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三秒転生 〜神に三秒で敵を倒せと言われたのだが〜  作者: サカキ
第二章 人間の国キャストレ
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第34話 ぬいぐるみ

稽古が終わり夕日たちはティーナの家へと街の中を歩いていた。



「騎士団に詰め所というのはないんですね」

「ああ。みんな自分の家に住んでいるよ。1箇所に集まるより分散させていたほうが魔物が現れた時にすぐ対処しやすいからな」

「確かに。魔物を発見次第、倒したほうがいいですもんね」

「魔物を放っておくと危険だからな」



夕日たちはその後も他愛のない話をしつつ家へ向けて歩き続けた。

そうして歩いていると前にいるティーナが動きを止めた。



「ここですか?」

「そうだ。ここが私の家だ」

「立派ですね」



夕日が言ったとおりティーナの家はこの都市で見た他の家よりも大きく、立派だった。

この世界の家は主にウッドハウスで例外といえばリサの実家である王城。

それと貴族の家くらいだろう。

そんなティーナの家に夕日はどこか温かみを感じていた。



「ようこそ私の家へ。さあ、入ってくれ」

「「お邪魔します」」



ティーナが夕日たちを歓迎しながら家のドアを開けていく。

そうして、夕日たちは家の中へと入っていった。



「新築みたいな匂いだな」

「そうか? この家が建ってから5年ほどは経っているが」

「そうなのか? すごく木の匂いがするから新築かと思ったよ」

「どこの家もこんな感じだろう? そんなこと言うなんておかしなやつだな」



夕日もリサもミステスで同じような匂いを嗅いだばかりだったから新築と間違えても仕方なかった。



「ぎゅるるるる」



少し会話に間が空いた時、リサのお腹から可愛らしい音が聞こえてきた。



「とりあえず飯にするか」

「そうですね」



夕日とティーナに見られリサは羞恥心からうつむき顔を隠していた。

時刻は18時半。

ティーナの提案どおり少し早い夕食を取ることとなった。

意外にもティーナは料理ができるらしくすぐに調理へと取り掛かった。



「料理ができるなんて意外ですね」



夕日たちはティーナの料理ができるまで台所から少し離れたリビングで話をしていた。

リサは料理ができるティーナに驚いている様子だった。



「そうだな。人は見かけによらないってことだな」



ティーナの外見は真面目で、鋭い目をしている。

その外見からして料理はできそうに感じなかった。

だから夕日とリサはティーナのギャップに呆気にとられていた。



「よし。できたぞ」



夕日たちがリビングで待ってからおよそ10分。

ティーナが料理の入った皿を両手に持ち台所からリビングへと運んできた。



「うまそうだ」

「本当、美味しそうです」

「ティーナさんが作ったとは思えないな」

「どういう意味だ夕日?」

「い、いえ、何でもありません⋯ささ、早く食べましょうよ」



思わず口から出た言葉を夕日は濁した。

ティーナはその言葉に真意を追求しようとしたが、リサが料理を早く食べたそうにしているのを見て考えるのを止めた。



「⋯そうしようか」

「それじゃあいただきます」

「「いただきます」」



夕日がいただきますの音頭を取りそれに続きリサたちも挨拶をする。

そうして夕日たちは夕食を取り始めた。



「おしいしかったです」

「もう食べれません」

「そうかそうか」



食事に満足する夕日とリサ。

その夕日たちを見て満足するティーナがいた。



「飯も食ったし、もう寝るか」

「そうしますか」

「わかりました」



腹も満たされ、特にやることもなくなったのでもう寝ることとした。

ここらへんも地球とは違う。

天球では夕食を取ったら後は寝るだけ。

当然、魔法で体を清潔にしてからだ。



「それじゃあおやすみ。夕日たちの寝室はその部屋を使っていいからな」



ティーナはささっと基本魔法である『除去クリーン』を唱え、近くにあるドアの方に指を指した。

そして、夕日たちへと寝る前の挨拶をして、ティーナは自室へと歩いていった。



「おやすみなさい」

「おやすみなさいです」



その後、夕日たちも『除去クリーン』を唱え、ティーナが指を指した部屋へと入っていった。



「なんだこれ?」

「これはぬいぐるみ、ですね」



部屋へと入った瞬間、夕日たちを大量のぬいぐるみがお出迎えしていた。

そのどれもが可愛いクマを型どったぬいぐるみ。

天球にもクマがいるのだろうか、などと考える暇もなくただ呆然としていた。



「これ、ティーナさんの?」

「おそらく」



またしても夕日たちは「人は見かけによらないな」。

そう思うのだった。



「それじゃあおやすみ」



部屋にはベットがあり夕日たちはそこで寝ることとした。

そしていつもの如く夕日の隣にはリサがいた。



「おやすみです。あ、夕日」

「ん?」

「その、今日の稽古のことなんですけど、『纏魔てんま』を使えばティーナさんに勝てたんじゃ」



リサの質問は当然といえば当然の質問だった。

だから、夕日も「確かにな」と返事を返す。

そして、夕日は「でも」と言葉を付け加えた。



「勝つことが目的じゃないからな。それに、純粋に剣だけティーナさんに勝ちたいって気持ちもある」

「本当はそっちの気持ちのほうが強いんじゃないですか?」

「はは、そうかもな」



明日も稽古が待っている。

夕日はリサとの会話を終えるや否や「おやすみ」と言いすぐに寝てしまった。

リサも「おやすみなさい」と言うと、稽古の疲れからか、夕日の後を追うように意識が闇へと溶けていった。

人は見かけによりませんね。

次はまた稽古が待っています。果たして夕日とリサはどこまで強くなれるのか⋯

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