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ヒーローライクヒール(リメイク連載中)  作者: 手頃羊
4話:愛が止まらないから
21/95

番外編:かわいいものはかわいい・その3

[クロノ]

結局シレイノを連れて試着室に入ることになってしまった。

クロノ「まさか下着まで着替えろとか言いませんよね…?」

シレイノ「さすがにそこまではしませんよ。レオくんで充分堪能しましたから。」

レオが顔を赤らめてた理由が判明した。

ってかその言い方だとレオで堪能しなかったら俺でするつもりだったってこと?

やべぇよ…この人ガチだよ…。

そこまで可愛いものが好きか…。

…俺は可愛いに入るのか…?

クロノ「そんなに可愛いものに飢えてるんですか…?」

シレイノ「私はこのように可愛い服が似合うような外見ではないので、可愛いもの好きとしては苦痛でしたよ。レオくんのように可愛い服を見つけては着てみたいなぁ、着てみたいなぁと思うまでは良かったんですが、実際着てみると似合わなくて諦めるしかなかったんです。ですが、他の人に着せて愛でる分なら私の外見は関係ありません。可愛い女の子達に可愛い服を着せて可愛い店を作る。それが子どもの頃からの私の夢でした。」

そんな過去があったのか。

それが今のこの変態さを作り出してしまったのか…。

クロノ「好きなのに似合わない…か。」

レオ「でも髪型変えたら似合うと思いますよ?」

確かに、カッコよく見えるのは顔が凛々しいのもあるが、髪型がキチッと整っているからだ。髪型変えるだけでも割と…って、

クロノ「レオ⁉︎いつからそこに‼︎」

トビラの前にいつの間にかレオが衣装を持って立っている。ちなみに今の俺は半裸だ。

レオ「えっと…始めから?」

ウソだろ?シレイノがドアを閉めたときに試着室に誰もいなかったのは確認したはずだぞ?

レオ「でもシレイノさん、髪型変えたら似合うと思う!」

シレイノ「か、髪型…でそんなには変わらない…でしょう…?」

レオ「ううん。髪型をもう少し可愛くしただけでも可愛くなれるよ!」


2人が会話してる内にさっさと着替えて試着室を出る。なんだよ、1人で着替えられたじゃないか。


店員「う~ん、似合っておられますし、可愛いですけど、お客様にはこちらの方が似合いそうですねぇ…。」

バニー服だと?

店員にオススメされるが丁重にお断りした。ってか店員もそっち側の人間か。

店員「せっかくですし、着替えてみます?」

クロノ「遠慮しておきます…。」

俺は可愛い服を着ようとは思わないな。

(香坂さんならあっちのチャイナ服みたいなの似合いそうだな…。)


試着室からレオとシレイノが出てくる。

シレイノが頭の左右にシニョンを布でくるんだチャイナ娘風の髪型で、ミニスカチャイナ服という最強チャイナコンボで来た。

なんという可愛さ。普通に似合うってか可愛い。

店員「キュン‼︎」

と言って鼻血を出しながら倒れた。キュンって言いながら倒れるやつ初めて見た。

シレイノ「な、なんとか言ってくれないでしょうか…?」

クロノ「…可愛いです。」

レオ「でしょ!やっぱシレイノさん可愛いよ!」

クロノ「一回失敗するとどうせダメだってなって諦めちゃうんですね。」

レオ「でもちょっと工夫するだけですごく良くなるんだよ!」

シレイノ「……………‼︎」

シレイノが泣き出してしまった。

服が似合うということが余程嬉しかったようだ。


その後もしばらく、レオとシレイノが色々な服を着て色々髪型を変えながら試着を楽しんでいた。

俺はというと例の似合いそうな服を着せられかけたが、全力で断って元の服に戻った。

基本的には口を出さずに見守るだけにしていたが、テンションが上がりすぎて水着に手を出しそうになったのはさすがにNGを出した。なんでスク水しかないのかは知らんが、それはマズイ。

クロノ「ってかなんでスク水があるんですか…。」

シレイノ「いや、少し前に森の中を歩いていたら、この服が落ちていてね。誰かに着せてみたらいいかもと思っては残しておいたのさ。まだ誰も着ていない。」

クロノ「だからって着せませんよ?」

レオ「お兄ちゃん…。」

レオが何かを訴えかける目で見てくる。

クロノ「女物の水着はさすがにマズイでしょ?」

シレイノ・レオ「水着⁉︎これが⁉︎」

何をそんな驚いているんだ。

シレイノ「水着と言ったら濡れてもいいような使い古した服とかだろう?」

なるほど、この世界の水着はそういうものだったのか。

どうする、ウチの世界では…なんて説明はできない…。

クロノ「ウチの故郷ではそういう文化があるんですよ…。」

間違ったことは言ってないはずだ。

シレイノ「なんと…これが水着なのか…。下着にしては無駄にピチピチだとは思っていたが…。露出度高すぎだろう。」

クロノ「泳ぐのに無駄がないってことなんだろう。」

レオ「じゃあ着れないんだ…。」

おいなり2つはどうあがいても隠しきれないからな、って俺は何を言っているんだ。


夕方。もうこんな時間か。


試着室の衣装から1つ、プレゼントしてくれるということで、レオがメイド服をもらってきた。

シレイノ「今日は本当にどうもありがとう。あなた達と出会えて本当に良かった。」

クロノ「いつの間にか丁寧口調じゃなくなってますね。」

シレイノ「その方がお互い接しやすいかと思いましてね。ダメだったか?」

クロノ「いいえ。話しやすい話し方が一番ですよ。」

レオ「じゃあね!シレイノさん!」

シレイノ「あぁ、また来てくれ。店の方じゃなくて私の方でもいいからな。」

レオは喜ぶだろうが、俺がイヤだ。また女装に巻き込まれそうだ。

シレイノ「そういえば、クロノはどこから来たんだ?」

クロノ「街の東の方です。『ラフ』って店、分かります?」

シレイノ「『ラフ』といったらアレだろ?ギルドだったか?クロノはギルドの者だったのか。」

クロノ「レオもですけどね。何かあったら手伝いますよ。…女装以外。」

シレイノ「チッ。ああ、頼らせてもらうよ。」

今なんか聞こえたぞ。


ギルドへの帰り道。


レオ「楽しかったね!」

クロノ「だなぁ。まさか女装させられるとはな…。」

レオ「また今度、時間空いたらさ。一緒に行こ?」

クロノ「あぁ、暇だったらな。」

その時はケーキを食いに行こう。

あくまでケーキだ。


ギルドに帰り、レオがそのことをエリーに話す。

エリー「そんな店が⁉︎どこ⁉︎どこにあるの⁉︎」

ものすごい食いつきだった。

エリー「私も可愛い女の子を…ウェハヘェ…。」

エリーさんもそっち側の人間か…。

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