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隊長さんと小さな迷い人  作者: らさ
第2章
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閑話「リボンの色」

読んで頂きありがとうございます。

閑話を投稿します。お楽しみいただけると嬉しいです。


 俺は迷っていた。

 王都一美味いと言われている菓子店に入ったが超難題に直面している。



「また、会おう」と禍つ人と呼ばれている少女に言った。

 少女は現在、第一皇子と同じ離宮に幽閉されている。


 明日、雇い主の元を訪れるつもりだ。俺の雇い主はディーン第一皇子その人である。というわけで、あの子に再会することになりそうだ。

 頑張っているだろうあの子の笑顔が見たくて、菓子を土産にすることを思いついた。


 菓子はスムーズに選ぶことができた。干した果物を生地に練りこんだ焼き菓子や木の実をちりばめた焼き菓子からは甘い香りが漂ってくる。きっと、喜んでくれるだろう。


 しかし、しかしである。店員に菓子を渡しラッピングを頼むとリボンの色を問われた。俺がそんなの何色でもいいと返答すると、店員はこの店のリボンの色にはそれぞれ意味を込めているというのだ。

 なんということだ、意味など持たせなくてもいいではないか。

 店主が女性客を狙い企画したのだろう。いい迷惑だ。


 赤は「あなたが好きです」

 黄色は「感謝」

 水色は「親愛」

 緑は「友情」

 濃桃色は「あなたを愛しています」


 俺がなかなか選べずに立ち尽くしていると店員が声をかけてきた。

「どうぞ、こちらでごゆっくり選んで下さい」

 店内の隅のテーブルに案内された。店員の眼が「この優柔不断が」と言っているような気がしてならない。

 仕方ないだろう。本当に何色にしていいのかわからないんだから。


 感謝は違うし、友情でもない。

 親愛はうーん、同僚や上司、特に仲の良い友達にといわれた。

 ふと、ディーン皇子にも買っていこうかと考えたが、渡したときに思い切り顔を顰められそうなのでやめた。

 好き・・・なのか。うーん、違うと思うんだが。愛はもっと違うな。


「あの人、わりとかっこいいのに。悩みすぎじゃない」

「そうね、アドバイスしてこようか」

 そんな声が遠くに聞こえる。ほんと、アドバイスして下さい。お願いします。


「あの、贈り物は女性の方にですか」

 店員がやって来た。

「そっ、そうだ」

 やべっ、かんだ。どれだけ緊張してんだとか思われたかな。

「その方は、恋人?」

「いや、違う。仕事で知り合った。こう、小さくて可愛い女の子なんだ」

「小さい? お子様ですか」

「いやっ、15歳だ。でも、強いんだ。苦境にも負けないというか、そのくせすぐ泣いて・・・・。でも、無理して笑ったりもするんだよ。その笑顔がまた可愛いっていうか、抱きしめたくなるっていうか・・・」

「赤色のリボンですね」

 店員は俺が話している途中で断言した。えっ、もう聞かなくてもわかったの?

「えっ、赤なのか」

「はい、今のお客様のお話を伺っているとそうとしか思えません。では、リボンを結んでまいりますので少々お待ちください」

「えっ、でも好きって・・・・」

 店員は黙って笑顔を浮かべ店の奥に去っていた。笑顔だったが目が笑ってなかった。なんだか怒りのようなものを感じたが気のせいだろうか。


「あの人、かっこいいけど残念な人だわ。うざいほどのろ気られた」

「嫌ね。こんなに店が混雑してるのに延々と悩んで。私たちに手間をとらせてるなんてわかってないのよね」

「まぁまぁ、お客様の恋の成就をお祈りしましょう」



「好き・・・・だったのか・・・・?」

 俺は店員たちの視線や話にも気付かずポツリと呟いた。




スレイさん、仕事はできるんだけど恋愛とか女子方面には鈍いようです。

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