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(ポンコツになる予定の)王子様を育ててみた♪  作者: ノーネアユミ


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22/25

おまけ2 オーディナルの独白 後

「アルベール、ちょっといいか? 話を聞きたいんだが」


 僕は彼の事情をしつこく聞いた。


 アルベールと元婚約者はやはり子供時代からの付き合いらしい。

 パーティーで出会った年上にさらわれたのだ。


「特に親しくもないのに、あまり詮索しないで欲しいのですが」

「う、悪い。でも僕の婚約者が心配なんだよ」

「そこは私と違いますね」


 アルベールは婚約者に思い入れもなかったようだ。



「そこまで思っているのなら長期休暇に帰ればよろしい」

「でも、まだ背も伸びてないし。今帰ってもまた子ども扱いされる」

「うるさいですねえ。そんなに心配なら、手紙で聞けばいいでしょう」

「そんな直接は無理」


 レジーナへの手紙は緊張しすぎて逆に書けないんだよ。


「はあ、では母国の友人に近況報告でもさせてみるのは」

「なるほど」



 僕は同じ年の知り合いにかたっぱしから手紙を送った。

 そちらの学園の様子が知りたい、との建前で。


 レジーナに特定の相手はいなかった。

 それが分かっただけでも、ものすごく安堵する。



(やっぱり僕は彼女が好きなんだ)


 そこからは迷わなかった。

 公爵家に婿入りするため学問に邁進する。


 それなのに‥レジーナからあんな手紙が届くなんて。



『殿下にもどなたか意中の方ができましたでしょうか? いらしたらぜひ教えて下さいね。わたくしでしたらいつでも身を退きます』



 僕はテストが終わるとすぐに帰国の準備を整えた。

 採点結果を確認し、馬に飛び乗る。


 3日はかかる日程だったが、途中で馬を替えながら走り通せば半分でたどり着けた。

 王宮へ戻るより先に公爵邸に向かう。今日は婚約者の誕生日なのだ。一刻も無駄にできない。




 久しぶりだったけれどレジーナのことは一目で分かった。だって一番美しく輝いているのが彼女なんだから。



 パーティーに無事参加できた僕は、夕方2人きりにしてもらう。思いのたけをぶつけた。


 受け入れてもらったのが嬉しすぎて力が抜けてしまう。情けない。




 僕は公爵家に住みこむことにした。未来の義父から仕事を教わり、週末はレジーナと過ごす。


 公爵の視線がうるさくて、彼女との触れ合いは登下校の時だけなのは残念だけど。

 もうすぐ結婚するのだから、それまでは我慢だ。


 レジーナとは卒業パーティーのためにダンスの練習ができるし、至近距離で恥ずかしがる彼女も見られる。


 悪くない。



 しかし、自分にとって1つだけつけたいけじめがあった。

 アルベール・カステルである。


 

 留学したせいで同学年になった彼は、どうしても勝てない相手だった。

 勉強も剣技も優雅さも。


「いいかげんあきらめて下さい」

「うるさい、もう一回勝負だ!」


 付きまとっている内に仲良くなれたけどさ。


「キャァ、アルベール様頑張って」


 婚約者がいなくなったせいか、女生徒の人気は僕からアルベールに移る。

 まあそこは別に気にしていないけれど。



 昔、いつも誰にでも平等に接していたレジーナが、1人だけ目を輝かせたのがアルベールだった。

 今考えたら、彼女の初恋だったのかもしれない。確証もないのに心が乱される。


 パーティーに呼びつけたのは、レジーナの思いを知りたかったから。

 今の僕であれば勝てるだろうか。



「ところでさ、レジーナはボクとアルなら、どっちが好き?」


 

 僕は、勝利を収めた。


 明日はフローラルの視点です。

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