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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ファンタジー世界の治安維持 彼らはいかにして街を魔法による凶悪犯罪から防ぐのか

 “──時として、魔法は人の手に余るもの。邪なる者がひと度その使い方を誤れば、取り返しのつかぬ事態に陥いるやもしれぬ。──だが、人は愚かでもあり賢くもある。清き者らが力と知恵を合わせれば、善き方向へと向かわせることもできよう──”


 剣と魔法のファンタジー世界は、必ずしも平和と理想と夢と希望に満ちあふれているわけではない。世界征服を企てる魔王というは、まこと悪の筆頭と呼べるであろう。


 この魔王の位置には、野心に魅せられた王様や悪い魔法使いといった存在が来ることもある。この場合世界征服という大それた野望までには至らぬこともあるが、自国の領土を広げようとか或いは自国の王様に取って代わろうといった、比較的規模の大きな悪事と云えよう。


 これに対し、ちいさな悪というものは幾らでも存在する。王家の宝物庫からお宝を盗もうとする者、徒党を組んで商店街を牛耳ろうとする者、または女子の着替えや入浴を覗きたい出齒亀男といったような。


 こうした連中は腕力や武力といった物理的な力にて悪事を行うこともあろうが、剣と魔法の世界ならば、魔法にて悪事をはたらくこともあろう。──悪い魔法使いなどはその最たるものと云える。魔王もまた、魔法の力を用いることはよくある。純粋な打撃や火炎ブレスのみで攻めてくる肉体派魔王は少数派であろう。


 お宝を盗むのにも、磨き上げた盗賊の技術一本ではあるまい。解錠の魔法を用いる者もいよう。覗きに至れば、『透視能力者』(クレアヴォヤント)ともなれば、壁に孔を空けたり鏡を仕掛けたりせずとも目的を達せられよう。高位の使い手ならば、現場へ行く必要すらないであろう。──こう考えると剣と魔法の世界は、案外と治安が悪そうに思えてくる。


 しかしながら、こうしたものは──ある程度成熟した世界なら──対処がしやすいとも云える。ファンタジー世界の国家が王国や帝国──或いは公国でもなんでもいい。王様にせよ大公にせよ、君主がよほどのド無能でもなければ、こうしたよからぬことには何かしらの手を打つからである。


 まずは世界制服を企む者。これは相手が魔王ならば、れっきとした宣戦布告、或いはそれに等しき挑戦である。これは国家の危機であるから、自国を守る行動へ出るだろう。──自国領にて何かしらの破壊活動を魔王の手下が行えば軍を差し向けて鎮圧するであろうし、魔王軍が攻めて来たならばこちらも軍を率いて出撃し防衛戦争を行うのである。


 この魔王の位置に悪い魔法使いがいるとすれば、それが自国民ならば国家叛逆罪で引っ捕える。敵国或いは第三国の者ならば、やはり魔王と同じく戦争というかたちにてこれを征伐することとなろう。──自国の軍事力でどうにもならなければ、勇者や冒険者に頼ることになるであろうが。


 ではちいさな悪ならば?──これはもう国家の治安維持に於ける通常業務である。すなわち自国内に於ける犯罪の取り締まりである。これを行うは、国の制度によるところで変わってくる。軍が直接行うか、国家憲兵や軍警といった、軍の中で警察のような役目を仰せつかった者たちとするかは、書き手次第であるが──いづれにせよ今現在でいう警察のような組織が担うこととなろう。


 そう考えると話ははやい。盗賊の取り締まり、商店街を牛耳ろうと企むやくざ者、更衣室の壁を透視しようとする不届者、これらを憲兵だの軍警だのが引っ捕えてゆくだけである。──通常の、防犯や犯罪捜査と同じ手順を踏む次第である。


 よってここからは、事件の捜査や防犯といった警察任務を行う組織を、軍または軍警としてしるす。──書き手によっては国家憲兵や帝都警備隊や王立治安部隊など、さまざまな呼称があろうが、混乱を避けるため、ここでは軍または軍警として統一させていただく。


 さて犯罪と云えば、誰もが思いつくは『殺人』であろう。重罪でありながら最も知名度の高い犯罪。それ故にか、その手口も様々である。腕や紐にて首を絞める絞殺、拳や鈍器にてなぐる歐殺、槍などで急所を突く刺殺、剣や刀など刃物で斬り殺す斬殺、などなど。


 近代なれば爆殺や銃殺も加わる。──だがここは剣と魔法の世界。そのようなものはないが──しかし魔法を用いれば、似たようなことはできる。爆発魔法や火焔属性の範囲魔法といった強力なものは、近代武器に勝るとも劣らぬ殺傷力を持つのであるから。


 ひと口に殺人と云っても、動機はそれぞれ異なる。以前からの怨み、いわゆる怨恨によるものも多いが、たまたま眼についた者を手にかける通り魔殺人もあれば、政治的な邪魔者を取り除く『暗殺』というものもある。政治的なものとなれば、『テロ』もあるだろう。


 テロとは、無差別殺人などの暴力を用い、政府など統治機構や民衆に『恐怖』を与えて政治的な目的を達成しようというものである。──敢えて『恐怖』を強調したのは、テロの語源についてわかりやすく説明するためである。マジックザギャザリングのカードに『恐怖』というものがあるが、これは英語版だと『Terror』(テラー)と書く。英語発音だとテラーだが、フランス読みだとテロルになる。『恐怖』そのものが語源というわけだ。


 このような性質を持つがため、なにかしらの思想を持った団体の過激派が行うことが極めて多い。極左や極右といった政治結社の他、独立派や統合派といった連中、イカれた宗教団体、果ては国家が行うことすらある。


 とは申せ昨今は、政治思想が極まりまくった一般人が起こすこともあり、こうなると通常の兇悪犯罪との境界線は、ヘヴィメタルとハードロックの分水嶺並みに曖昧となってくる。──故に以下、これらを同列に語ることがしばしば起きるため、そのあたりについては留意いただきたい。


 さてテロと云えば、本邦にては『毒』の印象がつよい読者諸兄もおられるだろう。イカれた宗教団体が毒ガスを撒いた事件は、当時の世相に大きな衝撃を与えたものであった。──暗殺に於いても、毒はよく用いられる。飲食物に混入させる他、ロシア諜報機関などは毒ガスも用いているという。


 剣と魔法の世界に於いて、毒ガスを用いるというは容易である。『毒煙』(ポイズンクラウド)『毒霧』(クラウダ)など、毒属性を持つ魔法には毒ガスを発生させるものが目立つが故に。


 このようなものを、人が密集している場所でぶっ放されては一大事! 毒使いは皆に恐れられる存在と──なるかもしれぬが、案外とそうはならぬかもしれぬ。


 何故かと申せば、ここが剣と魔法の世界だからである。こうしたファンタジー世界に於いては、なるほど銃火器や発動機といった機械的な文明水準はひくいかもしれぬが、代わりに、薬学部門は我々の棲むリアル世界を大きく上まわっているものであるから。


 そのひとつが、『毒消し』にあろう。


 ひと口に毒と云っても、その種類は多岐にわたる。青酸カリや青酸ガスに対し用いる治療薬と、サリンなど有機リン系に用いる治療薬、アルカロイド系植物毒に用いる薬というものは、それぞれ異なる。蜂毒に効く薬であるからと云って、それが蛇毒に効くとは、限らぬのである。


 だが、ファンタジー世界の『毒消し』の前に、このような障壁なぞ存在せぬ。これがあれば、モスドラゴンの放った毒ガスであろうと、毒蠍やクロウラーの虫毒であろうと、殺人機械(キリングマシーン)の放つ毒ガス化学兵器であろうと、アンデッドの持つ細菌毒であろうと、なんだろうと治してしまう。──生きてさえいりゃあな。


 手持ちに薬がなくとも、魔法にて解決できる。ラテュモフィスやキアリーなど、毒を治療する魔法に於いても、『毒消し』と同じく毒の種類は問わぬのである。


 麻痺毒や睡眠ガスに於いてはこの限りではないこともあるが、やはり治療薬、治療魔法ともに確立しておるものであり──それ故に剣と魔法の世界に於いては、毒はさほどの脅威とはならなさそうである。


 ──生きてさえいりゃあな。死ねばそこでお終いであることには、リアル世界と同じなのである。


 次に考えられるは、爆弾テロであろう。昔はテロと云えば爆弾と相場が決まっていたのだ。極左団体が交番を爆破したり、宗教団体の過激派が航空機の手荷物に爆弾を仕掛けたりしていたのである。


 こうした設置型爆弾のような使い方を魔法で行うには、『エンチャント』であろう。壺でも木箱でもなんでも、なにかしらの物体に爆発魔法を『附与』(エンチャント)してしまえば、それは設置型爆弾と化すであろう。


 面倒な配線や起爆装置の設計などをしなくてよいぶん、リアル世界の爆弾製造よりは楽でお手軽であると云える。原料入手経路から足がつくこともないだろう。なにせ爆発魔法とエンチャントさえ覚えれば、誰でも爆弾がつくれると云えるのだから。


 こう考えると、剣と魔法の世界に於いては爆弾テロが容易に行えるように思える。──行いそうな勢力、或いは集団も存在する。魔王軍、或いはその残党、異端派魔導師集団など邪悪な魔導の探究者、王政或いは帝政打倒派、一部地域独立派、狂信的な宗教団体、などなど。


 ではこうした連中が頻繁に爆弾テロを行うような世界であるかと云えば──そうとは決して云い切れまい。なるほどかつてはそのような時代があったのかもしれないが、やがては終息に至るであろう可能性が高い。


 何故そう云えるのか?──それは、魔法を用いることができるのがそうした勢力のみには限られてはいないからである。つまりテロを行う側ではなく、受ける側、或いは取り締まる側も魔法が使えるということである。


 これは、対処が行えるということを意味する。──なるほど初手は防げなかったかもしれないが、2度、3度と同じような手口を使われているとやがては対処され、同じ手は通じなくなってゆくものである。受ける側、もとい取り締まる側がよほどの凡暗(ボンクラ)揃いでなければ。


 実際に我々の暮らすリアル世界に於いて、爆弾テロへの対処は過去に比べて格段に進歩している。航空機の手荷物に爆弾を紛れ込ませるという手口がかつては横行していたが、テロを受ける度に手荷物検査は厳しくなってゆき、今現在にてはそう易々と機内に爆弾を持ち込むことはできなくなっている次第にある。


 剣と魔法の世界に於いてはどうだろうか?──ここで重要となってくるは、テロに用いられる爆発物には『魔法が用いられている』ということである。もうすこしわかりやすく書くと、『魔法がかけられている』とすべきであろうか。


 魔法がかかっているということは、そこには魔法がかかっているのである。──何を当たり前のことを2度もくり返しているのかと思われるかもしれないが、ここが重要なのだからしかたがない。


 つまり魔法がかかっているということは、『魔法を感知できる』のである。手練の魔法使いにとっては。相当な修練を積んだ者、或いは専門の修練を積んだ者ならば、かけられている魔法がなんであるのかまでを見抜くことができよう。──『爆発魔法がかかっている』と見抜かれれば、その時点で事は露見した。ある日突然爆発するという恐怖を植えつけることが、ここで失敗に至るのである。


 無論、その爆発物をどう処理するかは別問題である。だが即座に周囲の者らに避難を呼びかけ、被害を防ぐ、或いは軽減する事はできよう。テロを未然に防ぐということは、充分に可能なのである。


 ──ここですこし脱線し、どう処理するかを考えてみよう。いち番に考えられるは、『魔法を解いてしまう』ことである。これには『解呪』(ディスペル)などの魔法が一般的にあろう。


 だが、テロをやる側もこれに対応してこよう。別なる魔法をエンチャントしておき、解呪の魔法に反応して発動するような二重の罠を仕掛けてくるかもしれない。或いは、物理的な罠を仕掛けるか。──こうなれば複数名で当たり同時に処理、または手練の盗賊に協力してもらい物理罠の解除に当たる、などの対処が必要となってこよう。


 このような特殊な技能を持った者たちが複数名で組んで事に当たるは、まことリアル世界の爆発物処理班と同じと云えよう。こう考えると、そこに需要が、つまりは雇用が産まれる。──先に述べた、王家の宝物庫から財宝を盗もうとする盗賊や、或いは悪い魔導師などは、ここで高禄をもって召し抱えることで、彼らを悪の道から救うとともに真っ当な仕事を斡旋するという、よい方策となるのではなかろうか。


 次に考えられるテロは、自爆テロであろう。爆弾テロの亞種と考えることもできるが、航空機やトラックなどで突撃するという、運動エネルギーを用いた破壊行為というもここに含まれる。


 しかしながら後者については、剣と魔法の世界に於いてはある程度無視してもよいであろう。──何故ならばそこまでの威力を有した乗り物はそうそう存在せぬからだ。たとえば自動車というものは普通車でも1トンほど、或いはそれ以上の重量を有し、時速100(キロ)もの高速を発する。このような重量と高速を有する乗り物は、そうそう存在せまい。


 ランドドラゴンや甲鱗ワームといった、地上種ドラゴンを代わりに用いることはできるかもしれない。──だがそのような連中、手懐けるだけでもむずかしい。そんな手間のかかる者どもを、自爆作戦などで無為に消費してよいものであろうか?──いや、いかん。絶対にいかん。そんなことをするくらいならば、普通にドラゴン騎兵として、突撃戦法をかけたほうが賢い行いであろう。


 これは航空突撃に於いても同じであり、貴重な飛龍(ドレイク)で無闇に特攻をかけるよりも通常戦を挑んだほうが──たとえばブレス攻撃を仕掛けたほうがよほどよいであろう。──ともあれ、どちらにせよ王国軍が迎撃に出てくることには変わりはなく、陸ならば騎兵隊を、空ならば竜騎士隊を相手にせねばならぬ。それらを可能な限り巻き込んでの自爆というのであれば、まだ効果は見込めるのではないか、とも考えられるが──しかしそこまで来ると、もはやテロの域を超えている。どちらかと云うと軍事行動に近い。──これは本稿で語ることではない領域の話と思われるので、勝手ながらここで打ち切らせてもらう。


 では前者の話、爆弾テロの亞種となるが、この場合幾らかのパターンが考えられる。ひとつは、爆発魔法を附与した壺かなにかを隠し持つ、或いは身体に巻きつけたかしたもの。次に、人間そのものに爆発魔法を附与するというもの。最後は、己が魔法を用いて自爆するというものである。


 ひとつ目は非常にわかりやすい。リアル現実世界のものと極めて近い原理であるからだ。ふたつ目は、まこと人間爆弾そのものである。──これらは、爆発物を持った、或いは人間爆弾と化した者が己の意志で起爆するとは限らぬところが厄介である。つまり術者が他にいて、その者が任意に起爆することができるということである。


 どこが厄介かと申せば、たとえば『麻痺』(スタン)『行動封じ』(ホールドアウト)などで実行犯を無力化しても、或いは即死魔法を放って息の根を瞬時に止めたとて、爆発そのものを封じたことにはならぬからである。下手をすると爆発魔法を解除しに処理班が集まったところを狙って起爆し、まとめて一網打尽にすることが可能だからである。


 人間爆弾とするはまさに狡猾のひと言に尽きる。己が爆弾と化したことにすら気づいていないことも充分に考えられる。──そのような者を殺すは、いかに多数の人命がかかっているとは申せ、さすがに躊躇せざるを得ぬ。


 では、どうすればよいのか?


 先に述べたように、人間爆弾を殺そうが、それは何らの解決にもならぬ。爆発魔法は解除されぬのであるから。ただ無為に死人をひとり増やしただけとなる。──ここはやはり爆発魔法を解除する方向でゆきたい。


 とは申せ、解除に近づいたところで起爆されるという危険がある以上、これもただ無策で解除するわけにもゆかぬ。


 手っ取り早いは、術者を黙らせることである。──黙らせる方法は問わぬ。モンティノやサイレンスといった呪文封じの魔法で起爆魔法の発動を防ぐもよし、即死魔法で息の根を止めるもよし、弓矢にて狙撃するもよし、忍者を放ってひと太刀にて首を刎ねるもよし、である。──ただし軍警や兵隊が大勢で斬り込むのはおすすめできない。姿を見るや起爆させる可能性が高いからだ。事は術者に気取られぬよう、迅速かつ静かに行わねばならぬ。


 この作戦が有効と思われるは、爆発テロを行うには絶好の機会を狙う必要があるからだ。そのためにはどうしても視認可能な距離に術者は身を置く必要がある。──水晶球などで遠方を透視できるなら別であるかもしれぬが、しかし遠距離になればなるほどどうしても時間差というものが生じる。また、人間爆弾を単独にて行動させると、思ったような行動を取らず、下手をすると逃亡する危険が生じる。──故に監視役の意味合いもあって、術者は爆弾を視認可能な場所、かつ、爆発に巻き込まれぬ場所へその身を置くであろう。


 己も爆死する覚悟を持っているなら別であるが、だがそれはさらに近距離に身を置くことを意味するがため、同じことである。


 このように、起爆のための術者を黙らせるが、もっとも有効な解決策と思われる。発動さえ防いでしまえば、解呪の時間はたっぷりと取れるからだ。術者が発動する素振りを見せたその時、何かしらの手段で黙らせるのだ。──爆発魔法の詠唱をはじめたところを押さえられては、何らの弁明もできはすまい。


 とは申せ、どのようにして術者を見抜くかという問題が出てくる。──しかし爆発魔法を人間に附与し、勝手に爆発せぬほどに安定させ、かつ、己の任意の時に起爆させるほどの術者は、相当な手練である。そんじょそこらの魔法使いとは、鍛え方が違う。気合が違う。気迫が違う。よほどうまく擬装せぬ限りは、溢れ出す凄味や気配が常人とは異なるであろう。


 また、魔法の腕前と監視や尾行、潜入の腕前とは別である。もし実行に専念するあまり、あやしい動きを見せてしまえば、軍警の尋問を受け、或いはひっ捕えられてしまいかねぬ。──そうなれば、なんのためにここへ来たというのであろうか。


 それを防ぐにはそうした修練も積まねばならぬが、そうなればより一層、只者(タダモノ)ではなくなる。軍警がよほどのめくら揃いでもなければ、必ずや眼につく。──最初のうちはともかく、2度、3度とテロを成功させていれば、必ずや。


 下手をすればその首に賞金をかけられ、軍警のみならず賞金稼ぎや冒険者や荒野のならず者や、果ては一般臣民から狙われる立場となる。──テロリストに安眠などないが、しかしこれではあんまりであろう。やはり、テロなどするものではないな。


 とて、最後の手段が残っている。それは術者自らが実行犯となること。己に爆発魔法を附与、或いは『自爆』の魔法を用いることである。


 ある意味では、これがいち番厄介であるかもしれぬ。魔法を用いるその時にならねば一般の魔法使いと区別がつかず、もしそのような者たちが大挙して押し寄せてくれば対処にも限度があるからだ。──リアル現実世界の特攻作戦と同じで、ただの一発でも許せば被害が甚大となるからだ。


 とは申せ、そこまでゆくともはやテロとか云う次元ではなく、戦争の領域である。軍が動くのに充分であり、通常の防衛戦が行われると見てよいであろう。──だとすれば、もはやここで語る術はなくなる。ただ戦闘が行われ、攻撃側が勝つか防御側が勝つかのどちらかとなるだけなのだから。


 このような、戦闘行為に近い対処となるテロには、銃乱射事件というものがある。パレスチナ解放戦線と日本赤軍という、世界を代表するテロ屋がタッグを組んで行ったテルアビブ空港襲撃事件が有名であろう。


 とは申せ、剣と魔法の世界に於いては基本的に銃は存在せぬもので、その代わりとなるものはやはり魔法となろう。弓矢では連射速度が銃と比べて著しく劣るからだ。──対し、魔法はものによっては機関銃並みの連射速度を有し、また、発射速度には劣れども砲撃や爆撃並みの威力と攻撃範囲を有するものもあるがためである。


 魔法を用いた爆弾テロとの違いは、術者が直接撃ち込むことである。──無論、追い詰められれば自爆することは充分に考えられようが。このあたりは先に述べた、術者自身が突撃をかけてくることと共通しよう。自爆に至るまでは魔法で攻撃してくるという可能性もあるからだ。


 ただここまでくると、通常の兇悪犯とそうたいして変わらなくなってくる。リアル現実世界でも銃乱射事件を起こすのはテロ屋の専売特許ではなく、一般犯罪者であることはよくあるからだ。コロンバイン大学事件然り、津山三十人殺し然りである。


 しかしここは、テキサス大学事件を参考に語るものとする。これは大量の銃器を校内に持ち込んだチャールズ=ホイトマンが塔という高所に陣取り、そこから地上を歩く人々を狙撃してまわったというものである。


 おそらくこれが、剣と魔法の世界に於いてはもっとも恐ろしいと云えよう。高所という、地上からは攻めにくくかつ到達までに時間がかかる、それでいてこちらからは地上を一望に見渡すことができる視認可能距離というは、魔法を放つには絶好の場所であるからだ。──離脱や生還を初手から考えぬならば、なおさらである。立てこもるにも最適なのであるから。


 発動の素振りが見えにくいのも利点である。先ほどの爆弾テロの場合でも、ここからならば詠唱にて己の位置と正体が露見することを防ぐことができよう。──この場合は逃走手段を考えねばならぬが、あらかじめ飛龍を飛ばしておく、或いは人混みに紛れるなど、やりようは幾らかあるだろう。


 しかしながら、何発も撃ってはやがては位置を気取られることは明白である。狙撃手のように一発撃つ(ごと)に移動したとしても、塔という閉鎖空間の中にいる限りはやがては同じこととなろう。──したがってやる側からすれば、それまでに幾ら撃てるか、或いは幾ら()れるかの勝負となってくる。


 先に述べた爆弾テロの要領で、爆発魔法を附与した壺か何かを投下するもひとつの手段にあるが、まとめてやるならイラプションなどの範囲攻撃魔法にあろう。──最も効果が高いはティルトウェイトにあろうが、さすがにそれをやると組織は徹底的な報復を受けて壊滅させられるだろう。なにせ核爆発なのだから。規模がデカければよいというものではないのである。やりすぎは厳禁であり、ある程度の齒止めは必要である。


 これは人道的な、或いは組織の未来のためだけによるものではない。ティルトウェイトほどの高位の魔法ともなれば、発動までにかかる手順は複雑にして、周囲への影響も測り知れぬところがある。膨大な魔力の動きは、発動前に気取られる公算も高い。ここからも、あまりにも高位で高火力な魔法は使用を避けたほうがよいであろう。


 すると現実的なところは、雷霆で撃ち抜いてゆくか、フレイムストライクを連発するか、アイススピアを連射するといった乱射型、或いはイラプションなどの範囲魔法を撃ち込む砲撃型となろうか。ポイズンクラウドといった毒ガス魔法も、低地へと広がってゆくのならよいであろう。──もし高所へ上がってゆくのならば、自分が御陀仏となるが。同じ理由にて地震系魔法もおすすめできない。塔が倒壊しては眼も当てられぬ。


 このような厄介極まるものを、王国軍や軍警はどう防げばよいのか。なるほど塔に門番はいようが、出入りする者をいちいち取り締まっていては身が保たぬ。だいいち、魔法を使われる以上、裸にしたところで見分けることはできぬ。まさか『犬と魔法使い立入禁止』ともできまいし、こうしたかたちでは未然に防ぐことは不可能にあろう。──強行突破される可能性も充分にあるのだから。


 門番ではなく、巡回式にしてみてはどうだろうか? 商店が窃盗予防のために警備員を巡回させているように。なるほど有効な手ではあるが──だがこれですべてを未然に防ぐことはできぬ。


 ひとつは、魔法使いひとりひとりにつけておくことは現実的ではないこと。警備員を雇うにも金がかかり、兵員を用いるにしてもその数には限りがある。城壁内の警備に兵員を割きまくった結果周囲の守りがおろそかとなり、敵国や魔王軍に攻め込まれたのでは、なんのための軍なのかわからぬ。


 かと云ってあやしいと目星をつけた者にいつまでも貼りつけておくわけにはゆかぬ。他の者への注意はおろそかとなり、また、貼りつかれた者もよい気分はすまい。それがまこと無実の者であったならばなおさらに。──こうしたことから軍や軍警に対する不満や不信感が募れば、下手をすると叛乱にもつながりかねぬ。テロを行おうとする者たちに行わせるまでもなく利する行為をして、どうすると云うのか。


 やはり警備のみに頼るは限界がある。もっと根本的な予防法、或いは解決法を考えねばならぬは事実にあろう。


 重要な場所にての魔法を封じてしまうというのはどうだろう。ドラゴンクエスト3のピラミッド地下階や、FFVのフォークタワーのような、魔法が使用できないフィールドというものを設営すれば、そこは魔法の脅威からは避けられる、一種の安全地帯となろう。


 しかしこれにも問題がある。いざという時にそこでは魔法が使用できないというが難点となる。──神殿や教会といった場所ではこの手は使えないであろう。儀式の際に何かしらの魔法を用いるものであるから。


 またこれは緊急事態に於いて困ったことになる。たとえば守るべき要人が急病にて倒れた際、魔法による治療や回復が一切できぬということになるからだ。


 リアル現実世界にもこうした例がある。──後に秦の始皇帝となる政王は非常に疑い深く、また用心深い人物であった。幼い頃より生命の危機にあったがためしかたのないことではあるが、それ故に『暗殺』には人いち倍の用心をしていた。


 暗殺を避けるための策として、側に控える文官には一切の武装をさせなかった。寸鉄ひとつ身に帯びさせぬ徹底ぶりだ。武官や護衛にあたる近衛兵などの武装した者たちは、特別の許可がなければ側には近づけないという、鉄の掟を敷いた。──これならば、もし配下の者が叛意を抱き、暗殺を企てようとも、絶対に実行できぬ! これで政王は暗殺の危機から救われる絶対安心安全システムが構築されたのだ──


 とは、ならなかった。荊軻という暗殺者が自ら降伏の使者を装って王の側に寄った。彼は密かに猛毒を塗った小刀を持ち込み、一瞬の(スキ)を突いて王へ斬りかかったのである。


 幸いにして初太刀をはずすも、荊軻は毒刃の二ノ太刀、三ノ太刀を放ってくる。猛毒の刃にあるがため、なにも持たぬ無手にて止めるは困難であり、何名もの文官がその生命を落とすに至ったのである。──この緊急事態に、武官や近衛兵は手出しができなかった。王の許可が下りぬからである。王は身をかわすが必死にて、許可を出すどころではなかったからだ。


 似たような例は近代や現代にも存在す。同じく猜疑心と用心のかたまりであった、ソビエト連邦同志書記長たるヨシフ=スターリンは、寝込みを襲われるを防ぐために、就寝中は許可なしに寝室へ立ち入ることを厳禁としていた。もし違反すらば、よくてシベリア送り、下手をすると処刑である。


 さて高齢となった同志スターリンは、折悪く就寝前に発作を起こした。床に倒れる音を部屋の前に控える護衛兵が聞いていたが、粛清が怖くてこれを無視して部屋の前に立ち続けた。──こうして即座に適切な医療措置が取られなかった結果、哀れな同志書記長は手遅れとなり、ソ連人民にとっては「知らない間に死んでいた」という末路をたどるに至ったのである。


 いづれにせよ、暗殺から要人を守るための措置が結果的に死を招き、或いはその危機を脱する大きな妨げとなった。──このような事態を避けるためには、あまりガチガチで融通の効かない防御策は控えたほうがよいとも思われる。


 ここは柔軟に、双方の策を組み合わせてみればどうだろうか?──すなわち、人員による対処と、一定範囲内に於ける魔法封じの策とを。


 そんな便利なものがあると云うのか?──ある。


 しかしながら一朝一夕にとはゆかず、準備や修練、育成、適切な運用といった面倒を多く含むが。


 その前に──おさらいの意味も込めて、魔法によるテロの対処法をもういち度述べてみよう。


 まずは、発見である。爆発魔法を附与された何物(ナニモノ)か、実行犯とおぼしきあやしい人物、魔法を使用するにあたり生じる何かしらの現象などの、テロ発生の兆候を見つけ出すことである。──これは人員に頼る他にはない。魔法に通じた者を採用、育成することで実現してゆくものである。


 さてそのような者が、実行犯を発見したとする。──取るべき手段は犯人を取り押さえて捕まえる、実行犯の魔法を封じてテロを防ぐ、というものとなろう。犯人の殺害は、あくまでも最後の手段とする。


 この魔法封じ、今までに述べてきたはモンティノやサイレンスといった呪文封じの魔法にあったが、今いち度これの運用方法について述べてゆこう。


 基本的にこれらの魔法は、先手を打つことに長けている。相手が魔法を唱える前に放ち、相手の魔法を封じるというものである。──まこと、先手必勝。先に放てば放つほど優位に立てる。だがそのぶん、後手にまわればまわるほど不利となる。


 通常、その点は問題とならない。基本的にこの手の魔法は戦闘に於いて用いるからだ。敵の魔法使いと出くわした際にあらかじめ放って魔法を封じるとか、開戦前に敵陣に間者を放って敵魔法隊の魔法を封じておくとか、そうした使い方を想定したものである。──これはここまでずっと、治安維持にあたるが軍、または軍警であるが故にこの手の魔法を使うを前提として書いてきた。


 だがここへ来て、そうした先手必勝の前提が仇をなしてきた。──相手がおたずね者や賞金首ならば見つけた瞬間に有無を云わせず放って魔法を封じても誰も文句は云うまいが、一般人と区別のつかぬテロリストや兇悪犯となれば、そうはゆかぬ。もし無実の一般人であった場合、大問題となるからだ。


 そうなると使用時期は極めて遅くなる。想定されるは、『相手が魔法の詠唱をはじめ』、『その魔法が攻撃魔法であり』、『人員を殺傷せんとする意志が明白』であるとわかった時である。


 明らかに、こちらが不利な状況である!──リアル現実世界で喩えるならば、『相手が拳銃を抜いてからこちらも拳銃を抜き、相手より先に引鉄を引く』、または『相手が刀に手をかけてからこちらも抜刀し、相手より先に抜いて斬り伏せる』といったものなのであるから。


 先に撃たせて、或いは先に斬らせてからではもう遅い。云わんや、相手は魔法使いなのである。もし間に合わなければこちらはばらばらに吹き飛ばされているのだ。無辜の民らとともに。──治安を守る軍警がこのようなことでは、いけない。


 しかしこうした、西部劇の早撃ち勝負や時代劇の抜刀勝負のような離れ技をやらなければならぬ。そのようなことが可能なのか? しかも魔法で?──答えは、『可能』である。


 それは、『対抗呪文』(カウンタースペル)である! これは相手の放った魔法に対してこちらも魔法を放ち、相手の放った魔法を『打ち消してしまう』というものである。──魔封じが先手必勝ならば、こちらは後手必勝の極みだ。ティルトウェイトだろうが究極魔法アルテマだろうが大厄災(テンペスト)だろうが破壊神を召喚しようが、発動しても魔力などの使用コストのみが消費され、その効果が発揮されることはない。相手にとっては完全な無駄撃ちとなる。


 これこそ、魔法テロから民を守る軍警が身につけておくべき魔法にあろう。先に述べた3つの条件、は、『相手が魔法の詠唱をはじめ』、『その魔法が攻撃魔法であり』、『人員を殺傷せんとする意志が明白であるとわかった時』に、なにかしらのカウンタースペルを放って『打ち消す』のだ。


 これで、あやしい者と遭遇した際に於ける対処の幅が広がった。現場を押さえてさえしまえばなんとかなるところまでは行った。


 次なる問題は、高所からの狙撃に対してである。向こうからは見えていてもこちらからは見えないといった不利な状況から、どのようにして防ぐのか。──これは対抗呪文での対応はむずかしい。気づくのは早くとも初撃を放たれた後となるからだ。それに術者がどこにいるのかを突き止めた後でなければ打ち消すことは叶わぬ。対象が絞り込めない限りはカウンタースペルの撃ちようがないがためである。──先に述べた巡回策で見つけ出せていれば別であるが、それとても限界はあろう。


 では、どうするか?──これには別の無効化策を取らねばなるまい。絶好の狙撃ポイントとなる塔の高所に魔法使用不能フィールドを構築するもひとつの手ではあるが、やはり急病人が出た等の事態を考慮すらばそれもむずかしいであろう。──また防衛上の問題もある。ドラゴン編隊や竜騎士隊などの敵航空戦力が攻めてきた際に魔法隊が詰める対空陣地ともなるからだ。


 ここは、『魔封剣(ルーニック)』を用いるのはどうであろうか。これは掲げた剣をもってして、まるで避雷針のごとくに己の身へ魔法を引き寄せるという特殊な剣技である。魔法こそ発動するも、その効果は発揮されぬ。魔法の持つエネルギーを吸収してしまう効果があるからだ。


 剣技である以上、見極めと予備動作がどうしても必要となるが、そこは修練で補うことができよう。研鑽を積んだ者ならば──それこそ先に述べた抜刀術の達人のごとくに──魔法が放たれたを見てから魔封剣を放ち、引き寄せて無効化することができるであろう。


 さすがにテキサス大学のような事件に於いては初撃を許してしまうかもしれないが、要人警護には適している。人前に姿を現した要人を狙って放たれた魔法は、これで引き寄せてしまえばよいのである。


 もっとも、魔法はなんでも引き寄せて無効化してしまう性質を持つがため、療養所や救護所といった病院のような治療施設の近辺にては使用は控えるべきであるが。


 以上の点を組み合わせ、或いは適切に行えば、魔法によるテロや暗殺といった凶悪事件を、かなりの精度で防ぐことができるのではないか?──すくなくとも、魔法テロが頻繁するような恐怖に満ちた治安の悪い世界とはなるまい。夢と希望にあふれた剣と魔法の世界は、こうした軍や軍警のはたらきによって守られているのである。


 さて最後に、こうした対テロ要員といった者はどのような人たちになるのであろうかについて述べてゆこう。


 まずは、魔法が使えなければなるまい。それも魔封じや対抗呪文といったものの使い手であることが必要条件である。──『行動封じ』(ホールドアウト)や即死魔法といった、いざと云うときに相手の動きを封じる魔法も使えればなおよし。相手の詠唱からいかなる魔法を用いようとしているかを見極める能力も求められるのであるから、広い範囲の魔法に通じているほうがよいのだから。


 魔封剣を使う以上、剣術に長けている必要があろう。取り押さえの際に相手が抵抗する可能性は充分にあるのだから、近距離戦闘への対応能力は最低限は必要である。ある程度は剣の心得がないといけないであろう。


 爆発魔法を附与されたものへの対処として、『解呪』(ディスペル)は必要である。万一の負傷への対応、毒への対処なども考えれば、やはり白魔法に通じている必要はあるだろう。


 これらを複数名が補い合う、数人が一個単位の部隊編成で考えてもよいが、人員不足の際のことも考慮すれば、ひとりがこれらの要素をできるだけ兼ね備えているほうがよいであろう。万が一ひとりで対処せねばならなくなった際のことも鑑みるに。


 そのような能力を兼ね備えた者がいるのか?──剣と魔法の世界を描いた作品の中から、そのような人物がいないかと考えた際、導き出されたは……


 『神官』クリフトであった。彼は回復や解毒といった白魔法の使い手で、魔封じも使える。──人によっては即死魔法の使い手との印象がつよいほどなのだから、魔法に関しては何らの問題もない。また、幾つかの制限こそあるものの、剣を用いることもできるのであるから、まこと此度の役目に関してはうってつけである。


 それを考慮するに、対魔法テロ要員としては、『神官』が最適であると結論づけてよいであろう。──意外なことだが、剣と魔法の世界に於いて魔法テロを防ぐには、『神官』が最適であるという結論が導き出された。軍は神官の育成を、その役目のひとつに置くべきであろう。


 無論、神官偏重主義は控えるべきだが。──これには神官が神職、つまり宗教と関わる者であることが理由のひとつと云える。あまりに重用しすぎると、軍と宗教とが深く関わりすぎかねないからだ。──とは申せ、他にも理由はある。


 もし魔法によるテロを警戒するあまり、剣士や重装歩兵といった要員を軽視すれば、忍者やモンク僧といった、徒手空拳の戦いを得意とする者が暗殺を企てる、などという事態が起きかねぬ。そうした者への対処も忘れずに、さまざまな兵種を揃えておくことは大事であろう。極端な偏りは、よくない。


 なにしろ、ともすれば不遇職とされがちな神官が、対魔法テロに対しかなりの対応力を発揮することがわかったのだ。他の不遇職と呼ばれる者たちにも輝ける場が、もしかすると存在するかもしれない。


 そうした場を提供するに、軍は適した場所と云える。さまざまな場面が存在し、それに対応せねばならぬ性格を持った組織だからだ。


 そのような者たちを輝かせることが──軍、及びそれを束ねる王国の責務のひとつなのやもしれぬ。

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