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0.始まり
遥か昔、この土地は広大な邪森であり、恐ろしい異類異形が蔓延っていた。
異類異形は妖魔と呼ばれ、その中でも獰猛な牙を持つ妖魔の王──暴嵐が、悪虐非道なる力で人々を捻じ伏せていた。
逃げることは決して許さず、蹂躙の限りを尽くす。地上は深い嘆きと苦しみに包まれていた。
ある時、一人の男が現れた。
姓は紅、名を英。
男は武勇に優れ、双眸炯炯として刀を構えれば身の毛がよだつ畏怖を感じさせた。
まさに勇猛果敢にして豪勇無双。
彼に勝るものは無し。
妖魔王と男の闘いは壮絶で、地を荒らし、草木は枯れ、三夜闘い続け後、紅英は見事悪獣を打ち倒す。
長きに渡る暗黒の世にようやく日が昇ると邪森を切り開いて大きな国を作った。
人々の榮耀永劫を願う、国の名は紅榮国。
始まりの王となった彼は、死後もその存在の威は強く、王都だけではなく、全国津々浦々と彼を祀る王廟が建てられ永劫崇められている。
かくして、偉大なる紅英王が築き紅王族の治世は千年続いている。




