表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隊長さんと小さな迷い人  作者: らさ
第3章
28/54

閑話「ニナの呟き」

新年おめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

閑話をあげました。よろしかったらご覧ください。

 今日は、皇子が正気に戻ったと公言してから初めての夜会。


 ミオリを守るために皇子の“影”が付くことになった。

 しかし、しかし、この“影”が問題なのよ。手土産にってグラン・バーズの焼き菓子を持ってきたの。そう、前に赤いリボンの焼き菓子を持ってきたのは彼だったのね。

 でも、でも今回は、リボンの色が濃桃色にグレードアップしてるのよーっ!

 濃桃色って、濃桃色って「愛してる」じゃなかったーっ!

 うわぁぁぁ、やめて、やめて。“影”あなた死ぬわよ。宰相の息子の冷気で凍死するわ。



 どうして、ミオリがこうももてるのか考えてみる。


 顔はまぁ可愛い方よね。

 でも、貴族の令嬢たちの方がきれいで華やかだわ。


 性格かしら。

 裏表はないかな。令嬢たちみたいに感情の起伏も激しくはないし。どちらかっていうと穏やかな方よね。

 ああ、忘れちゃいけない。ものすごい頑張り屋ってとこ重要よね。


 それから、人を思いやることを知っている。

 私もリッチーも何度助けられたかわからない。

 私が、男爵家の四女で低い身分のため侍女仲間から虐げられたこと、明るい未来が見込めないってことを嘆いたら、彼女の方が4つも年下なのに励まされた。励まし方も全然嫌味じゃなかった。


 一人、異世界に居て、災いを呼ぶって酷い扱い受けたら・・・・。

 私だったら耐えられない。

 でも、ミオリは笑って過ごす。与えられた場所で、できるだけ自分のできることをして笑っている。


 でも、陰で泣いてるのを私は知っている。

 15歳の女の子だもの、両親や友人が恋しいはずよね。元の世界に還りたいわよね。

 でも、還れないんでしょうね。ラインドア王国に来て半年以上なんの手かがりもないんだもの。



 どうしてもてるのかなんて、考えるまでもない。

 私も好きになってた。

「ニナさん」って黒い瞳をくりくりさせながら近づいてくると小動物を思い出して、ぎゅっと抱きしめたくなる。彼女の中に詰まってる想いもすべて抱きしめたくなる。

 あの“影”も宰相の息子もこんな気持ちなんだろうな。


 ふと思った。皇子はどうなんだろう?

 彼女を守るって言った時、瞳の奥に僅かに揺らめいた感情がみえたような気がしたけど、私の気のせいだったのかもしれない。


 考え込んでる私にミオリから声がかかった。

 あっ! ぼーっとしてる場合じゃない。

 ミオリの焼き菓子とリボンを何とかしなくちゃ。宰相の息子に見つかる前に。

「ミオリ。いいわね。それ、王都で一番美味しいって言われているお菓子屋さんの焼き菓子なのよ」

「そうなんですか。前にも頂きましたよね。また、食べられるなんて嬉しい。ありがとうございます。スレイさん」

 ミオリが“影”に笑いかける。

 うわっ、“影”嬉しそう。嬉しそうなとこ悪いけど、私は平和主義者なのよ。ミオリには、宰相の息子が合うと思うの。絆が強いというか、なんかミオリの傍にはあの人に居てほしいのよ。ごめんね。

「ハンナが来てるからお茶にしましょうか。ハンナもその店のお菓子大好きだから喜ぶわよ。それから、リボンいい色ね。ハンナがちょっと大人っぽいリボンがほしいって言ってから、あげたら喜ぶかも」

「ほんとにいい色ですよね。ハンナに似合いそう」


「贈られた方がリボンの色の意味をわかってなきゃ全然ダメじゃないか。あの店もっと考えろよ・・・・」

 “影”が悔しそうに舌打ちした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ