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ヒーローライクヒール(リメイク連載中)  作者: 手頃羊
5話:お勉強の時間
24/95

その3・英雄神

[クロノ]

一度落ち着いたあとでアクアとエリーが帰ってきた。

アクアがエリーの両手を背中に回して抑えている。まるで警官に捕まった犯人だ。

ガイア「大丈夫か?アクア。」

エリー「まさかしくじってしまうとは…。」

アクア「あたしを襲おうだなんて100年早いよ。あたしはそういうところには強いんだ。」

エリーさんが両刀だとは聞いていたがマジだったのか。

エリー「また今度…。」

アクア「しないよ。」

エリーがダウンする。


エリー「それで、何の話の最中ですか?」

ガイアが一通りのことを話す。

エリー「へぇ~。じゃあ英雄神の話はまだなんですか?」

英雄神?まだ不思議な存在がいるのか?

クロノ「英雄神って?」

エリー「英雄神というのは1500年ほど前に活躍した英才達のことです。戦い、戦略、恋、農業、呪術、狂気…様々な方面で才を発揮した人たちを神様と同じくらい素晴らしい存在として讃えているのです。宗教とはまた別の方向でね。」

クロノ「神様はまた別にいるんですか?」

エリー「ええ。まぁ、英雄神にはそれぞれの神の加護が付いているからと同一視する方もいらっしゃいますが、別物の存在です。」

クロノ「1000年以上も前にそんなすごい人がいたんですか…。」

エリー「ちなみにハゼットさんは2000年前の人なので、ハゼットさんの方が年上ですよ。」

クロノ「あれ?じゃあ英雄神よりスゴイ人に会ってるってことですか?」

エリー「ハゼットさんも英雄神並みの活躍はしているはずですが、英雄神に入れるような…新しい才がないんです。ハゼットさんはあらゆる方面に強いですが、悪く言ってしまえば器用貧乏なんですよ。」

クロノ「あぁ~。才能があってもその上がまだいたってことですか。」

エリー「万能と言えば聞こえはいいんですけどね…。」

ゲームでキャラを育てるとき、ステータスをバランスよくしようとしてしまうバランス厨な俺としては歯痒いものを感じる。


フレア「英雄神って誰か生きてませんでしたっけ?」

クロノ「英雄神も不老不死とかそういうのなんですか?」

エリー「いえ、普通の人間ですよ?確かに1人、呪いのせいで不老不死になっている人はいますが。」

不老不死はこれで3人目か…。

クロノ「この世界に不老不死は何人いるんですか…。」

エリー「多分3人だけだと思いますよ?あと私たちとその不老不死になった英雄神の方は不老不死になった方法が違いますし。」

そういえばどういう経緯で不老不死になったか知らないな。

クロノ「方法って?」

エリー「英雄神の方…あ、その方は戦いの神と言われているアリウスという方なんですが、その人は死を操る神の反感を買って不老不死にさせられたのです。」

クロノ「いったい何をしたんですか…。」

エリー「さぁ…文献にも反感を買った理由が残ってないんですよ。」

クロノ「へぇ~。ちなみにエリーさんたちはどういう感じなんですか?」

その瞬間、場の空気が凍る。

(あれ?地雷だった?)

エリー「そうですね…。ユニコーンって知ってます?角が生えた馬みたいな外見の魔獣なんですけど。」

クロノ「…名前くらいなら。」

エリー「ユニコーンの血を摂取すると不老不死になるという伝説があるんですよ。伝説は本当だったようですが。」

クロノ「じゃあそのユニコーンの血を飲んだと?」

エリー「飲む以外にも摂取の方法はあるんですけどね。私たちはそれで不老不死になったんです。」

場の温度が上がらない。みんな表情には出さないようにしているが、顔が固まっている。

エリー「あ、そうだ。私忘れ物したんだった。ちょっと取ってきますね。」

エリーがギルドを出ようとする。

クロノ「あ、あの!僕も同行します!」

エリー「え?…じゃあお願いしましょうかしら。」


街を歩く。

クロノ「…あの、さっきの質問は…しない方が良かったんでしょうか…。」

エリー「…そうですね…。まぁ、ちょっと嫌な事件ではありましたからね…。1000年近くも前のことなのに、私はまだ心の整理がついていないんです。いずれクロノさんにも、話す勇気ができたら…話そうと思います。」

クロノ「…分かりました。…ほんと…すみませんでした。」

エリー「ふふっ、謝らなくてもいいですよ。」

笑っているが、何かを我慢しているようにも見える。

クロノ「いえ、ですけど…!」

エリー「そうですねぇ…。じゃあ、こないだレオくんと中央にできた店に行ったそうじゃないですか。」

クロノ「アリアージュですか?」

エリー「ええ。そこでレオくんと女装を楽しんだそうじゃないですか。…今度私にもそれを見せてくださいね。」

クロノ「え?」

エリー「ふふっ、楽しみですね!」

なんだろう。すごく柔らかい笑顔だけど、危機を感じる。

この人の前で女装してはいけないと本能が語りかけてくる。

エリー「すごく似合ってたそうじゃないですか…。」

分かる。目がやばい。

…でもまぁ、この人もそういうのが好きな人だってことか。

クロノ「…見るだけですよ?」

エリー「チェッ…。いいでしょう!」

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