サークル、部活動は慎重に決めよう!!
セミの鳴き声と暑さで目が覚めた。
今日は講義も特にないし用事もこれといってあるわけでもなかったのでそうする必要もなかったがいつもの癖で時計を見た。時計の針は12時を指して少し経ったところだった。道理で暑いわけだ。僕はシャワーを浴びるためにのそのそと布団からはい出しシャワーを浴びに行った。冷たいシャワーを浴びながら僕は今日何をしようか考えていた。・・・・・部室にでも顔だすか・・・・・・・
「やほ。」
部室に行く途中同じ部活の同期に声をかけられた。どうやら彼も部室に行くらしい。
「やっぱりこれだけ暑くて暇だとあの部室に行くことになっちゃうよね~。あっつー。」
「う、うん。そうだね。」
同じ学部であったがもともとはあまりしゃべることもなかった。が、同じ部活に所属した事でよく話すようになった。まあ大半がしょうもない話ばかりだが。
「え、お前は飲むの?」
「う、うん。あっ、って言っても三回に一回くらいだよ。」
「・・・・・・へぇ~」
質問しておいてその反応はないと思う。
埃っぽい部室に入ったとき出迎えたのは3人だった。どれもみな暑さに参ってるのか悲惨な顔をしている。いや、元からか。
「お、後輩クンも来たのかぁ。この部活にも慣れてきたかな?」
はじめに声をかけてきたのはぽっちゃりしたスポーツ刈りの先輩だ。先輩たちがそう呼んでいたので僕もぽちゃさんと呼んでいる。
「まあこの部室は風通しもいいしおおきい扇風機もあるからそれお目当てに来てるんだろうけどな。」
と言っているのは眼鏡をかけた細長い先輩だ。先輩たちは「おっさん」と呼んでいたがさすがにそれははばかられたので僕は「おじさん」と呼んでいる。僕は気が利く後輩なのだ。
あと一人扇風機の前を陣取ってだんまり決め込んでいる男がいるがまああの人についてはまた後で話すことにしよう。正直あまり知らないのだ。
とりあえず風通しのよい窓際に行き置いてあったうちわを動かした。これだけで大分と心地いい。
「イケメン君、後輩クン、何か飲む?今なら麦茶とスポーツドリンクがあるよ。」
「俺麦茶ほしいです。」
「あっ、じゃあ僕スポーツドリンクで。」
そういえばなんで僕は後輩クンで彼はイケメン君なのだろう。それに同級生がいるのに後輩クンって呼ばれるのもなぜだろう。僕もハンサム君って呼んでくれて構わないのに。謎は深まるばかりだ。
そんなことを考えながらスポーツドリンクを飲んでいると部室の外が騒がしくなった。ラケットで球を打つ軽快な音が聞こえてくる。休憩中だったテニス部の女子部員の部活動が再開したのだ。
そして僕はテニス部の男子部員である。しかし今は練習はしない。なぜなら、
男子はコートを使う権利を持っていないのである。