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第四十九話 一筋の光

 翌朝、私たちは情報屋に会いにウルゴアの街へと向かった。


「久しぶりだね…ってそんなでもないか。それで僕に聞きたいことって?」

「…私たち氷山の中にカジノを見つけたの。でもその施設の裏では、人に何かを流し込んで人形のように操って戦わせるとんでもないとこだったの。私たちはその操られている人達をどうにかして助けたくて…。」

「なるほど。助けるための情報を聞きに僕のところに来たってわけね。人を操る…か。」


 情報屋はしばらく考え込む。


「ほかに何か手掛かりはない?」

「私たち、その何かを流し込むための機械は見ているの。でもよくわからない言葉が連ねてあって…。」

「よくわからない言葉…。」


(一応この左手の機械で言語は異世界人の僕達でも認識できるようになっている。それでもわからないということは専門用語か、あるいは暗号か。どちらにしても直接見ないとわからないな。)


「ごめん、何で人を操っているのかは僕にもわからない。でもヒントならもしかしたら見つけることができるかもしれない。」

「どういうことだ?」

「図書館だよ。要するにその言葉の意味が分かればいいんでしょ?それならマナの木のふもとにある小さな図書館に行けば見つかるかもしれない。あそこはそういうの専門だからね。」


 図書館か…。そういえば美織もよく行っていたって言ってた。知識を得るにはもってこいの場所だ。


「分かった。そこに行ってみるね。ありがとう!」

「どういたしまして。」


 早速、私たちは情報屋の言っていたマナの木のふもとにある小さな本屋へと向かう。






「…うわぁ。なんていうかかなり年季が入ってる感じだねー。」

「でもこういうところって案外ほかにはないものを扱っている場合が多いだろ。」

「分からなくもねーけど、これは…。」


 そこにあったのはツタは絡まり、かなりボロボロなことから、建てられてからかなりの年月が経っていることがわかる。


「ま、入ってみるしかないだろ。」


 入り口の扉を開けると、中は外観に反してとてもきれいで、本は丁寧に並べられている。


「思ったよりも全然きれいだな。」

「そうだね…。」


 私は近くにあった本を一冊手に取る。


「この世界に来てから本なんて一回も読んでないな…。」


 昔は本屋に行っては買って読んでいた。ページを一枚一枚めくる感覚と文字から伝わってくる込められた思いが私は好きだった。


「真白おねーちゃん?」

「…あ。ごめんね。ちょっと考えごとしてて。」

「そっか。」


(今は目的の本を探すのに集中しなくっちゃ。)


「でもどうやって見つければいいんだ?こんだけたくさんあったら一冊一冊読んでる暇なんてねーぞ。」

「それなら司書に聞いてみるのが早いんじゃないか?」


 入ってすぐ左手にカウンターがある。


「誰もいないね。」

「留守なのかな。」


「あら、お客さんですか?」


 入り口のほうから声が聞こえてくる。


「すいません。今ちょうど帰ってきたところで。」


 見た感じ20代前半の若い女性だ。


「ここにはあんた一人だけなのか?」

「はい。昔は祖父も一緒だったんですけど、今は私一人で頑張っています。」


 一人でこの量の本を管理するのは大変なはずだ。それなのに本はキチンと整理され、手入れがいい届いている。


「それで、どんな本をお探しですか?」

「えっと…ゼノマニプキッドα-1714393って何のことかわかりますか?」


 私があの状況で必死に頭に詰め込み、覚えていた言葉だ。


「ゼノマニプキッドα-1714393ですか…。何かの薬品でしょうか?」

「おそらくそうだと思うんですけど。」

「それでしたら…。」


 女性が案内してくれるのでそれについていく。


「この辺の本に書いてあるかもしれません。」

「案内してくれてありがとうございます。」

「いえいえ。目当てのものが見つかるといいですね。」


 そういって女性はカウンターの方へ戻っていく。


「だいぶ絞られたけど…こりゃ大変な作業になりそうだな。」


 薬品についてまとめた本はざっと100冊ある。どれもかなり分厚く手分けしても一日で探しきれるかわからない。


「でも頑張るしかないね。」


 みんなで協力しながらゼノマニプキッドα-1714393が乗っている本を探す。しかしなかなか見つからない。


「この本にも載ってないか…。」

「これで薬品の名前じゃなかったらきついな。もしかしたら独自に開発したものかもしれないし。」


 実際その可能性はかなり高い。でも今はこれしか方法がない以上本に載っていることを祈るしかない。


 探し始めてから8時間がった。何も食べることなく探し続けていると、気になる言葉が目に入った。


「ゼノキッドα…。人体に投与することで痛覚を遮断することができる…か。」


 名前も効能もゼノマニプキッドα-1714393に通ずるものがある。


「もしかして薬品同士を組み合わせているの…?」


 もしこの考えが正しければ、おそらく脳の一部分をマヒさせるような効能を持った薬品があるはずだ。


「みんな。脳に悪影響を与える薬を探して!」

「…よくわかんねーけどわかった。」

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