【プロットタイプ】俺以外と
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
本当、嫉妬とかしないんだよね。
第一声『堂々としてないと、付け上がるぞ』とかさ。
ふと気が付くと、有名なテーマパークにいた。皆、キャラクターのカチューシャや帽子を付け、モチーフのお菓子を片手にパーク内を練り歩く。その中で一人、知人を見掛けた。
鮮やかな黒の長髪。オフィスカジュアルを基準とした服に身を包み、ただ穏やかに微笑む。同居人の鏡花である。だがその笑顔が俺に注がれることは無く、別の者に向けられている。
童顔の丸こい目をした青年だった。彼は気恥しそうに持っていたチュロスを鏡花に渡す。
――そんなに緊張しないでよ。相手はこの私なのだから。
彼ははにかみ笑いを浮かべ、鏡花の返答に頷いた。どうやらデートの途中らしい。
此処で俺は今の状況を鑑みる。流石の鏡花と言えど、浅瀬のままに俺の前で堂々と浮気をするとは考え難い。その上、俺の姿には気付いていない。つまり此処は俺が見た夢なのだと解釈した。
ならば暫く、観察してみる事にしよう。この夢の中で、彼奴がどんな行動を取るか。
――次はその……海に行きたいな。
――えー海? 私の水着姿が見たいの? オイル塗ったり?
隣に座った彼に言い寄る様に、グイグイと体を近付ける。すると彼は真っ赤になって、縮こまる。どうやら図星の様だ。
堂々としてないと付け上がるぞ。此奴、夢の中でも行動変わんねぇな。
――もっと恥ずかしいことしてるじゃない。水着姿より見るより、オイル塗るより恥ずかしい事。態々、日焼けなんて痛い思いしなくても、帰れば二人きりだよ。
甘ったるい言葉。幾度となく耳元で囁かれた言葉。其れが今、俺以外の者へと注がれている。
意外と……嫉妬も何も無いものだな。他の男に言い寄る鏡花を見ても、嫉妬も、怒りも、何も無いものだな。
もし仮に、俺以外の人間と鏡花が出会っていたら、張り合う事なくそいつに譲るだろう。こんな執着もない奴と居るよりも、その方が幸せなのだから。
目が覚める。俺は何時もの寝室に居て、見慣れた天井を見上げていた。ふと気になって、鏡花の部屋、リビング、洗面場へと移動する。
「ぬぁ〜。今日は気分が良いぞ〜。昨日の便秘解消が功を奏したのか〜。ん。どうしたの瑠衣たん〜。鏡花ちゃんは今日は健康体よ」
「鏡花、お前、今好きな奴とかいるのか」
「え。瑠衣たんだけど」
お前は変わらないな。スリル求めて道を外す事はあるかも知れない。が、今は、浅瀬は、大丈夫か。
「あ、ねー。瑠衣たん。そこは『俺もだよ』というところだよー」
鏡花相手に、初心で、おぼこくて、振り回されてくれる子をぶつけたーい!!
という訳で、気が向いたら登場すると思います、この話。
瑠衣とは色んな意味で正反対。
表情豊かだし、振り回されてくれるし、思春期特有の欲もあるし。
そんな相手に『鏡花は?』って言われたら、受け入れてくれると思います。
もうデロンデロンに甘やかすと思います。
んでもってグイグイ迫ると思います。
『女の子慣れしてないのー? かーわい☆ 相手は私だから、緊張しなくていーよ』
『あらー鼻血出ちったの? 鼻押さえてー、下向いてー、
ティッシュ押し付けるから』
って。
瑠衣にんな事してみな。
『あ゛?』※ゴミを見るような目。
『お前よりも幸江一号の方がまだ色気あるわ』
って返ってくるよ。
でも悪くないと思ってるし、必要な時は傍に居てくれるから、それでいいんじゃないかな。
それにしても本当に恋愛感情ないんだね。
知らない人に鏡花がオイル塗られても、
『ついに俺の前で浮気する程、肝が座る様になったか……。感慨深いな』
『なんだ、反抗せずに慌てるなんて珍しいな』
なんてしんみりしてそう。