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(ポンコツになる予定の)王子様を育ててみた♪  作者: ノーネアユミ


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5/15

5 お勉強の時間ですよ


 サロンには勉強机が用意されていた。


 前世から、家庭学習はリビングが一番と知っている。だがローテーブルでは低すぎた。

 今の私は床に座ることができないのだから。


 客間にも勉強にちょうど良い机がない。

 最初は私の部屋で勉強机を二人で使おうと思ったのだけど、父に却下された。




 勉強机はサロンの中央に配置され、イスが二つ並んでいる。


「しばらくは落ち着かないと思いますが、勉強に机やイスは大事なのです」



 まずはテキストの文章を音読。

 文字は表音文字のみだけど、文体は会話文と少し異なるから読む練習は必要。


 次は簡単な単語の書き取り。2語や3語の文章を作成。


 そして計算。

 9歳って前世の小学生で言ったら3年生くらいだけど、まだ引き算だ。

 王子は2ケタ以上の引き算ができなくて困っていた。



「コインを持ってきてちょうだい」

 

 侍女に用意しておいた財布を持ってきてもらう。

 この国の貨幣は十進法が使えたから、繰り下がりの概念を銀貨と銅貨を使って説明するのだ。


「10の位を小銀貨、1の位を大銅貨と考えて下さい」


 上の位から借りてくる概念を貨幣で説明する。


「10の位からい1借りると言うことは、小銀貨1枚を10枚の銅貨に両替することと同じですの」


 じゃらじゃら銅貨を取り出す。



「銅貨13枚から5枚を引く感覚ですのよ」

「そうか! 答えは28だ」

「正解ですわ」


 そこからは少年もスムーズに計算できた。



「よく頑張りましたね」


 授業後、私は殿下の頭をなでなでする。

 計算が苦手で逃げ出してばかりの王子だったのに、無事に時間いっぱい勉強したのだ。これくらいはほめなくては。


 まあフワフワの金髪を堪能したいだけかもしれないけど。




 そこで座学は終了。おやつを食べて休憩だ。


「次の礼儀作法は別々ですわね」


 作法など男女別の講義は別れて受ける。

 私は自室で、殿下は引き続きサロンだ。


「終わりましたら、素敵な殿下を見せて下さいね」


 成果を見せる相手がいればモチベーションも上がるから。



「うる、わしいレジーナ嬢、招待に感謝、をもうしあげます」


 つっかえつっかえだったが、殿下の言葉遣いは上達した。


「まあ、ご丁寧なあいさつをありがとうございます」


 私もドレスの端をつかんでヒザをまげる。

 来てやった、と比べれば格段な進歩じゃない。



 殿下もホッとしている。


「それじゃ、一緒に遊ぼうぜ!」


 うん、すぐ戻っちゃったね。


 


 殿下の『遊ぶ』は大体動き回ることだ。

 公爵家の庭園を、スミからスミまで探検する。


 私が知らない所まであったよ。自分が住んでいる屋敷だって言うのに。


 まだ子供の体なのに、私はすぐ疲れ切ってしまう。貴族女性の運動不足はあなどれない。

 私にとっても王子と一緒にいるのはいいことなのかも。



 金貨と銀貨の交換比率は1:20に設定しています。本当は銅貨も20進法の設定ですが、分かりやすく10進法の貨幣もあることにしました。小銀貨1枚=銅貨10枚=半銅貨20枚です。


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