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ヒーローライクヒール(リメイク連載中)  作者: 手頃羊
14話:トラベル to ヘル
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その4・耐える

[クロノ]

モニカと協力態勢をとって次の日の朝。

寝ていたところに水をかけられ、目を覚ます。

キュリー「起きたか。」

ステラ「………」

水をかけたのはステラだったようだ。

クロノ「せっかく気持ち良く寝てたってのに…」

キュリー「おや、それはすまなかったな。なんならここに永住させてやってもいいぞ?」

クロノ「遠慮します。」

キュリー「そうか?似合いそうだがな。さて、それでは昨日の続きといこうか。」

キュリーが目の前で足を組んで椅子に座る。

ステラが机をキュリーの横に持ってくる。

机の上にはハサミやペンチのようなもの。

ロウソクや水の入った桶なんかがある。

クロノ「これは?」

キュリー「貴様がしっかりと話すことを話してくれたら、これらに用はない。」

拷問器具か。

キュリー「まぁ私としては別に話してくれなくてもいいんだがな。人間をいたぶるのは嫌いじゃない。」

さっそくデカイ壁にぶち当たるなぁ…

キュリー「まずは…そうだな…」

クロノ「なんで向こうの世界のことを聞きたいのさ?」

キュリー「ん?う〜ん…興味、かな。そちらの世界から何か面白い情報があればこの世界で活かせるかもしれない。あとは…できるならば、その世界にも行ってみたい。」

クロノ「行ってどうするのさ?」

キュリー「それはその時考えるさ。まずはそうだな…そちらの世界の武器兵器のことを聞こうかな。」

武器…か。

キュリー「貴様の記憶を見たところ、このような形の鳥のような機械があってな。人を攻撃するための兵器か何かなのだろうが、これはいったいなんなのだ?」

そういって絵を描いた紙を見せる。

戦闘機の絵が描かれていた。

無駄に絵上手いなこいつ。

クロノ「空飛んで空中から地面にあるもの、あるいは同じように空飛んでる敵のそれを撃ち落とす兵器。」

キュリー「ふむ…空を飛ぶ鳥型の機械か…。どうやって作られているのだ?」

クロノ「それはさすがに知らんよ。そういうのは専門家が作らないといけないような難しいやつなの。」

キュリー「本当に知らんのか?」

魔法で火を出し、ロウソクに火を灯す。

キュリー「本当にか?」

クロノ「そのロウソクどうするつもり?」

キュリー「貴様が話してくれたら用途は知らなくて済むが、どうする?」

クロノ「知らないものを知ってると言えない性格なんで、無理なものは無理だね。」

キュリー「そうか。」

キュリーが自分に手をかざしてくる。

手から紫色の光を発し、自分を包む。

クロノ「え?なに?なにしたの?」

キュリー「ただの回復魔法だ。どんな怪我をしようとすぐに回復するような強力なやつだ。」

クロノ「なんでかけたの?」

キュリー「死んでしまっては吐く情報も吐けんからな。」

ロウソクを足元の近くの地面に置く。

キュリー「まだ言う気にはなれんか?」

ロウソクをジリジリと近づけてくる。

クロノ「おいおい…冗談でしょ?」

キュリー「言ってくれたらこの手を引くぞ?」

クロノ「知らないものは知らないんだってば!」

キュリー「そうか。」

ロウソクを足の裏の下に置く。

ちょうど火の先が足の触れるか触れないかの位置にある。

クロノ「あああああああああああああああ‼︎‼︎」

キュリーがすぐにロウソクを引く。

クロノ「はぁ…はぁ…」

キュリー「もう泣いてるぞ?拷問は初めてか?早めに話した方が身のためだぞ?」

もう1度ロウソクを足の裏に置く。

クロノ「やめろやめろやめがあああああああああああああ‼︎‼︎」

キュリー「優しく接してくれたから拷問なんてしないだろうと思ったか?そんな訳がないだろうが。ほら、早く話してくれ。」

ロウソクを引く。

クロノ「…あぁ……はぁ……」

キュリー「もはや声にもなっていないな。ふむ…これでは拷問すればするほど、話せなくなってしまうかもしれんな…。仕方ない。」

(拷問中止か…?)

キュリー「予定を変更して、今日は色々試して体を慣らすとしようじゃないか。炎程度でいちいちそんなに泣かれたんじゃ話を聞くどころではないからな。」

クロノ「頼む…もうやめて…」

キュリー「話してくれるのか?うん?」

クロノ「だから…ホントに知らないんだって…」

キュリー「そうか…なら他のことを聞くとしようか…そうだな…じゃあこっちはどうだ?」

もう1枚絵を見せる。

戦車が描かれていた。

キュリー「これも兵器の1つなのだろう?この兵器のこの円筒部分。ここから強力な攻撃を繰り出しているのだが、魔法でもないのにかなりの威力の爆発を起こしている。どうやってやっているのだ?」

クロノ「知らないよ…」

キュリー「そうか…」

キュリーがハサミを手に取る。

ハサミを腹の前に近づける。

キュリー「どうする?」

クロノ「頼む…やめて…」

キュリー「やめるには話してもらうしかないが?」

クロノ「お願いだから…」

キュリー「黙ってるだけじゃないのか?ん?」

ハサミを広げ、腹に押しつけてくる。

ゆっくりゆっくりと腹を押し、皮を超えて肉に刺さるのを感じる。

クロノ「知らない、知らないんだって‼︎頼むよ‼︎痛い痛い痛い‼︎痛い‼︎」

キュリー「ふん。」

ハサミを腹の奥まで突き刺し、ハサミを握って腹を切り開く。

クロノ「がああああああああああああ‼︎‼︎」

キュリー「よっと…」

腹の中に手を突っ込み、切り開いた穴から一本につながった何かを引きずり出してくる。

クロノ「いぎあぁぁぁぁ……」

キュリー「自分の腸を見るのは初めてか?まぁ、普通はそんなに見る機会はないか。」

剣を作り出し、腸の上でクルクルと回す。

キュリー「やはり話を聞くのは無理だな。仕方ない、今日は魔族流の拷問に慣れてもらうとしよう。」



モニカ「ちょっと大丈夫?」

いつの間にか気を失っていたようだ。

クロノ「えぇと…」

モニカ「ステラから聞いたわよ。拷問を受けたって。」

(あぁ、そういやそうだったな。)

腹からはみ出ていた腸はいつの間にか腹の中に収まっていた。

モニカ「やつに話してないわよね?」

クロノ「話してねぇよ。」

モニカ「そう。ならいいわ。私の方はまだ少し時間がかかりそうなの。悪いけど、もう少し頑張ってちょうだい。」

クロノ「あぁ、頼んだ。」

モニカ「さすがのあなたも、拷問を受けたあとじゃあ軽い喋り方はできなくなるのかしら?」

クロノ「あぁ。そうかもな。」

モニカ「……じゃあ。」

モニカが部屋から出て行く。

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