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ヒーローライクヒール(リメイク連載中)  作者: 手頃羊
4話:愛が止まらないから
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その1・『闇』

[ハゼット]

ガイアから町長からの依頼があると昨日言われた。

町長とは顔を合わせたことがない。今回呼び出されとのも初めてだ。

『闇』か…。


街の中央にある城に着く。

やはり街の長というよりは王の方が正しい気がする。

町長からの手紙を見せ、入城する。

執事に応接室まで案内される。町長が来るまで少し待つ。

やはり城の中、何もかもが豪華だ。


町長「おお、来てくれましたか。ハゼット殿。」

町長が入ってくる。

ハゼット「直接会うのは初めてですね、カイズ町長。」

カイズ「そうですな。一度自己紹介しておいた方が良いでしょうかな。私はアリアンテの町長、カイズ・ギル・スラスベインと申します。」

スラスベイン家は代々アリアンテを治める貴族として栄えている。

ハゼット「アリアンテの街でギルド『ラフ』のギルドリーダーを勤めております。ハゼット・ローウェルです。」

カイズ「さて、依頼の件ですな。」

ハゼット「はい。エリエテの方で『闇』が出たと聞きましたが。」

カイズ「ええ。…実はその『闇』「かかったというのが…エリエテの町長の娘だというのです。」

町長の娘?

カイズ「私とエリエテの町長であるケインズは古くからの友人です。友人である私に手紙で相談を持ちかけてきたので、『闇』に詳しい者にエリエテに向かうよう頼んでみると返事をしました。」

ハゼット「なるほど…。ですが、解決できるとは限りませんよ?」

カイズ「ええ、私の代わりにできる限り手を尽くしてほしいのです。」

ハゼット「まぁ、なんとかなるでしょう。お引き受けいたします。」

カイズ「おお、ありがたい!エリエテまでの馬車は我々で用意したものをお使いください。早速行かれますか?」

ハゼット「えぇ、準備はできていますし、早い方が良い。」


さすが町長が所有している、馬車。豪華だな。

カイズ「どうか、よろしくお願いいたします。」

ハゼット「時間はかかりますでしょうが、ご友人の悩みを解決できるよう全力を尽くします。それでは。」

馬車に乗り込む。内装も普通の馬車とは違う。やはり豪華だ。


エリエテに向かう途中、一度頭を整理しておこう。

『闇』。心の中の感情が魔力を持ち、心を支配する。心を支配するほどの悩みというのは大方恋心が問題だ。町長の娘というのも年頃ではあるだろうし、ありえないことはない。

『闇』にかかった者は『闇人』と呼ばれる。

『闇』には3つの段階がある。

『闇』にかかり始めて初期の頃。この時点で、既に今までの自我が消え、『闇』が持つ本能で行動するようになる。

そして中期、これは人によって訪れるかは様々だが、訪れると魔力が暴走をはじめ、闇の魔力で出来た『闇魔獣』を作り出してしまう。『闇魔獣』はモノによるとドラゴンと互角に戦えるであろう強さだ。

最後に終期。初期のように元の自我が消え、『闇』によって動くが、一つだけ違うのが、そいつの持つポテンシャルが引き出されることだ。

『闇』に支配されることで、己の中身を全てさらけ出すのに合わせて、真の実力も出てきてしまうのだろう。終期までいった闇人はかなり厄介だ。

仮に町長の娘さんが良い『闇』だというならいいのだが、もしそうでないなら…。また抵抗が激しいようなら…。最悪、殺すなければならない。闇人を治療する方法は存在していない。闇人が心を入れ替えるという事例はあるかどうかは知らない。少なくとも、今まであった闇人たちは改心しなかった。

誰か一人でも改心してくれる事例さえ出来てくれれば、俺も殺す以外の対処が出来て良いのだが。


エリエテの街が見えてくる。

アリアンテほどではないが、それなりに大きな街だ。

町長宅まで向かう。こちらの町長は王のような感じではなく、あくまで一市民が代表を務めているという感じだ。この街には軍はない。

エリエテの町長宅に着く。カイズ町長からの伝言を伝え、応接室でエリエテの町長を待つ。

しばらくして、ドアが開く。来たようだ。

町長「はじめまして。カイズがよこした者というのが貴方のことですね。私がエリエテの町長を務めております。ケインズ・ハーマンと申します。」

少し小太りでヒゲが生えているが、優しそうな印象の男だ。

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