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ヒーローライクヒール(リメイク連載中)  作者: 手頃羊
3話:ギルドのお仕事
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その4・デカいやつにはデカい一撃

[クロノ]

ガイアに巨大ゴブリンの相手をしろと言われたが、どう相手すんだよ。これ。

エリー「クロノさん、このゴブリン大きいだけですよ‼︎」

大きいだけってねぇ…。まぁ、援護もしてくれてるし、なんとかなるかなぁ。

剣を二本構える。ゴブリンの足元に走り、魔力を込めて切りつける。

ゴブリンは痛そうにすらせず、下を見て手を伸ばしてくる。

右に避け、そのまま切りつけてみるが全く効果がない。

ゴブリンはこちらを蹴ろうとするが、当たらないように避けつつ切りつけたり、銃で撃ったりを繰り返すが全く効いていない。ゴブリンもしまいには無茶苦茶に足を振り回す。

さすがに避けきれそうにないので、距離をとる。

足元がダメなら上を狙ってみよう。相手の胴体に向かってジャンプする。足に魔力を込め、胴体に足をつける。ゴブリンの胴体に魔力を流し、魔力でゴブリンの胴体と自分の足をくっ付ける。くっ付いてない方の足を上げ、その足を胴体に付ける時魔力を流す。これを素早く行い、首元まで駆け上がる。そしてゴブリンの首を横薙ぎに斬る。が、ダメ。やはり傷一つつかない。

なら顔はどうか。顔の方まで登ってみる。

しかし、ゴブリンがあまりにも暴れるので、うまく登れない。右肩の辺りまでくると、ゴブリンに掴まれた。

クロノ「しまっ、やっべ‼︎」

エリー「クロノさん‼︎」

自分を掴んだ腕を振り上げ、下に振り下ろし、地面に投げつける。

尋常じゃない振り下ろしの速さ。

(このままじゃあトマトになっちまう‼︎)

なんとか…なんとか…‼︎

そうだ‼︎地面にぶち当たる瞬間にカウンター行えば?

いや、それだと自分の中にダメージが流れてしまう。あれはダメージを減らす技ではない。高速で地面にぶち当たるダメージはそのまま俺の全身に流れる。

………全身に流さなきゃいいじゃん。例えば、左手で受けて、左手から流し、左手で引き返して、左手から出す。

これしかない‼︎

自分の体がゴブリンの手から離れる。

アドレナリンとかいうやつだろうか。この流れが非常にゆっくりに感じる。

これがこの間1秒とかいうやつだろうか。


地面が迫ってくる。

このタイミングだ‼︎

左手を地面に向ける。

左手だけではさすがに自分の体を抑えきれなかったので、両膝も付ける。

左手と両足に痛みが広がるのを感じる。さっき投げられた木なんか比にならない。痛みを無理矢理引き返させる。さらに痛みがくる。

昔階段から落ちて後頭部をコンクリに打ち付けたことがあるが、その程度のものと比べてはいけない。


なんとか耐えた。涙が出てくる。が、ここでしゃがんだままであるわけにもいかない。すぐにでもゴブリンが蹴りか何か入れてくるだろう。すぐにエリーの近くまで逃げる。

エリー「クロノさん‼︎大丈夫⁉︎」

クロノ「ギリギリですけど、まだいけますよ‼︎」

今の俺のライフゲージは真っ赤だが、ゼロじゃないなら勝てる。格ゲーマーもアクションゲー好きもライフゲージが赤いごときでは動じない。


しかし、足元がダメ、頭を狙ってもそこに行くまでに掴まれるではどうしようもない。

斬っても斬っても、やつの硬い肌にダメージを与えられない。

ならば考えを変えよう。

…こういうゲームの時どうするか……。

…巨大な化け物には高火力と昔から相場が決まっている。例えばロケランとか……パイルバンカーとか…。

パイルバンカー…。知ってる人は知っているだろう。

簡単に言うと、超至近距離で意味わからんほどの衝撃のパンチを放つ銃のような工具のようなそんな感じの武器である。

銃を二つ組み合わせる。見た目ロケットランチャーのような、工事現場のドリルのような形になった。取っ手の先に付いているボタンを押すと、貯めた魔力を射出する仕組みだ。

エリー「クロノさん、無茶は…。」

クロノ「無茶しないと本気で戦えませんよ‼︎」

無茶苦茶な理論だが、早めに終わらせるには本気で挑まなければ。でないとゴブリンの攻撃のチャンスを増やしてしまう。あんな重い攻撃はもうお腹いっぱいだ。

魔力を貯めながら足元に走り寄る。こっち向かって蹴りを放つが、それを避ける。右足で蹴ったため、左足は地面にしっかり付いたままだ。

左足のくるぶしの辺りに銃口を付ける。

あとはボタンを押すだけ。

クロノ「パァァァァイル、バンカァァァァァァァ‼︎」

叫ぶと強くなれる。気がする。


ドゴム‼︎


鈍い音を立てながら、くるぶしからの出血が見られる。

耐えきれなかったゴブリンは跪く。

ガイア「でかした‼︎こちらの準備は完了した‼︎」

右手を横に突き出す。空中に魔法陣が出現する。

ガイア「鉄鬼剛拳…」その右手を前に出すと、魔法陣から鎧に包まれた腕が出てくる。

その右手でゴブリンの首を掴む。左手を動かすともう一つ魔法陣が現れ、もう一本、鎧の腕が出てくる。左手を引き、拳を作る。その拳を思い切りゴブリンの顔面に叩き込む。

ガイア「地獄突き‼︎」

ゴブリンの頬にジャストミート。そのまま殴り抜く。

ゴキャリと嫌な音が聞こえ、ゴブリンが動かなくなった。

ゴブリンの体が小さくなっていく。

先ほどのゾンビゴブリンと同じ、人間程の身長になる。

エリー「これは…。」

ガイア「どうやら…新種の魔獣ではなく、体を大きくさせられたということだろうな。」

つまり、

クロノ「誰かが何かした…ってことですか?」

ガイア「可能性の話だがな。何せこの森をの木よりデカかったのだ。おそらく、何者かによって巨大化させられ、それにフレア達が気づき、フレアが抑えてる間にアクアがこの事態を伝えに来た。ということだろう。」

街を出る時、門番の慌てようがすごかった。

あれでは、ギルドまで連絡が行かないだろう。事実、来なかった。


まぁ、被害者はゼロ。

唐突な事態にかなりの強敵だったが、最高の成果と言えるだろう。


さて、帰るか。



ギルドに戻ると、アリシアがガイアの胸に突っ込んでいった。

アリシア「お兄ちゃん‼︎大丈夫だった⁉︎フレアさんがボロボロになっちゃう程の魔獣だったんでしょ⁉︎」

泣きじゃくっている。余程心配だったのだろう。

ガイア「大丈夫だ。最強のギルドと最高の部隊が一緒だったんだ。負けるわけがない。」

アリシア「良かったよぉ…‼︎」

顔を胸にグリグリと押しつける。

遊撃隊の兵士達は見てられねぇよといった顔で酒場に入っていく。

例の副隊長だけがこちらにやってきた。

副隊長「今日は疲れているだろうから、例の…病気だったか?それの話は今日でなくともなるべく早めに、隊長にでも伝えてくれ。私たちは隊長から話を聞き、深刻なものであれば町長にも伝え、事態の深刻さを広めようと思う。ではな。」

この副隊長さん、かなり嫌なキャラそうな見た目してるけど、普通にいい良い人じゃん。

副隊長「ああそうそう。いくら魔獣の知識や戦闘の才があるとはいえ、新人であることには変わらない。能力があっても調子に乗って死んでいった者を私は何人も見てきた。気をつけるんだぞ。」

ちょっと口うるさいが。

というより、心配性?

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