた。



「魔物が出た」

「魔物ですか」

「ああ。さっき鐘の音が聞こえたろ? あれは魔物の存在を感知したときに鳴る魔道具なんだ」

「そういうことだったんですね」



ティーナが稽古を止めた理由に納得する夕日とリサ。

だが、今から魔物と対峙するのかと思い、リサの表情は引きつっていた。



「大丈夫ですよ」



リサはむりやり笑顔を作って見せるがその笑顔は引きつっていた。

流石に夕日もそのことには気づき、リサのことが心配になった。



「本当に大丈夫か?」

「⋯そう言われると大丈夫じゃないです。正直、怖い、です」

「リサ⋯」



夕日はシャルネアの記憶を持っていたり、血を見たり、死体を見たり少しそういうことに慣れていたかもしれない。

本当はリサの反応が普通なのだ。

リサの本音を聞き、夕日はシャルネアに言われたことを思い出す。

 

 ―人間には心がある。そして『慣れる』ことができる生き物だ。苦手なものでも『慣れれば』得意になるし、できないことも『慣れれば』できるようになる。でも、死に関してだけは慣れてはいけない。死に慣れてしまうと、人間として終わってしまう



「『慣れ』か。⋯ありがとう。リサ。思い出したよ」



夕日は普通の人が持つ恐怖に慣れてしまった。

それは忘れてはいけないことだ。

そのことを思い出させてくれたリサに夕日は感謝を示した。



「⋯どうしました?」

「いや。なんでもない」



そのまま走り続け都市の入口でもあり、出口でもある門の所まで来た。



「騎士団の皆さんお願いします」

「ああ、任せとけ」

「シストさんはもう魔物の方に向かっています」

「シスト殿には感謝してもしきれないな」



どうやらシストはすでに門を抜け、魔物の方へと向かっているようだ。

今回の場合、稽古のために騎士団が1箇所に集まっていたためここまで来るのに時間がかかってしまった。

時間がかかるだけ魔物による被害を被るリスクは高くなってしまう。

だが、シストが魔物のところへ行くことでそのリスクは軽減される。



「魔物の数、種類もまだわからない。だから早くシスト殿に追いつくぞ」

「「「はい!!」」」



こうして騎士団と夕日、リサを含めた一行は魔物の討伐へと門を出た。

『慣れる』というのは怖いですね。


次回は魔物の討伐です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ