表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊姫の帰還  作者: 香霖
6/14

読んでいただいて、

有難うございます。

ブックマーク登録、

有難うございます。


 ホークアイに案内された場所には、

紅く色付き始めた葉がついた、背の高い

同じ様な木が、並んで生えていた。


(あった……これ、この木から

樹液を採取出来れば……)

私は、巾着袋から樹液を採取する

道具を取り出した。


 私を追いかけて来ていた

ベルンハルト様に頼んで、

木の幹に切込みを入れてもらった。


切り込み部分に、金属で出来た、

塵取りみたいな形の、ヘラの部分を差し込……


力が足りなくて、上手く出来ない私を見かねた

ベルンハルト様が、差し込んでくれた。


木に差し込んだヘラの先の、

ちょうど塵取りの持ち手部分の様に

細くなっている先に、金属の小さなバケツを

ぶら下げた。

後は、樹液が溜るのを待つだけだ。


「リリィ、説明してくれるかい?」


「え~っと、ベルンハルト様、その前に、

お願いがあります」


「リリィ、ふざけるのもいい加減に……」


私を責めようとしたライムンド兄様を

ベルンハルト様が遮った。


「そのお願いを聞いたら、全て、

説明してくれるかい?」


ベルンハルト様の目が、笑ってないのに、

微笑んでいて、コワイ……。

私はだまって、頷くしかなかった。


()()()だよ、いいね?

それで、願い事は何だい?」


「明後日、またこの場所に来たいのです。

連れてきてくださいますか?」


「わかった。私が責任もって、

君をこの場所に連れて来よう」


「父上……」


「さて、もう家に戻ってもいいかな?」


「我儘言ってごめんなさい。ベルンハルト様の

お城へ、連れ帰って下さい」


ベルンハルト様が出した左手に、

差し出した私の右手を、

奪うように取ったのはライムンド兄様だった。


「側にいる時、リリィを護るのは僕だ……

父上とも、そう約束した」


そう言ってライムンド兄様は、

私の手を引いて歩き出した。

何故か私の方を見ようとせず、

ズンズンと歩いていく……。

私は少し早歩きで、必死についていった。


 周辺に気を配りながら、後ろからついて来ている

ベルンハルト様が、終始いい笑顔でいた事を、

私も、ライムンド兄様も知らないでいた。




******




その日の夜、私の元を訪れたのは、

妖精のシェルビーと、精霊のアーブル様だった。


『姫~~』


寝間着姿の私に、アーブル様が飛び込んできた。


「ちょ、ちょっと……アーブル様!」


『さぁ、姫、出掛けるよ』


「な、なに?出掛けるって何処へ……」


(アーブル様、いきなり過ぎるよ。私寝間着……)

「き、着替えますから、待って……」


『着替え?ああ、任せてー』


そう言うとアーブル様は私の額に手を置いて、

動きやすい服装を考えてと言った。

私が思い浮かべたのは、上下組のスウェットだった。

しかも、うさ耳フード付きの……


『おぉ、なんか見た事ない服だけど、姫かわいい』


そう言って、アーブル様まで同じような

うさ耳付きスウェットスーツにチェンジしていた……。

身長があまり変わらないアーブル様と私が、

お揃いのスウェットで並ぶと、兄妹?姉妹?みたいだね。

精霊って、性別あるのかな?アーブル様って、女性だよね?


『ふふふっ、ナイショー……そんな事より、行くよ』


「って、どこへ?うわっ……」


気が付いたら、足が床から離れて、

体が宙に浮いていた。


《リリィ……大丈夫だよ》


動揺する私を、シェルビーがなだめてくれた。


アーブル様が私の手を取って、外へと導いていく。

私はシェルビーと手をつないだ。



私がアーブル様に連れて来られて場所は、

精霊界との境界の森に入る前の、草原だった。


『さぁ、姫、魔法の授業を始めるよ』


そう言うと、アーブル様は私と向き合い、

両手を取った。


『身体を巡る、魔力の流れを感じる?』


前世で、ネット小説や

ライトノベルを愛読していた私は、

イメージは出来るのだけど、今一つ、

魔力と言う物が、わからなかった。


『分からない?ん、試しに、私の

魔力を流してみるから、感じて』


アーブル様の琥珀色の髪が

輝きだすと、繋いだ両手から

何か暖かな物が私の身体に

流れてくるのを感じた。


『流れる魔力がわかる?

わかったらそのまま、身体を巡るよ』


アーブル様から注がれた魔力が、

私の身体の内をぐるぐると、

循環していた。


『さぁ、今度は姫から私に

魔力を注いで……』


私の身体を巡る暖かな物……

魔力というその流れを、

繋いだ手の先からアーブル様へ……

私の魔力が、アーブル様の身体を、

私が感じた様に、暖かく巡る様にと、

少しづつ注いでいった。


『はぁ、姫ぇ、甘い、凄く甘いよ』

(ああ、姫と離れたくない……

このまま連れ去ってしまおうか……)


いけない事を考えていたアーブルを

妖精のシェルビーがジーッと、

ジトっとした目で見つめていた。


シェルビーは、アーブルの監視をするように、

トレントから言われていた。

必要があれば、シェルビーを通して、

トレントが、精霊の力を振るう事が

出来るようになっていた。



『魔力の流れがわかりましたか?』


「はい、アーブル様。次は何を?」


『魔法には、イメージが大事です。

何をどうしたいか、どう使うか……』


「魔法を使うのに、何か、呪文とか

詠唱は必要ですか?」


『詠唱は、イメージを固定するのに、

必要があれば……』


「誰もが同じ、詠唱を使って

いるのでしょうか?」


『う〜ん、()()の事は分からないよ。

精霊には詠唱は必要が無いし』


詠唱云々に関して、アーブル様は

あまり当てにならないという事が

よくわかった。

まぁ長い詠唱なんて、やりたくは、

無いし……いや、憧れはあるけど……

中二病の黒歴史が……


『姫?聞いてますか?』


「へ?あ、ゴメンなさい。もう一度

お願いします。」


考えごとしていて、アーブル様の

言葉を聞き逃してしまった。

アーブル様は小さく溜息を吐いた。


『実際に魔法を使ってみますか?』


「は、ハイ!よろしくお願いします。」


『指先に火を灯してください』


この様に、と、アーブル様が、

見本を見せてくれました。

私はロウソクの火を思い浮かべて、

指先に火を灯そうとしますが、

火どころか火花さえ出ません。


「な、なんで……?」


『姫、身体の内にある魔力を、外に出す

感じで、もう一度やってみなさい』


そうだ、そううだよ……忘れてた。

まずは自分の体内魔力を感じて、

それを指先に集めて、火を灯す……


「ファイア!」


私の指先から、ロウソクの火……

ゆらゆら風に揺られるロウソクの火を出そうと思っていたのに、私の指先から出てきたのは、ゴォォーと音を立てて

空高く燃え上がる炎の竜だった。


『姫、魔力の遮断を!』


遮断?遮断って、いきなりやって大丈夫なの?

放出している魔力を急に遮断して、その反動は?


私は、自分自身を自分の魔力……魔法で

傷つける事が無いよう、魔法に対する防御、

魔法を弾くモノを考えた。



『姫!早く』


アーブル様が焦っている。当事者である私は、

始めこそおののいたが、次第に冷静になってきた。

魔法で傷つかないように、と、自分を守るよう、に、

防御魔法をかけたからかもしれない。


アーブル様は魔力を遮断しろと言ったけど、

遮断するよりも、指先に集中して、空を焦がしそうな

勢いの炎を、細く、小さく、ガスバーナーの火を、

ガスの栓を絞って小さくするように……


「でき、た……」


指先から出ていた大量の炎が、今は指先に

小さな種火を残す様になっていた。

当初目指していたロウソクの火ではなく、

青く、風に揺らいでも消えない、

ガストーチの種火……


『姫、魔力を放出するだけでなく、

魔力制御も出来るようになっていますね』

(私が教えることなく、あれほど暴走していた

魔力を制御できるなんて……さすが私の姫)


『姫、指先にあるその火を、自在に扱ってみてください』


「自由にしてみて、いいですか?」


アーブル様が頷いたので、

私は思いっきりやることにした。


火の球(ファイアボール)


炎の剣(ファイアソード)


炎の槍(ファイアランス)


炎の壁(ファイアウォール)


炎の壁を出した私は、あのセリフを

言いたくなってしまった。


「薙ぎ……」


『ストーップ!!姫、それ以上は駄目です!!』


青い顔をした、アーブル様に、

止められてしまいました。


 アーブル様は、草木の精霊なので、

火属性の魔法はあまり得意では無いらしい。

私の属性は何だろう?

そう思って、アーブル様に聞いてみた。


『属性など、姫には関係ありません』


属性についての話題を、断ち切るように

アーブル様が答えた。


『姫の為さりたい様に、魔法は発動するはずです』


う~ん、転生者なだけに、チートってことなのか?

そういえば、今更だけど、アーブル様は、何故、

私を姫と呼ぶのだろう?何か理由があるのかな?


「アーブル様、アーブル様は、なぜ、

私の事を“姫”と、呼ぶのですか?」


『姫だからですが?』


「あの、だから、なぜ私が“姫”なんですか?」


『姫は姫だからです』


……駄目だ、話が通じない。

アーブル様じゃなくて、今度トレント様に

会った時に聞いてみることにした。


『姫、これを、芽吹かせることが出来ますか?』


アーブル様は、私に下さった巾着袋に入っていたのと、

同じ植物の種を、私の手のひらに乗せた。


『姫の魔力を使うのではなく、大気に含まれ、

漂っている“魔素”……魔力の素を使って、芽吹かせて下さい』


ウエェー?いきなりハードル上がってない?

自分の魔力を使ったのだって、初めてだったのに……

大気……空気に含まれている魔素かぁ……

種から芽を出させる……発芽、成長させる……


田舎でスローライフをしていた父親と、曾爺ちゃん……

作物を育てながら、呪文にしか聞こえない歌を歌ってたなぁ……

たしか、こんな感じの……


「~~***~~*~」


前世、作物を育て、愛でているた曾祖父が、歌っていた

呪文の様な歌を歌っていた……

手の平に乗せていた種が、熱を発しているのか、

じわじわと、手の平が熱くなっていった。


パァーンっと、手の平にあった種が弾けて、

地面に落ちると、急速に育ち始めた。

定点カメラで撮影した記録を、早回しで

見ているように、みるみる成長し、花が咲き、

大きな実をつけていた。


『姫……その歌をどうして?何故知っているのです?』


私はアーブル様に、前世の記憶について

話をした。アーブル様は、この歌を歌っていた、

曾祖父の事、私の事、特に瞳が金と赤が混じった、

不思議な虹彩を持っていたという事に、聞き入っていた。


何かを確信した様なアーブル様は、

今日の魔法の授業はここまで、と、

私をアイゼンベルク城の部屋まで

送り届けてくれた。


 初めて魔法を使った私は、

自分が思っていた以上に疲れていた様で、

ベッドに入るなり、そのまま朝まで

ぐっすりと寝入ってしまった。


私を起こしに来たメイドのラナが、

スウェット姿の私を見て、不思議そうな、

顔をしていた。




******




 樹液の採集を始めて、二日が経っていた。

私はベルンハルト様に連れてきてもらって、

サトウカエデの樹液採集現場に来ていた。


ベルンハルト様は、終始無表情で、

私がすることを黙って見ていた。

溜った樹液を、持ってきた瓶に移し終わってから、

私はベルンハルト様に、話しかけた。


「ベルンハルト様、連れてきていただいて、

有難うございました。」


あとは、ベルンハルト様のお城に帰ってから、

厨房をお借りできるかどうかだ……。


「リリィ、そろそろ話してくれるかな?」


「……あの、今日はこの後、やる事が

たくさんあって……」


「約束……していたね?すべて話すと」


約束を忘れているわけではない。どう説明しようか、

考えているのと、義父ちちにも話す必要があるから、

どうしたものか、考えていたのだ……


「リリィ……?」


「あの、話します。話しますけど、義父も……

ベルンハルト様に話をしたら……」


「クックク……そう、だな。ヴィクトールに、

恨まれそうだな、わかった。お前の義父も交えて、

包み隠さず、全て説明してもらうとしよう……」


ふぅ~、面倒事は、一回で済ませるのがいいね。

でも、まだ全部は話せない……話さないけどね。


「それで、一体それは、何だ?」


ベルンハルト様が、採取した樹液を指さした。


「戻ったら、わかります。でも、その為に、

厨房をお借りします。」



ベルンハルト様の居城に戻ってから、

私はワンピースの上にエプロンをつけて、

ラナと一緒に厨房に行った。


採集した樹液を鍋に入れて、煮詰める。

途中濾して、不純物を取り除いた。

焦げないように、キッチンメイドに見てもらった。


その間に、小麦粉、卵、バターを使って、

パンケーキを作った。

ベーキングパウダーが無いので、

卵白を風魔法をこっそり使って泡立て、

ふんわりとしたパンケーキを作った。


煮詰めた樹液……メープルシロップの

出来上がりは、どんな感じかな?

パンケーキを一口大に切って、

飴色に変わったシロップをつけた。


懐かしい、子供の頃からの

なじみ深いおやつがそこにあった。


フォークに刺した一切れをパクンっと、

口に入れた。


「はぁあ~、おいひぃ……ん?」


視線を感じて振り向くと、厨房にいた使用人が、

此方を盗み見していた。


私はラナと、シロップ作りを手伝ってくれた

キッチンメイドにも、パンケーキを切り分けて、

メープルシロップを掛けた。


「どうぞ、召し上がれ?」


試食した二人は、蕩けそうな顔で、

パンケーキを食べていた。

残っていた試食用のパンケーキを、

料理人達も食べて、驚いていた。


試食のメインは、シロップなんだけど、

食べたことのないフワフワのパンケーキも

料理人たちは、どうやって作るのか、

興味津々だった。


私はパンケーキの種を作って、

料理人たちに焼いてもらった。

数多く焼けたので、メイドさんに頼んで、

デルフィニウム様、ライムンド兄様、

リズィーの、お茶に出してもらった。


 私は、ベルンハルト様と、来訪したお父様の三人で、

ベルンハルト様の執務室で食べる事にしていた。


「ベルンハルト、

リリィがすっかりお世話になって……」


「ヴィクトール、気にするな。その内

私の娘にもなるかもしれんからな!」


そう言って笑うベルンハルト様とは対照的に、

お父様は、ヒクヒクと、引き攣っていた。


「だ、駄目だ!まだまだ、嫁になんて

出さないからな!!」


真っ赤な顔で、お義父様は私をぎゅーっと

抱きしめていた。


 執務室の応接セットに

ラナがお茶とホットケーキを

用意してくれた。

ラナが退出した後、私は執務室に

防音結界を施した。


「ベルンハルト様、この液体、

シロップが、あの木から採取したものです」


小さな器に入れたメープルシロップを、

ベルンハルト様がまじまじと見ていた。


「それから、小麦粉、卵、バターで作った、

パンケーキです。これにメープルシロップをつけて

食べてみてください。」


「このパンケーキ?リリィが作ったのかい?」


「そうですよ、お義父様、

メープルシロップをかけて、食べてくださいね」


「はぁ~リリィがこれを……すごい!すごいよ!」


「お義父様、早く食べてみて下さい」


「もったいなくて、食べられな……」


私は義父の目の前に、パンケーキを刺した

フォークを差し出した。


「はい、お義父様、あーん」


「あ、あーん」


義父よ……何故赤くなる……

恥ずかしいのなら、自分で食べてくれ……

って、なんでベルンハルト様が、口を開けて、

待っているのですかー!!


「……ベルンハルト様、あーん、は、リズィか、

デルフィニウム様として下さい」


「ちぇっ……じゃぁあ、ライムンドだったら?」


「ライムンド兄様が希望すれば?やりますよ」


「えぇ?……だ、駄目だリリィ、父様以外と、

やったら駄目だからね!ね?」


「そんな事より、食べてみてどうですか?」


「……この液体、メープルシロップ?

これは、甘いな」


「甘いですよ。蜂蜜みたいにね」


「これは、売り物に、なるか?」


「ええ……似たものが、今までありましたか?」


「無かったな。でも、直ぐに同じものが

他でも作られてしまうのでは?」


「いいえ、カエデが樹液を出すには、

寒い冬が必要なんです」


エッシェンバッハ国内で、アイゼンベルク辺境領以外に、

樹液を出すカエデは、無いでしょう。


私の説明に、ベルンハルト様は、

メープルシロップの重要性に気が付いたようだ。


「それと、お義父様、エーデルシュタイン領では、

酪農家がいましたよね?」


「うん?ああ、いるよ」


「乳製品の開発をしましょう?ね?」


お義父様は、私に言われて、たじたじとなった。


「それから、お義父様と、ベルンハルト様に、

聞いていただきたい話があります。」


 私は……私には前世の記憶があって、

メープルシロップも、パンケーキも

前世の記憶から作ったものであること、

他にも役立つ情報があることを

私は二人に話した。


二人は、なぜそんな事を?と聞いてきた。

誰にも見向きをされなかった私を必要としてくれた、

ヴィクトール様の役に立ちたい。

前世の父親に似ているベルンハルト様の役にも立ちたい、

農作物の生産高が悪いのは、連作障害とか、

腐葉土とか、今までに無い知識が、

私にはあるから、どうか役立ててほしい、と、

私は必死になって、訴えた。


「リリィ……」


「子供の君が、そんな心配する必要なんて……」


「そんな事無い、だって、役に立つってわかれば、

利用価値があるって思われれば、捨てられな……」


「バカ!」


お義父様が私の額を、指で弾いた。デコピンだ。

プシュ~って音がするかと思った。

痛い……。痛いよ……。


「リリィは、バカだなぁ。私はもう、

娘の君を手放す気は無いよ」


「嫁には?嫁にも出さぬつもりか?」


「リリィの意思が無いと、ね?」


「お義父様……」


大人の事情は、大人に任せなさい、と、

私は二人に諭された。

でも、やり始めたことは、最後まで

責任を持ってやりたい、やらせてほしいと、

私は二人にお願いした。



 私が退出した執務室で、

大人二人は遅くまで、今後の話し合いを

していたようだ。


 お義父様はこの日、アイゼンベルクのお城に泊まって、

次の日、私を連れてエーデルシュタイン領に

戻ることになった。


私は何日もお世話になった

ベルンハルト様、デルフィニウム様、

ライムンド兄様、リズィ、お城で働いている皆さんに

お礼と別れの挨拶をした。


 今度はエーデルシュタイン領に

遊びに来て下さいと、約束をして別れた。



 エーデルシュタイン領に戻った私は、

心配していたお義母様にこってり絞られ、

外出を許してもらえなかった。


お義祖父様は、無事に戻った私を見て目を細めていた。


アイゼンベルクの方たちには、冬将軍の到来に、

それ以降、会う機会が得られなかた。


昼間は大人しく、イイ子で過ごし、

夜になると、来訪する妖精や、

精霊のアーブル様と、こっそり森に行ったり、

魔法の練習を欠かさなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ