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三秒転生 〜神に三秒で敵を倒せと言われたのだが〜  作者: サカキ
第二章 人間の国キャストレ
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第32話 誤魔化し

森を抜けると目の前には大きな窪みの中に形成された都市が見えていた。

窪みの周りには10メートル程の壁があったが森のほうが高台だったため家などが見えた。

壁が森から都市ディヌスまで距離が離れており、その間草一本も生えておらず見晴らしがかなりいい。



「ここがディヌスか」



森を抜けた夕日たちはそのまま都市の入口へと向う。

入口は森から都市へ向かって正面にあった。



「お勤めご苦労さまでした」



入口には他の都市と同様に門があり、門番も当然いた。



「騎士団の皆様とシスト様はいいとして、この方たちは?」



門番は騎士団の中に見知らぬ者がいることに気がついた。

そのことに警戒を強めた眼差しで夕日とリサを見る門番の女性にティーナは言葉を返した。



「そんなに警戒しなくてもいいよ。こいつらは知り合いだ」



夕日とリサはティーナのその言葉に驚く。

(知り合いって)

もちろん夕日とリサはティーナと先ほどあったばかり。知り合いなどでは一切ない。



「知り合いですか?」

「ああ」

「そうですか。騎士団長の知り合いというのであれば、悪人というわけではないのでしょう」



門番はもう一度夕日とリサを警戒の目で見る。



「わかりました。それではどうぞ」



門番は視線を夕日とリサから外し、ゆっくりと門を開けた。

そうして開けられた門をくぐり、夕日たちは都市の中へと入っていった。



「ようこそ都市ディヌスへ」



都市へ入るなりティーナは後ろを歩く夕日たちへと向き直し歓迎の挨拶をする。



「そのティーナさん」

「なんだ?」

「門番にあんなこと言ってよかったんですか?」

「何も間違っていないだろう? リフッシの知り合いっていうのは」

「知り合いってリフッシのですか!!」

「それにそう言ったほうが手っ取り早いからな」

「それは、そうですけど⋯」



騎士団長なのにえらく適当だなと呆れる夕日とリサだった。

そんなやり取りをしていると騎士団と一緒に魔物の討伐をしていたシストがティーナに声をかけた。



「魔物の討伐も終わったことですし私はこれで」

「ああ、シスト殿。また手伝ってもらい、感謝します」

「いえいえ。それで、また魔物が現れた時はどうぞ呼んでください」

「いいんですか?」

「ええ。そのかわりに」

「魔石、ですね。わかっていますよ」



ティーナとの会話を終えるとシストは「では」と言い、街へと溶けていった。

会話を聞いていた夕日とリサは先刻からシストのことが気になっていた。



「ティーナさん」

「どうした?」

「シストさんって何者なんですか?」

「ああ、シスト殿は貴族だだ」

「貴族⋯」

「貴族は上位魔法師だからある程度の魔物なら倒せる程の力を持っている。最近の魔物の異常発生に私達はかなりきつい状況だった。その時シスト殿が手を貸してくれたんだ。魔石と交換でな」



魔法師には上位魔法師と中位魔法師、下位魔法師がいる。

普通、上位魔法師は上位貴族、中位魔法師は下位貴族であり、上位魔法師、中位魔法師はこの世界の8%にも満たないほど少ないのだ。

その中の1%が上位貴族。つまり上位魔法師でありシストだ。

夕日はなぜ魔石をそこまで欲するのかあまりわかっていなかった。



「なぜシストさんは魔石を集めているんですか?」



夕日の疑問を代弁するかのようにリサがティーナに質問を投げかけた。



「それは私にもわからん。ただ、魔石は魔物からしか取れないからな。かなり手に入りにくく高価でありそして魔法的価値も高い」

「価格が高いのはわかりますけど魔法的価値ですか?」

「魔石によって効果は様々だが、魔法発動をアシストしてくれたり、魔力がなくなったときの救済装置にもなったりする」

「魔法の発動をアシスト⋯」



どこかで聞いた単語に夕日もリサも自身の記憶を辿っていく。



「「あっ!!」」



全く同じタイミングで言葉を発した夕日とリサ。

そうして夕日は首にかけたネックレスを、リサは髪につけた髪飾りを手に取る。



「それじゃあ、これにも魔石が?」

「おお、それは魔道具か」

「ディヌスに来る前に寄ったセルニスという都市で買ったものです」

「あの都市か。たしか聖堂があったな」

「はい」



夕日は返事を返すと途端に表情を暗くした。

急に表情を変えた夕日にティーナは首を傾げる。



「どうした?」

「いえ、何でもないですよ」

「⋯そうか? ならいいが」



夕日は笑顔を作りなんとか誤魔化す。

だが、ティーナは誤魔化せてもリサは誤魔化せていなかった。



「それで夕日とリサはこれから騎士団と一緒に行動してもらう。いいな?」

「はい」「わかりました」



ティーナの問いかけにはっきりと返事を返すと二人。



「もちろん魔物と戦えるようであれば戦ってもらう。こちらも人手が足りないのでね」

「ああ。了解した」



了承の返事をする夕日とは裏腹に、そのティーナの問いかけにリサは返事をしなかった。



「リサ?」

「い、いえ何でもありません。剣の稽古もそうですが、魔物の討伐できたらですけど頑張りましょうね」

「ああ。頑張ろうな」



そのリサの誤魔化しに夕日もティーナも気づいていなかった。



「よし。そうとなれば我らが拠点に行くとしよう」



そうして夕日たちは騎士団の拠点へと歩き始めた。

騎士団と行動を共にすることになった夕日とリサ。果たして二人は稽古についていけるのか⋯

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