じいちゃん登場
ドレミファミレド
ミファソラソファミ
ド ド ド ド
ドドレレミミファファミレド
紅姉ちゃんがカエルの歌を弾けるようになった。
わー凄いね。
うん全くもって凄い。
「ふぁ~あ」
あくびが出るくらい凄い。
(コラ、拓実真面目に聞かんか)
ん、なんか聞こえた。
「誰か僕の事呼んだ」
「拓実、ちゃんと聞きなさい」
紅姉ちゃんに怒られた。
(いい気味じゃわい)
この語尾はじいちゃんだな。
じいちゃん俺の邪魔しないでくれ。
(わしはお前らの様子を見に来たんじゃ)
僕らの様子を見に来たのか。
じいちゃんいいとこあるじゃん。
(主に紅のじゃが)
でしょうね。
そんなのおにぎりの具、鮭と餃子どっちがいいって聞いてるようなもんだ。
餃子もうまいが。
でも、ツナマヨも捨てがたい。
(何一人でおにぎり語っとるんじゃ、ちなみにわしは高菜が好きじゃ)
高菜苦手だな、ちょっと辛いじゃん。
(高菜を馬鹿にするとは許せん、お前の心の声をダダ漏れにしてやる)
「拓実ちょっと様子が変よ大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
(卵の白身と黄身どっちが好きじゃ)
「黄身が好きだよ」
「え?」
(よく聞こえなかった。もう一度言ってくれんか)
「だから黄身が好きだって言ってるんじゃないか」
紅姉ちゃんが赤くなった。
「拓実ったら兄弟なのに、レイン姉」
「紅姉ちゃん様子が変だったなあ」
(わしがお前の心の声を漏らしたからのう)
「なんだって」
「ちょっと拓実、紅から聞いたけど様子が変なんだって」
レイン母ちゃんが扉を開けたが僕はそれに気づかなかった。
(レインも成長したな。主にあそこが)
「今、おっぱいは関係ないだろ」
「ええ、関係ないわ。あんた頭大丈夫なの」
(お前アリンコぐらいの脳みそぐらいしかないだろう)
「アリンコぐらいの脳みそはあるわい」
「まぁ、あんたの頭の中はそんなものね。どうせまたHなことでも考えてたんでしょ」
(お前どうせ学校の帰りにエロ本でも拾ってるんだろ)
「少しだけだ」
「この状況で少しだけ考えるだけでも十分悪いわ。あんた本当に大丈夫」
(つまらん、わしは一旦帰るぞ、紅によろしく)
やっと帰った。
「あっ、レイン母ちゃんいたんだ」
「あんた病院行く?」
「実は・・・・・・」
じいちゃんにされたことを話した。
「あはは、じいちゃんも寂しいんだよ」
「でも迷惑だよ」
「大丈夫、次来たら見破ってやるから」
「流石、レイン母ちゃん男らしい」
「今、じいちゃんは?」
「いない」
ゴチーン。
「なんでぶつの」
「男らしいって言われたらぶつでしょ」
「じゃあ、太っ腹」
ゴチーン。
「あんた、女性に言ったら失礼なこと手当たり次第に言ってるでしょ」
「もう言いません」
そこに紅姉ちゃんが来た。
「もうピアノ聞かなくていいよ」
「やったー、ありがとう」
「・・・私、好きって言われるの初めてなんだからっ」
「ん、どうしたの紅姉ちゃん」
「いや、別に何でもないわ」
そして、一日が終わった。
女性には言ってはならない言葉がある。
それに気付かず男は言ってしまう。
でもおにぎりはやっぱり鮭に限る。