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三秒転生 〜神に三秒で敵を倒せと言われたのだが〜  作者: サカキ
第一章 異世界転生は突然に
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第09話 継承儀式

 不安が募る中、夕日たちは宿に着いた。

 これから鬼麻纏流の全てを伝授するとのことだった。



「夕日、とりあえずその椅子に座れ」



 夕日は近くにあった椅子に座る。



「これから鬼魔纏流のすべてを継承させる」

「お、おう」



 これから何をされるのかと不安にゴクリと喉を鳴らす夕日。



「いくぞ夕日」



 シャルネアは夕日の頭の上に手を乗っける。

 そして、次の瞬間シャルネアの手が光った。

(この光、魔法発動の時の?)



「うっ!?」



 シャルネアの手から光が発せられたのと同時に夕日は急に襲ってきた頭痛に頭を押さえる。

(なんだこれ!?何かが頭に入ってくる。⋯これは記憶?)

 夕日の頭に入ってきたのはシャルネアの記憶だった。

 それも、今までのあらゆる戦いの記憶だけ。



「すまん。頭痛がするだろうが今は耐えてくれ。今やったのは鬼魔纏流の継承儀式。寿命を削るとともに、奥義を使えるようにし、更に儀式を施した者の記憶が継承者にも与えられる。それもありとあらゆる戦いの記憶がな」

「この痛みにいつまで耐えればいいんだ?」



 声を発したことにより追加で頭に痛みが走る。

 頭を押さえ、なんとか痛みに耐えるがその痛みは耐えられる強さの限界を超えていた。



「わからない」



 夕日はシャルネアのその言葉を聞き、シャルネアを睨んだ。



「そんなに睨まないでくれ。私だってこの儀式をするのは初めてなんだ。師匠から聞いた話によるとこの儀式、実は誰もやったことがないんだ」



 夕日は声にならない、いや声にできない困惑を顔で表現する。



「だってそうだろう。わざわざ寿命を削ってまで力を手に入れるなどバカのすることだ」



 夕日は痛む頭を押さえ、なおもシャルネアを睨む。

 そうやってずっと頭を押さえていた夕日だったが、途端頭を押さえていた手をどけた。

 頭の痛みは嘘のように引いていた。



「頭痛が、消えた」

「師匠によれば頭痛はすぐ治るとのことだったからな。それにしても鬼魔纏流の先祖は一体なんの為にこの継承儀式を作ったのやら」

「これで、継承できたのか?」



 夕日の頭の中にはシャルネアの記憶がある。

 だが、いまいち強くなった気がしない。



「ああ、多分な」



 憶測に過ぎない返しに夕日は黙って聞き流した。

 結局は要らない寿命。

 だから、夕日は引き継がれてなければそれでいい、引き継がれてればラッキーくらいの気持ちでいた。

 シャルネアの言ったことが本当なら、引き継ぎもされているはず。

 呆気なく終わった継承儀式に夕日は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。

(頭痛が酷いってだけでその他に何もなかったな)



「私の記憶はあるか?」

「ああ。しっかりとな」

「そうか。では、引き継ぎは成功したのだろう。だが、鬼麻纏流の全てを引き継いだのはいいが体ができていないと話しにならないな」

「継承したらすぐ使えるんじゃないのか?」

「使えるには使えるが、一瞬で粉々になるぞ?」

「何が粉々になるんだ?腕の骨とかか?」

「全身の骨が、だ。それと筋肉もな」



 かなり冗談っぽく夕日が言ったのに対し、シャルネアは真剣な面持ちで答えた。

 その答えに夕日は顔を強張らせる。

 そうしてシャルネアは、ダンベルのようなものを俺に渡してきた。



「これなんだ?」

「これはダンベルっていうものだ。使い方は」

「やっぱりダンベルか」

「使い方はわかるか?」

「ああ、あっちの世界にもあったからな」



 夕日はダンベルを使ってみせる。



「ほらこうやって⋯うあああああぁぁぁぁ!!!!!!!」



 ダンベルを使用した直後、生命維持に必要なもの以外の骨が砕け筋肉がちぎれた。

 夕日は全身を襲う痛みに絶叫する。

 だが、すぐに痛みはなくなった。



「あれ?」



(痛みが・わかった体が消えた?)

 夕日はいきなり痛みがなくなったことに驚いていた。



「そのダンベルはな、元々師匠の物なんだ。師匠からの貰い物だよ。それでそのダンベルの効果なんだが、使った者の全身に負荷を与え即座に回復させるという物だ」

「なんだよそれ。すごいじゃないか」

「確かにすごいかもしれない。だが、如何せん全身を壊すからな、使うものがいないんだ」

「確かにな。⋯で、それを使って鍛えろと?」

「そうだ。それを使って体が壊れないようになるまで鍛えろ。そうすれば鬼麻纏流の技を使えるようになる」



 夕日はそのダンベルと言うなの自傷道具を使う気にはなれなかった。

(痛いのがわかっているのにやる奴がどこにいるんだ?)



「ほら、さっさとやる」



 だが、夕日が今ここにいるのは神を倒す力を手に入れるため。

 そのためには何をしてでも力をつけなければならない。

 そしてその力は今、目の前にある。

 痛いのがわかっているのと同時に、力がつくというのも夕日は理解していた。

 夕日はゆっくりと右手は上がっていく。

 ボキボキと砕ける音とパチンっと切れる事が同時に全身から聞こえてくる。

 それから一瞬の痛みに耐え、何度もその音を聞く羽目になった。



「はい、これで1027回目」

「⋯」



 1027回目にしてようやく体が負荷に耐えられるようになった。

(なんとか終わったな)

 体は壊れなくなった。が、体型は何も変わっていない。

 夕日はムキムキになるのを想像していたがどうやらそんなことはないらしい。



「お疲れ様。今日はもう疲れただろう。早く寝るといい」

「了解。さすがに眠い」

「明日、動きを確認するからな。ゆっくりと体を休めておけ」



 鍛え始めたのは時刻にして約11時。

 それから約7時間ずっと鍛えていた。

 さきほども言った通り夕日は疲れている。

 なので夕日はもう寝ることにした。

 布団に入り目を閉じる。

 体力的にも精神的にも疲れた夕日の体はすぐに睡魔に襲われ、数秒で寝息をたて始めた。

これでようやく鬼魔纏流のすべてを継承しました。とはいえ、まだ使えるかわからない。ということで次回は動きを確認するということになります。模擬戦形式で動きを確認することになった夕日。果たして戦うことができるのか・・・

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