変わった姉とうっかりな母
ここは橘家。
この家には小学5年生の少しエロい拓実と中学生の優しい?な紅とうっかり母のレインが住んでいる。
さて、今日はどんなことが起こるのやら。
「拓実起きなさい拓実」
「むにゃむにゃ、98、99、100枚突破だぁー」
「!?」
レイン母ちゃんは突然起きた僕に驚いた。
「あんた、朝からどんな夢見てんの」
「えっ、100枚っていったらスカートめくり以外に何があるの」
「あんた最低ね。朝のトースト、ジャムとマーガリンなし」
「それじゃ、あんまりだぁー」
リビングに行って紅姉ちゃんに助けを求めた。
「紅姉ちゃん、朝からスカートめくりの夢見るって健全な男子として普通だよね。それでトースト、マーガリンとジャムなしってひどいよねぇ」
「確かそれはかわいそうね」
流石、紅姉ちゃんは女神さまだ。
「それじゃ、朝ごはんはパンの耳だけね」
「紅姉ちゃん!?」
前言撤回、鬼だ。
「私は朝優しく起こしに行って弟から『ありがとうママン』って言ってもらうつもりだったのに、スカートめくりの夢を見てる息子に失望したレイン母さんがかわいそうだって言ったのよ」
「こら、紅」
レイン母ちゃんは少し頬を赤くしている。
「私ももう少しまともな弟が欲しかったわ」
紅姉ちゃんはため息をついている。
「ほら、早く朝ごはん食べて」
レイン母ちゃんは料理の手際は良かった。
「あのパンの耳焦げてるんですけど」
しかし、料理は下手だった。
学校に行って帰ってくると大きな黒い物体があった。
「何これ?」
そこに紅姉ちゃんがきた。
「あっ、これ通販で買ったグランドピアノ」
「いくらしたの?」
「150万くらいね安いものよ」
「!?」
そう紅姉ちゃんはじいちゃんの遺言で遺産を全額受け継いでいる。
僕の親戚はその遺言で何回泣いたことか。
(紅はかわいいからのう)
今じいちゃんの声が聞こえた気がするが気のせいだろう。
「紅姉ちゃん、ピアノ弾けるの?」
「うんうん、とりあえず買ってみた」
弾けないのかよ。
「上達するまであんたには平日6時間、休日12時間聞いてもらうからね」
わーい、拷問だぁ。拘束時間長過ぎ。
僕の自由時間ララバイ。
僕は理不尽な世の中について学んだ。
そこにレイン姉ちゃんが帰ってきた。
「レイン母ちゃん助けて」
「やだ、気持ち悪い」
「気持ち悪いはひどくない」
「じゃあ、彼女できなそう」
うっ、僕以上に著者が傷ついてる。
彼女できない人に彼女できないって言っちゃダメなんだぞ。
みんなで温かい目で『そのうちできるさ』って言ってあげなきゃいけないんだ。
「それよりあんた何を助けて欲しいの」
「それが・・・」
僕は事情を話した。
「ふーん、それは紅が悪いはね」
「でしょ」
「時間を半分にして余った時間を勉強にあてましょう」
「えっ」
結局僕の自由時間はピアノを聞くのと勉強にあてられることになった。
さようなら僕の自由時間。
こんにちわピアノの音色と文字。
人生に無駄な時間はないとどこかで聞いたが。
僕は姉のピアノを聞く時間は無駄だと思う。
そんなことよりも彼女できなそうってひどくない。