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1-4話 愉快な店


呟いた直後、何度か聞いたよく通る声が正面から聞こえてきて「え?」と返す。



目の前にはカウンターを挟んでさっきのコックが顔を出して来た。



「ここ昼は家の親が定食屋にしていて、夜から俺が仕切ってるんです」

まだ始めたばっかりなんですけどねと彼は付け足す。



どうやらコックと思っていた人は店長らしい。



だからウエイターは看板を出していたのか。



短髪で人懐っこく話すので、ウエイターよりもこの人についなんでも質問したくなってしまう。



「ここのメニューって多国籍ですよね。不思議だなと思って」

「メニュー絞る時に俺も悩んだんですよ。

最初は普通の洋食屋にしようかって悩んでたんですけど、美味しい物沢山作って出したいって絞るか悩んでいたらコイツが」とウエイターを指を指し「『べつに絞んなくていんじゃね』って」

と店長がウエイターの真似をすると「俺、そんなんじゃねーし」と真似された彼がウザ!っとでもいいたげな表情で返す。



すると「店では敬語つったろ」と店長に言われると彼はムスッとして顔を背けた。



「あのー」とそんな「彼」について知りたい事があり、店長に『彼は?』とも言いたげに目配せすると「ああ、アイツは拾ってきました」と

彼はにわかに信じがたい事を言ってきた。



ひょうひょうした口調で続けるものだから「は!?」と真顔で返してしまった。



いや、拾うとは例えで知り合いでいいウエイターをみつけたという意味かもしれない。



「いやあね、正確には俺の両親がなんですど道端で倒れてるとこ拾ってきて行くあてがないからって住み込みで俺が雇ったんです。最初は親達が人出欲しがっていたんですけどコイツ定食屋に適正なくて俺がこき使う事にしてます」



拾うは例えじゃなく本当に拾って来やがった。



(ヤバ!)



張本人は何か言いたげにしているがますますウエイターに対してのヤバい奴疑惑が止まらない。



「まあ、確かにホスト追い出されて行き倒れ出るしょーもねーヤベえ奴だけど」



ホスト•••。



ダルそうにしている彼がウエイターや持て成す系な仕事は彼に向くのだろうか。



まあクマが取れればイケメンではあるか?



「しっかり躾けていきますんでなんかあったら俺に言って下さい。ほらコイツあんなんでしょ?」と気だるそうなウエイターの表情を店長が真似ると「似てねー」とウエイターとまた不機嫌に返してきた。




なんとなく、ここの背景が分かってきたところで店長が「でもリハプッラを知ってる人がいてよかった〜」とほっとしたように話し出した。


頼む人いるかなってメニューの候補に入れるの迷ってたんだよねと店長が打ち明けるた。



「前に専門店食べて美味しかったから」と言うと店長はそっか〜と納得し「よかったらうち、デザートやお酒、苦手じゃなかったらあるから気軽に立ち寄ってね。とくに酒だけはコイツ作るの上手いから」と店長がまたウエイターを指して話したからか驚いた。



あ、でもホスト上がりならそうなのかもしれない。



まだ、少し小腹は空いている。

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