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ヒーローライクヒール(リメイク連載中)  作者: 手頃羊
14話:トラベル to ヘル
79/95

その7・ミランダの館

[クロノ]

クロノ「うぅ〜ん…」

なんか無駄に長い夢でも見たような気がするような…

目を開けて周りを見る。

漫画で見るようなどっかの金持ちの屋敷の中だろみたいな部屋のベッドで寝ていたようだ。

蛇女「おやおや、やっとお目覚めかい。よくもまぁあんなに寝れたねぇ。」

腰から下が蛇の体になっている女性が近づいてくる。

この人は…

クロノ「マレーさんじゃん。」

マレー「なんだ、覚えてたのか。」

クロノ「まぁ、そりゃね。」

以前、俺を攫って魔界の奴隷商人に俺を売り渡そうとしていたところを魔界でもかなり恐れられている黒龍という魔獣に襲われ、なんだかんだで奴隷にならずにすんだという事件があったのだ。

その時の2人組の犯人の片方が今目の前にいるマレーというラミア族の女だ。

クロノ「ってかその服…」

マレー「これか?ミランダ様がこれを着ろって。すげぇ服だろ?これもメイド服なんだぜ?」

アリアンテにあるアリアージュというスイーツ店の従業員の服と同じものだ。

まぁ、ミニスカで半袖のメイド服なんて普通はないからな。

クロノ「知ってるよ。」

マレー「なんだ知ってたのか。」

クロノ「俺の知り合いのアリアンテにあるアリアージュって店のオーナーがそれを作ってるんだ。ミランダがそいつから貰ったのをお前に着せてるってことなんだろ。っていうか、ちょっといい?」

マレー「ん?どうした?」

今聞き捨てならないことを聞いた気がする。

クロノ「さっきミランダ様って言ってたけど…」

マレー「ミランダ様はミランダ様だよ。お前も知ってるだろ?」

俺が知ってるミランダっていったら1人しかいないけどまさかあの人のことか?

でもこいつ確かミランダがお仕置きするって言って館にお持ち帰りされてたはずだが…

扉が開き、人が入ってくる。

一つ目「マレー。ご飯を持ってきたぞ…おや。」

マレー「お、おつかれさん。」

一つ目「起きていたなら伝えてくれればいいものを。」

マレー「こいつは覚えてるかい?」

クロノ「あぁ。エル…だったっけ。」

エル「私を覚えていたのか。」

俺を攫おうとした2人組のもう片方。

目が1つしかない、サイクロプスという種族の女だ。

エル「それじゃあミランダ様をお呼びしてくる。」

そう言って、持っていた料理を近くの机に置いて部屋を出ていく。

(あいつもミランダ『様』って言ってたな…)


ミランダ「あらあら、ようやくお目覚め?随分とお寝坊さんね。」

クロノ「やっぱあんたか。」

ミランダ「やっぱって何よ。」

クロノ「そいつらがミランダ様ミランダ様って言うからさ。俺の知ってるミランダっていったらお前しかいないからさ。」

ミランダ「あらあら。」

クロノ「お仕置きするって言ってたけど、なんであいつらここにいんの?」

ミランダ「別に私は殺すとも魔界に追い返すとも言ってないわよ?私はお仕置きするとしか言ってないわ。」

マレーもエルが目をそらす。

エルは口に手を当て、顔を赤くしているのがよく分かる。

ミランダ「そしたら私に一生ついていきます‼︎って言うから、ここでメイドをしてもらうことにしたの。」

クロノ「なるほど、調教したのか。」

ミランダ「やぁねぇ。私はただ、悪いことしたらダメよって言ってちょ〜っと痛いことしただけよ?」

だが顔が完全に確信犯だ。

クロノ「そんなことよりも俺が今聞かなきゃならんことがあんのよ。」

ミランダ「魔王城で戦ってたのになんでいつの間にか人間界側の門の横にある私の館にいるのか、ということかしら?」

なんだ、そこまで知ってるのか。

ミランダ「キュリーを倒したところまでは覚えてるんでしょ?その後あなたは気を失ったの。度重なる拷問による精神や肉体に溜まってたダメージがぶり返してきたのと魔界の瘴気にあてられたからでしょうね。それからモニカが私を魔界に呼んで最初の1日は魔王城であなたの介護をしていたわ。それから私の館ならハゼット達も会いやすいだろうしってことで、私の館まで運んだの。」

クロノ「そうだったのか…なんか…迷惑かけちゃって悪いな…」

ミランダ「別にいいのよ。むしろ借りを返しただけだし。」

クロノ「借り?」

なんか貸してたっけ。

ミランダ「ちょっと前に女子会やった時に酒飲んだエリーを止めてくれたでしょ?あの時あんたがいなかったらあそこにいた奴ら全員エリーにおいしく頂かれてたわ。」

クロノ「いやでも、あれは俺に襲いかかってきたからで…」

ミランダ「あら?なら私が今あなたに借りを作ってるってことでいいのかしら?ならちょっとあなたから欲しいものがあるのだけ」

クロノ「これで貸し借りは0ですね。」

ミランダ「そんな食い気味で断らなくてもいいじゃない。でもまぁ、あなたに眠り薬嗅がせるなんてイタズラもしちゃったわけだし。そっちの分の借りだけでも返させてもらったことにしといて。」

クロノ「はいはい。」

ミランダ「それじゃ、ゆっくりしていきなさい。多分、明日か明後日にでもハゼット達が来るわ。」

ミランダが立ち上がり、扉に向かう。

ミランダ「あ、そうそう。モニカとメイドから伝言よ。」

モニカとステラから?

ミランダ「メイドの方は、ありがとうございます。だって。」

(短いなぁ。)

でもステラの気持ちは伝わってくる。

ミランダ「それからモニカは、これは借りにしておくからまたいつかあんたが生きてる間に返しに来ないと許さない。ですって。」

クロノ「あ〜らら。」

ミランダ「あの子も素直じゃないわねぇ。」

クロノ「モニカって人間嫌いだったんだよな。」

ミランダ「そうだけど、あなたは特別じゃないかしら?じゃなきゃあなたに伝言も残さないし、また来てなんて言わないわ。」

クロノ「ヤンデレの次はツンデレか…。」

ミランダ「それじゃ。マレー、エル。頼んだわよ。」

「「かしこまりました‼︎」」

あぁ〜いい返事。

とりあえずもっかい寝よ。

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