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ヒーローライクヒール(リメイク連載中)  作者: 手頃羊
4話:愛が止まらないから
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その3・好きの気持ちは誰だろうと

[花屋の裏路地]

女性が2人。

片方の女性は地面に座り込み怯えている。

もう片方の少女は手に包丁を持ち、笑みを浮かべている。

逃げたくても後ろが生き止まりなのでこれ以上下がることができない。

しかし、少女はゆっくりと近づいてくる。

少女が包丁を持ち上げる。


持ち上げられた包丁が振り下ろされる。



[ハゼット]

どうやら間に合ったか。

振り下ろされた包丁がギリギリ、自分の手の方が先に間に合い、防ぐことに成功した。

代わりに自分の手に刺さったが。

人の命に比べれば不老不死の自分の手なんて安いものだ。

リー「…邪魔しないでよ…。」

ハゼット「その包丁を離してくれるならな。」

リーが手から包丁を引き抜き少し距離をとる。

襲われていた女性はひどく怯えているようだ。

ハゼット「落ち着け。大丈夫だ。俺に任せろ。あいつは今正気を失っているだけだ。俺が守る。」

しゃがんで目線を合わせ話しかける。

女性「……‼︎……‼︎」

後ろ後ろと指を指す。

(分かってるさ。)

リーが後ろから包丁で刺しかかってくる。

立ち上がりリーの右手首を掴む。

リーがスカートのポケットからもう一つ包丁を出す。

若干反応が遅れた。手首を抑えている左手を離し体を倒して避ける。そこから右手で襟を掴もうとするが、距離をとられる。

部屋の包丁が置いてあったスペースには一つ分しか空きがなかったはずだが…。

まさかあれら以外に普段から隠し持っているとかか?


カール「リー‼︎」

カールが遅れてやってくる。町長宅を出るときは一緒だったが、俺の全力疾走には追いつけず、遅れる形となっていた。

リー「お兄様‼︎」

リーがカールに近づく。

カール「リー、お前いったい何を…。」

リー「お兄様に近づく邪魔者を殺そうとしていたのですが、邪魔が入ってしまってうまくいかなくて…。」

カール「なぜそんなことをするんだ!自分が何をしているのか分かっているのか!」

リー「お兄様…?なぜそんなに怒られるのです……?」

カール「当たり前だろう!こんなことをするなんて…!」

リーの顔からだんだん生気が失せていく。

ハゼット「カール!」

カール「…リー?どうした…?」

リー「……やっぱり…。あの女が…お兄様に何か変なことを吹き込んだんだ…。そうに違いない…。妹だもの、分かるわ…。」

リーがこちらを向く。

正確には女性の方を。

リー「…やっぱり殺さなきゃ。…それがみんなの為だし、何よりお兄様のためだもの…。」

リーの体から紫色の魔力が溢れ出てくる。

これは…『闇』の中期に入ったか。

『闇』の中期は勝手に訪れることはなく、大半はそのまま終期にいく。

中期に移行する条件は、大きな衝撃を受けたとき。例えば今でいうと、兄に拒絶されたと思い、暴走を始めてしまったのだ。

中期ということは…闇魔獣が現れる。


溢れ出てきた魔力がリーの手を包む。

塊が形を変えていき、刀へと形を変える。

闇魔獣は生き物の形をしたものしかないと思っていたが、刀のような武器にも変わるのか…。


こちらに向かって走ってくる。その速度は魔力強化がされていたとしても、少女がするような速さではない。

そこらへんの強者よりは確実に速い。

…が、

キ-ン!

右手に剣を出現させて、リーの攻撃を防ぐ。

自分の速さをなめてもらってはこまる。

リー「…あなた、邪魔しないでよ。」

ハゼット「それはできないな。」

リー「ならあなたも殺すまでだわ。邪魔をするんだもの。仕方ないわよね。」

カール「リー‼︎」

ハゼット「カール‼︎俺に任せろ‼︎俺がなんとかする‼︎」


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