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第四十一話 輝く赤色

「先手必勝ー!」


 早乙女が真っ先に攻撃を仕掛ける。


『月光拳!!!』


(しまっ…。踏み込みが甘い…!)


 足場が悪く思うような一撃が入れられない。


「グルァァァ!!」


 キラーベアーは早乙女に食らいつこうとする。


「翼ちゃん!下がって!」


 キラーベアーの意識が完全に早乙女に向いているスキを狙ってすかさず攻撃を入れる。


『リベリオン!』


 手足を狙ったマイの攻撃がうまく決まり、キラーベアーは態勢を崩す。


『エアリアルブレード!』

『グランドインパクト!』


 最後に私とアレンさんがスキルで決めきり、キラーベアーはそのまま倒れこんだ。


「今のは手ごたえあったぜ!」

「みんな!助かったよ!」

「ううん。翼ちゃんが引き付けてくれたおかげだよ。」


 最近翼ちゃんの行動が読めるようになって気がする。おかげでかなりこちらも動きやすくなってる。


「いやーおどろいた…!まさか偶然あった人達がこんなに強かったとは。僕も運がいいな。」

「あはは…。それよりあなたはどうしてあの魔物に追いかけられていたの?」

「いやー、僕ここから南にある街のアクセサリーショップで働いているんだけど、雪結晶ってアイテムを取りに来たんだ。行きは全然魔物に遭遇しなかったんだけど、帰りに後ろからなんか聞こえると思って振り向いたらキラーベアーがいてさ。それで逃げてたんだ。」


 ということはこの世界の人ってことだよね。どうして危険だってわかっていて一人でそんなことをしたんだろう。


「それより君たちはどうしてこんなところに?」

「私たちはそのキラーベアーの皮を取りに来たんです。」

「そうなの!?じゃあ僕は助かって君たちも目当ての素材が手に入ってウィンウィンだね!」

「…そうですね。」


 少しの間沈黙が続く。


「…冗談だよ!助けてもらったお礼に僕の店の商品から気に入ったものをみんなに一つ上げるよ。それでいいかい?」

「いえ、別にお礼なんて気にしなくていいですよ。」

「でもそこの二人は喜んでいるみたいだけど。」

「え?」


 振り向くと、マイちゃんと翼ちゃんが騒いでいた。


「やったなー!」

「うん!」


「…すいません。ではお言葉に甘えさせていただきます。」






 あの後、キラーベアーの皮を手に入れた私たちは、男の経営しているアクセサリーショップに来ていた。


「いろいろなのがあるんだな。これ全部お前さんが作ったのか?」

「もちろん。全部自慢の商品さ。」

「へー。」


 一つ一つがとても丁寧に作られている。


「本当に好きなもの一つもらってもいいんですか?」

「命を救ってもらったからね。命に比べたら安いもんだよ。」

「そうですか。ありがとうございます。」


 これだけ丁寧だと一つ作るのにどれだけの時間がかかっているのだろう。


「あたしこれー!」

「私はこれかな。」

「俺はこれにするぜ。」


 みんなそれぞれ気に入ったものを見つけたみたいだ。


「あとは君だけだけど…。なんかあったかい?」

「そうですね。これにしようかな。」


 私が選んだのは、ほかのものに比べ一回り小さいが、赤色に輝いていてきれいに形どられたハート形の自分の武器につけてぶら下げるタイプのアクセサリーだった。


「それでいいのかい?それうちの中でもあんまり高くないけど。」

「うん。これがいい…。」

「ならいいけど。」


 全員がもらうものを決めたところで、改めてお礼を言い私たちは店を去る。


「ありがとうございました。いつかまた来ますね。」

「今度はもっといいものそろえておくよ。」






「うお!ほんとに持ってくるとはね。」


 アクセサリーショップを出た後、防具屋に来た私たちはキラーベアーの皮を渡した。


「ではちょっと待っててくださいね。1時間ほどで仕上げてきますので。」

「そんなに早くできるんですか!?」

「はい。キラーベアーの皮は加工がしやすいんですよ。」


 それにしても1時間でこれほどまでに優れた防寒着を作れるなんてすごい。


 それから1時間後、奥の部屋から防寒着をもって女性が出てきた。


「できましたよ。」

「本当に1時間で作っちまった。」

「これを一からあの皮で作っちゃったの?」

「そうですよ。プロですから。」


 それを聞いて少しアレンさんは悔しそうな顔をしていた。


「無理なお願い聞いてもらってすいません。」

「いえいえ。素材さえ持ってきてもらえればなんでも作りますよ。」

「ありがとうございます。これでいつ彼が戻ってきても安心です。」

「早く戻ってくるといいですね。」

「はい。ではこれで失礼しますね。」


 店を出るときも笑顔で手を振って見送ってくれた。


「とてもいい人たちだったね。」

「そうね。また来たいね。今度は春人君も一緒に。」


 彼が戻ってくることを待ちながらも私たちは次へと進んでいく。

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